違法伐採とは? わかりやすく解説

違法伐採

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/10 21:10 UTC 版)

違法伐採とは、原産国・地域の法令に違反して実施される森林の伐採である。

概要

熱帯雨林の減少の要因としてこれまでもたびたび主要国首脳会議での議題に上るように国際的な問題になっている[1]。インドネシアでは伐採木材の73%が違法と推定され、主要熱帯木材生産国で生産される木材の50%~90%が違法伐採によるもので、世界全体でも15%~30%が違法伐採であるとの推計(2012年)がある[1]。供給する側だけでなく、購入する側にも一因があるとされる。

東南アジア(インドネシアマレーシア等)、ロシア(ロシア極東地域等)、アフリカ(カメルーンガボンコンゴ等コンゴ川流域)、ブラジル(アマゾン川流域が違法伐採の拠点として挙げられる[2]

違法伐採には所有権や伐採権のない森林の伐採である"盗伐"や森林保護地域での伐採や伐採の許可を受けても伐採許可量を超過した伐採や国際条約で保護された樹種の伐採や書類の偽造による取引、密輸など、許可条件に違反して行われる場合も違法伐採に含まれる[2]

国連環境計画(UNEP)の警告では緊急に手を打たなければスマトラとボルネオの天然熱帯雨林は2022年までに98%が姿を消すといわれており、南米アマゾンでは、1時間毎にサッカー場150個分もの森林が消失しているという報告もある[2]

1998年のG8外相会合及び首脳会合では、世界の森林に関する行動計画である「G8森林行動プログラム」が合意され、九州・沖縄サミット(2000年)では違法伐採に対処するための最善の方法につき検討する旨の首脳声明が採択され、2002年には違法伐採対策を含む最終報告書が取りまとめられ、2005年のグレンイーグルズ・サミットでは、違法伐採対策を推進することが合意された。

森林認証制度(FSCPEFC、SGEC等)がある。

関連項目

脚注

参考文献

外部リンク


違法伐採

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/07 08:06 UTC 版)

木材産業」の記事における「違法伐採」の解説

木材は、人工物ではなく天然物であるため、種により分布偏りがある。その中でも高級木材になる木が多い東南アジア熱帯雨林では、違法伐採が深刻化しており、元の状態になるのには100年以上はかかるといわれている。こうした違法に伐採され木材流通問題となっており、輸出国における森林減少など地球環境破壊につながるばかりか違法に生産され不当に安い木材製品により輸入国林業木材産業大きな打撃与え深刻な問題で、日本ではこれまで法令による正し手続き生産された「合法木材」の積極的な利用呼びかけていて「合法木材推進マーク」はこの活動促進するためのマークである。 さらに平成28年には「クリーンウッド法」が制定され民間事業者に対して政府調達求められている合法的に伐採され木材の利用促している。 また、2003年EUなどにより、FLEGT(森林法施行ガバナンス及び貿易)行動計画策定された。違法伐採による深刻な環境的経済的社会的影響立ち向かうために、アジアアフリカなどの生産国地域法律従い税金支払い環境及び地域住民対し責任のある事業を行うことにより違法伐採の撲滅目指している。この行動計画当初違法材のEUへの流入回避目的としたが、今ではEU外でも加入している国が多くあり、日本でも参加している。合法材の供給促進させ、責任ある管理行われている森林から生産される木材への需要増加させ、長期的に持続可能な森林管理目標としている。

※この「違法伐採」の解説は、「木材産業」の解説の一部です。
「違法伐採」を含む「木材産業」の記事については、「木材産業」の概要を参照ください。

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