IPCC
別名:気候変動に関する政府間パネル
英語:Intergovernmental Panel on Climate Change
各国の政府関係者や科学者などからなる、地球温暖化問題を扱う国際機関。1988年に、世界気象機構(WMO)および国連環境計画(UNEP)が主体となって設立された。
IPCCでは、過去に全世界で発表された地球温暖化に関する研究成果を取りまとめ、科学的側面、技術的側面、社会経済学的側面などからの多面的な検討を行っている。3つの作業部会では、それぞれ地球温暖化に関する科学的知見、社会や生態系に対する影響、温室効果ガスの排出抑制など対策に関する議論が行われている。
IPCCが発行する報告書は、地球温暖化の科学的研究や政策判断などにおいて重視され、京都議定書や気候変動枠組条約の交渉会議においても重要な資料とされてきた。IPCCは1990年に「第1次評価報告書(AR1)」を発行してから、5-6年に一度の頻度で評価報告書を改訂し、最新の知見を反映させている。これまで発表された評価報告書では、人類の活動が地球温暖化に影響を与えていること、それにより深刻な被害が生じる危険性があること、状況が次第に悪化していることなどが明記されてきた。人為的影響が地球温暖化をもたらしたという事実の確からしさは、第3次評価報告書では66-90%とされたのに対して、第4次評価報告書では90%以上、第5次評価報告書では95%以上と評価された。
IPCCが2013年から2014年にかけて発行した第5次評価報告書では、現在のペースのままで温暖化が進むと、地球の平均気温が5℃以上上昇することが示された。また、それによって生じる農業生産の減少や氷床融解、海面上昇などの具体的推測値や、温室効果ガスの削減目標などが発表された。
なお、IPCCは2007年に、人為的な地球温暖化に対する人々の意識を高めた功績に基づき、アル・ゴアとともにノーベル平和賞を受賞した。
関連サイト:
IPCC
IPCC(気候変動に関する政府間パネル) - 気象庁
きこうへんどうにかんする‐せいふかんパネル〔キコウヘンドウにクワンする‐〕【気候変動に関する政府間パネル】
読み方:きこうへんどうにかんするせいふかんぱねる
《Intergovernmental Panel on Climate Change》⇒アイ‐ピー‐シー‐シー(IPCC)
気候変動に関する政府間パネル(きこう・へんどう-かん-せいふ・かん・パネル)(Intergovernmental Panel on Climate Change)
政府関係者や科学者などが参加して、政策立案者に対して科学的知見に基づく助言を与えることを目的に1988年に設立された。英語表記の頭文字を使ってIPCCともいう。
気候システムおよび気候変動に関する科学的評価、気候変動に対する社会・経済システムや生態系の脆弱性(ぜいじゃくせい)と気候変動の影響および適応性に関する科学的評価、温室効果ガスの排出抑制および気候変動の緩和策に関する科学的評価を作業部会ごとに行っている。
IPCCは、国際的な問題となっている地球温暖化の対応について科学的に裏付ける組織として、世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)の下に設置されている。1990年に第一次評価報告書を発表して以来、1995年と2001年に地球温暖化に関する科学的知見を集約した評価報告書を発表している。
IPCCは2日、平均気温や海面水位の上昇など人間活動による地球温暖化が進行するという分析および予測をまとめた第4次評価報告書を発表した。
(2007.02.05掲載)
気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental
Panel on Climate Change)各国が政府の資格で参加し,地球の温暖化問題について議論を行う公式の場としてUNEP及びWMO(世界気象機関)の共催により,1988年11月に設置されました。温暖化に関する科学的知見の評価,温暖化の環境的・社会経済的影響の評価,今後の温暖化対策のあり方の3課題についてそれぞれ部会を設け,検討を進めています。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)
気候変動に関する政府間パネル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/09 22:58 UTC 版)
気候変動に関する政府間パネル(きこうへんどうにかんするせいふかんパネル、英語:Intergovernmental Panel on Climate Change、略称:IPCC[5])は、国際的な専門家でつくる、地球温暖化についての科学的な研究の収集、整理のための政府間機構である。学術的な機関であり、地球温暖化に関する最新の知見の評価を行い、対策技術や政策の実現性やその効果、それが無い場合の被害想定結果などに関する科学的知見の評価を提供している。数年おきに発行される「評価報告書」(Assessment Report)は地球温暖化に関する世界中の数千人の専門家の科学的知見を集約した報告書であり、国際政治および各国の政策に強い影響を与えつつある。
- ^ 百科事典マイペディア - IPCC【アイピーシーシー】. コトバンク. 2019年3月13日閲覧。
- ^ ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. コトバンク. 2019年3月13日閲覧。
- ^ a b 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンク. 2019年3月13日閲覧。
- ^ a b 大辞林 第三版. コトバンク. 2019年3月13日閲覧。
- ^ “世界に15億頭…牛のげっぷは地球温暖化の促進要因、世界が行う対策とは”. 日刊スポーツ (2021年11月8日). 2021年11月8日閲覧。
- ^ IPCC(気候変動に関する政府間パネル),気象庁
- ^ a b About IPCC(IPCC)
- ^ IPCC Reports (IPCC)
- ^ 特別報告書/技術報告書/方法論報告書について((財)地球・人間環境フォーラム)
- ^ AR4 WGI SPMの要約(環境省)
- ^ AR4 SYR SPM
- ^ IPCC総会(Spain, Valencia, 2007.11.17)に於けるPress Presentationのスライド
- ^ IPCC 第4次評価報告書の日本語訳に関するページ(気象庁)
- ^ AR5 WGI TSの要約(気象庁)
- ^ “気候変化 2007:影響、適応及び脆弱性”. 環境省. 2021年8月11日閲覧。
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「気候変動に関する政府間パネル」の例文・使い方・用例・文例
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