名古屋議定書
別名:生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書、ABS議定書
英語:Nagoya Protocol、Nagoya protocol on Access to Genetic Resources and the Fair and Equitable Sharing of Benefits Arising from their Utilization to the Convention on Biological Diversity、ABS Protocol
2010年10月の生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)で採択された、遺伝資源の公平な利用と利益配分(ABS)に関する議定書。2002年のCOP6で採択されたボン・ガイドラインの基本理念を踏襲し、法的拘束力を持つ初めての枠組みとして具体化された。2014年10月に発効した。
名古屋議定書の採択に至るまでは、複数の論点において、遺伝資源利用国(主に先進国)と遺伝資源提供国(主に発展途上国)の対立や意見相違が顕在化した。例えば、アフリカ諸国は、先住民の知識を利用して開発された医薬品などの利益還元を、植民地時代まで遡って利用国が行うこと(遡及適用)を主張したが、その主張は利用国にとっては受け入れ難かった。また、遺伝資源から得られた派生物も利益配分の対象となるか、どのような機関がコンプライアンス遵守の監視を行うかなども主要な論点となった。
COP10が始まった後も各主要論点は結論を見ず、議定書が合意に至る可能性は薄いとされていたが、最終日になって採択が決定した。議長国の日本が両者の主張を折衷した議長案を提出するとともに、各国に働きかけを行ったことが、採択に至った大きな要因だったとされている。その後、世界53ヵ国が2014年10月までに名古屋議定書に批准し、同年10月12日に正式に発効することとなった。日本は調整が遅れ名古屋議定書の発効までに批准できなかった。
関連サイト:
名古屋議定書に係る国内措置のあり方検討会 - 環境省
名古屋議定書 - 一般財団法人バイオインダストリー協会
なごや‐ぎていしょ【名古屋議定書】
読み方:なごやぎていしょ
《正称「生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書」》遺伝資源の利用と公正な利益配分(ABS:access and benefit-sharing)に関する国際的な取り決め。平成22年(2010)に名古屋市で開催された生物多様性条約第10回締約国会議(COP(コップ)10、通称国連地球生きもの会議)で採択された決議の一。資源利用国は資源提供国の法令に従い、事前に提供国の同意を得ること、遺伝資源の利用から生じる利益は両者が相互に合意した条件で公正に配分すること、などが定められた。平成26年(2014)発効。ABS議定書。→愛知ターゲット
名古屋議定書
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名古屋議定書(なごやぎていしょ、英語: Nagoya Protocol)は、遺伝資源へのアクセスと利益配分を着実に実施するための手続きを定める国際文書のことである[2]。
- ^ 名古屋議定書 - 外務省
- ^ a b c d 環境省 名古屋議定書について(2017年8月14日閲覧)
- ^ 名古屋議定書が発効 生物資源の利益配分を明確化 朝日新聞 2014-10-12 Archived 2014年10月12日, at the Wayback Machine.
- ^ a b “名古屋議定書の批准完了”. 中日新聞 (中日新聞社): p. 朝刊 2. (2017年5月23日)
- ^ UNTC 2014-10-12
- 1 名古屋議定書とは
- 2 名古屋議定書の概要
- 3 諸外国等の動向
- 4 関連項目
名古屋議定書
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「生物の多様性に関する条約」の記事における「名古屋議定書」の解説
正式名称は「生物の多様性に関する条約の遺伝資源の取得の機会及びその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分に関する名古屋議定書」。 名古屋議定書は、「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分」に関する生物多様性条約の補足的合意である。生物の多様性に関する条約の3つ目の目的され、遺伝資源の利用から生ずる便益の公正かつ公平な共有の効果的な実施のための透明な法的枠組みを提供する。 同議定書は、愛知県名古屋市で行われた第10回締約国会議(COP10)で2010年10月29日に採択され、2014年10月12日に発効した。
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