きょうと‐ぎていしょ〔キヤウト‐〕【京都議定書】
読み方:きょうとぎていしょ
《「気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書」の通称》先進国の温室効果ガス排出量削減に関する国際的な取り決め。1997年京都で開かれた第3回気候変動枠組条約締約国会議で採択。2005年発効。二酸化炭素・メタン・亜酸化窒素など6種類の温室効果ガスについて、法的拘束力のある数値目標を定めた。→京都メカニズム
[補説] 2008年から2012年までの5年間(第一約束期間)に、先進国全体で、1990年と比較して少なくとも5パーセント削減するとし、EU8パーセント、米国7パーセント、日本・カナダ6パーセントなど、国・地域別の削減目標も設定した。目標達成を促進するため、他国から排出枠を購入できる仕組み(京都メカニズム)を導入。EUは12.2パーセント、日本は8.4パーセントの削減を達成した。米国は2001年、カナダは2012年に離脱。2012年のCMP8(開催地ドーハ)で、2013年から2020年までの8年間を第二約束期間とし、1990年比で18パーセント削減する議定書改正案が採択されたが発効に至らず、2015年、京都議定書に代わる枠組みとしてパリ協定が採択された。
京都議定書(きょうとぎじょうしょ)
1997年12月に京都で行われた会議で、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を削減することに、数値目標が定められた。このときに、全会一致でまとめられたものが京都議定書だ。
議定書では、2008年から2012年までの間に、1990年における温室効果ガスの排出量を基準として、5%以上の削減義務を定めている。法的拘束力のある数値目標は、各国ごとに異なり、日本は6%、アメリカは7%、EUは8%などとなっている。
同時に、排出量を各国間で取引して、目標を達成することも可能としている。ロシアや東欧諸国では、経済の低迷により温室効果ガスの排出が大幅に減ってきており、余裕で数値目標を達成できると見られている。そこで、日本などは、ロシアなどから余った排出権を買い取ることで、目標を達成することができるわけだ。
2000年11月に、オランダのハーグで開かれた気候変動枠組み条約第6回締約国会議 (COP6) では、温室効果ガスの排出量削減のための具体的なルールを決めることになっていた。しかし、交渉は決裂し、2002年に発効する予定だった京都議定書が延期されることになった。
今回、温室効果ガスを最も多く排出しているアメリカが京都議定書に支持しない考えを表明したことで、地球温暖化防止の取り組みが後退すると言えそうだ。
(2001.04.02更新)
京都議定書 (きょうとぎていしょ)
京都議定書(COP3)
1997年12月に京都で開かれた、気候変動枠組み条約の目的を達成するためCOP3(第3回気候変動枠組み条約締結国会議)で採択された議定書。先進国などに対して二酸化炭素などの温室効果ガスを1990年比で、2008~12年の5年間に削減するべき数値目標を義務づけている(日本6%、アメリカ7% 、EU8%)。また、国際的に協調して、目標を達成するための仕組みとして実施メカニズムを導入した(排出量取引き、クリーン開発メカニズム、共同実施など)。また、途上国に対しては、数値目標などの新たな義務は課さないことで決定。
参照 温室効果ガス、気候変動枠組み条約京都議定書
京都議定書
→気候変動枠組条約
京都議定書
気候変動枠組条約に基づき1997年12月に京都市で開かれた「第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議、COP3)」で議決された温室効果ガス削減に関する国際合意(議定書)
その内容は、1)先進国の温室効果ガス排出量について、法的拘束力のある数値目標を各国毎に設定する。2)国際的に協調して、目標を達成するための仕組みを導入(排出量取引、クリーン開発メカニズム、共同実施など)。3)途上国に対しては、数値目標などの新たな義務は導入しない。4)具体的数値目標を設定する。対象とするガス は二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、フロンガス(HFC)等を対象とする。また、 森林等の吸収源による温室効果ガス吸収量も算入する。削減の基準年を1990年として、目標期間を2008-2012年とした。5)各国毎の目標は日本6%、米国7%、EU8%等で、先進国全体で少なくとも5%削減を目指す。
しかし議定書の批准の段階で、世界最大の温室効果ガス排出国(約20%)である米国(ブッシュ政権)が離脱した。また、近年温室効果ガスを多量に排出するようになった中国(約20%)・インド(4.5%)等の新興工業国が対象外であることから、実効性が疑問視されている。我が国も、京都議定書の開催された2002年時点で基準年の1990年に比較して8%も増加していたことから、実質14%以上削減する必要があり、公約の達成は容易でない。
現在、発展途上国も含めた新たな枠組みの必要性が求められているが、各国の思惑や国益がぶつかり合うために新たな枠組みの作成は決して容易でない。(山本秀樹)
参考URL:
外務省ホームページ http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/kiko/cop3...
