高エネルギー密度
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 01:50 UTC 版)
固体電解質の耐熱性は有機溶媒電解質に比べて高く、この冷却機構の占める体積や重量を低減することも可能であると考えられている。車載用途などの大型電池において、エネルギー密度向上に対する全固体化の効果が高いといわれるバイポーラ構造の採用があげられる。車載用の電池パックには数百ボルトの電圧が必要であるが、リチウムイオン電池の起電力は4V程度であることから、液体系では数十セルを直列に接続し、その場合の電槽も同数必要になる。それに対し全固体系では、バイポーラ電極と固体電解質の薄層を交互に積層することで、単一の電槽内に収めることができ、電池容器が占める体積や重量を大幅に低減することができるといわれている。これにより、活物質以外のエネルギー貯蔵の機能を担わない材料を削減でき、エネルギー密度を向上させることが可能である。さらに、電気化学的分解反応を受けにくい固体電解質は、高電位を示す正極活物質を利用でき、理論エネルギー密度自体の向上が可能となる。
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