電子ビーム溶接とは? わかりやすく解説

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電子ビーム溶接

英語 electron beam welding

電子ビーム熱源として溶接する方法である。図に示すように、真空中陰極加熱して発生させた電子高電圧をかけ加速させ、さらに電磁コイルレンズ集束させた高密度の電子ビーム照射し、その衝撃により発生する熱で、被溶接物を溶融させ溶接をする方法である。電子高速かつ高精度制御することで、アーク溶接比較すると倍以上の高エネルギー密度得られ融点の高い材料溶接や、溶け込み深く溶接ひずみの少な高精度溶接ができる。自動車ではパワートレイン関係の精密部品電子機器など、微小な部品溶接使われている。

電子ビーム溶接

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

電子ビーム溶接

タングステンなどの高融点金属加熱して発生させた熱電子50〜100kVの 高電圧をかけて加速しワーク衝突させる。このときに発生する熱エネルギーで 行う溶接溶け込みの幅が狭く、深いことが特徴で、溶接としては最も精密な接合出来る。一般に真空中で行う必要がある

電子ビーム溶接

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/06 07:21 UTC 版)

電子ビーム溶接機
電子ビーム溶接の図。1:母材、2:電子ビーム、3:溶融池、4:溶接金属
電子ビーム溶接した部材の断面図

電子ビーム溶接(でんしビームようせつ、英語: electron beam welding)とは、融接に分類される溶接の一種。真空中でフィラメントを加熱させ、放出された電子を高い電圧で加速させ、電磁コイルで収束させたうえで、母材に衝突させ溶接を行う方法である。

特徴

電子ビームを母料に衝突させて、その運動エネルギーが変換されて生まれた熱エネルギーにより溶接する方法である。長所としては、高真空中で溶接を行う為、大気の汚染がなく、薄板から厚板まで溶接が可能である。また、溶接部に加えられる入熱量が少ない為、溶接後の歪みが少なく、非常に深い溶け込みが得られる。短所としては、溶接装置が高価でX線の放射の問題がある。

溶接方法

高真空中でフィラメント電極から高速に加速された電子ビームを、集光レンズと呼ばれる電磁コイルで適切なサイズへ集束され、真空容器に入れられた母料に衝突させる。真空で溶接を行う為、真空容器にはのぞき窓、排気装置、材料を動かす為の接地された可動テーブルが取付けられている。

関連項目


電子ビーム溶接

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 06:05 UTC 版)

溶接」の記事における「電子ビーム溶接」の解説

電子ビーム溶接部当てて加熱する溶接。入熱量少なく、非常に深い溶け込み深さ得られるので精密な溶接に向く。異種金属の接合も可能。ただし真空中でしか溶接できないので、コストは非常に高い。使用例人工衛星深海探査艇高エネルギー加速器部品などで、かつてはコスト無視できるような特殊な製品でないと使うことは出来なかった。代表例として、F-14戦闘機可変翼チタン部品熔接用いられた。当時では極めて高価で高度な技術であった。しかし近年自動車のAT率の増加に伴い、トランスミッションギアの溶接使用されるようになり、日本ではほとんどの自動車メーカー及び系列部品メーカー採用している。米国自動車メーカーは、制動X線発生することから採用せず、レーザー溶接採用している。

※この「電子ビーム溶接」の解説は、「溶接」の解説の一部です。
「電子ビーム溶接」を含む「溶接」の記事については、「溶接」の概要を参照ください。

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