環境省ホームページ http://www.env.go.jp/earth/cop6/3-2.html
京都議定書
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/22 06:32 UTC 版)
気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書(きこうへんどうにかんするこくさいれんごうわくぐみじょうやくのきょうとぎていしょ、英: Kyoto Protocol to the United Nations Framework Convention on Climate Change)は、1997年(平成9年)12月に京都市の国立京都国際会館で開かれた第3回気候変動枠組条約締約国会議(地球温暖化防止京都会議、COP3)で同月11日に採択された、気候変動枠組条約に関する議定書である。通称は、京都議定書(きょうとぎていしょ、英: Kyoto Protocol)。以下、原則として京都議定書の表記を用いる。
注釈
- ^ スウェーデンの数値はEU域内で割り当てた目標値である。なお、同国ではそうしたEU諸国の理解に甘んじることなく、たとえば南部のベクショーでは 2010年までに 1993年比50%削減といった目標を、コミューンが独自に掲げて取り組むといった努力が続けられている。[要出典]
- ^ アル・ゴア副大統領は批准を推進するも、自動車・電力(米国での発電には未だに石炭も多く使われている)など産業界からの反対を受けクリントン大統領が批准を断念、次いで大統領選挙に臨んだブッシュは削減義務受け容れを訴えて当選するが、後にこれを覆し、京都議定書を拒絶した(後述の米WGBH報道番組で詳説)。特に世界最大の排出国である米国のブッシュ政権は強硬に反対していたため、国内世論およびEUなど削減に努める向きから批判されていたが、最近ようやくその政策が変化はじめたと指摘する向き(次の参考記事など)もある。[要出典]
出典
- ^ 飯田 (2000) [要ページ番号]
- ^ ノルゴーら (2002) [要ページ番号]
- ^ [グリーンタイムズ 6巻5号]、NEDO。
- ^ 飯田 (2000), p. 84.
- ^ 気候変動枠組条約第7回締約国会議(環境省)
- ^ CGER ココが知りたい温暖化 排出削減目標を達成できない場合(国立環境研究所 地球環境研究センター 久保田泉)
- ^ 馬場未希 (2007年4月17日). “政府が初めて温暖化ガス排出権を122億円で購入 京都議定書を守る費用は今後数兆円に上る可能性も”. 日経ビジネスオンライン. 日経BP社. 2009年1月18日閲覧。
- ^ 気候変動枠組条約第6回締約国会議(COP6)について 京都議定書発効の要件(環境省)
- ^ ホッキョクグマ、米が絶滅危惧種に提案 温暖化政策変化(朝日新聞、2006年12月28日)
- ^ BS世界のドキュメンタリー『アメリカ 石油依存の構図 〜遅れる温暖化対策〜』(原題 "Hot Politics"、米WGBH制作)
- ^ ラッド豪首相、初仕事は京都議定書批准 新内閣が発足(朝日新聞、2007年12月 3日)
- ^ “京都議定書の署名国と締約国”. 気候変動枠組条約・京都議定書. 環境省. 2013年11月23日閲覧。
- ^ “Status of Ratification of the Kyoto Protocol” (英語). 気候変動枠組条約事務局. 2013年11月23日閲覧。
- ^ 気候変動枠組条約第6回締約国会議(COP6)について 京都メカニズムの概要(環境省)
- ^ (PDF)京都メカニズムの仕組み(環境省)
- ^ 吸収源対策としての森林整備について(林野庁)
- ^ “2012年度(平成24年度)の温室効果ガス排出量(確定値)について”. 報道発表資料. 環境省 (2014年4月15日). 2016年8月3日閲覧。
- ^ “京都議定書第一約束期間(2008~2012年)の目標はどうなっていたの?”. 林野庁. 2018年5月7日閲覧。
- ^ “附属書 I 国の温室効果ガス排出量と京都議定書達成状況(2013年提出版(2011年値)”. 国立環境研究所. 2013年11月23日閲覧。
- ^ 石井 (2004), p. 19.
- ^ 石井 (2004), pp. 34-36, 40.
- ^ 京都議定書後の地球温暖化問題に関する国際枠組構築に向けて2007(日本経済団体連合会)
- ^ 石井 (2004), p. 58.
- ^ “改正京都議定書条文” (PDF) (英語). 気候変動枠組条約事務局. 2013年11月23日閲覧。
- ^ “Doha Amendment” (英語). 気候変動枠組条約事務局. 2021年9月1日閲覧。
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