日英修好通商条約とは? わかりやすく解説

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日英修好通商条約

主名称: 日英修好通商条約
指定番号 84
枝番 0
指定年月日 1997.06.30(平成9.06.30)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 歴史資料
ト書
員数 6冊
時代区分 江戸
年代
検索年代
解説文: アロー戦争処理のため清国派遣され英国特派大使エルギンは、天津条約調印後遣日使節として三隻の軍艦率い安政五年(一八五八七月八日江戸上陸した。英本国対日条約について軍事的圧力下で締結した天津条約同一原則適用しよう意図していた。しかし先に米国日本との間で修好通商条約結んだので、エルギンとしては日本との条約調印延引避け対日関係での混乱紛糾おかさないようにするため、締結踏み切り七月十八日に調印した
 日英条約は全二四条で、江戸で交渉以前下田ハリスから日米条約示されていたので、その諸規定多く場合言葉づかいまでも踏襲したそれゆえ日米条約大きな差異はないが、領事裁判権はより精密広範で、天津条約のそれとまった同一である。また日米条約では最恵国条項欠いていたが、日英条約では明記しており、これも天津条約同文である。これらの条項英国当初意図反映され、これ以前の三か国との条約比較して不平等条約としての性格がさらに強くなった。貿易条項では日米条約比べて開港場での自由貿易明確にうたっており、これもいっそう完全なものになった関税については、英国の重要輸出品である綿製品羊毛製品低率の五パーセント税品に編入された。
 条約調印書・貿易章程日米条約同じく封蝋入り円形銀缶付きで、和文英文蘭文があり、エルギン日本全権水野筑後守徳・永玄蕃頭志・井信濃守清直・堀織部正利煕・岩瀬肥後守忠震・津田半三郎正路署名する
 英国女王批准書一八五八十一月二十二日のヴィクトリア女王署名がある。羊皮紙製で、震災時の熱で縮み固着して開披できないが、記載一部女王署名および一八五八年の年紀読める
 批准書交換安政六年六月十二日、江戸において行われたが、批准書交換証書には外国奉行水野忠徳駐日総領事オールコック署名がある。これにも和文蘭文英文証書がある。
 ロンドン覚書は、幕府英国との間で開市江戸大坂)・開港兵庫新潟)の延期決めた協定である。幕府貿易開始後の物価騰貴攘夷論等の政治的経済的混乱のため条約期日開市開港不可能とみて、欧州各国にその最大限延期要請するため竹内下野守保徳等を使節として派遣した一八三年六月六日文久二年五月九日)に英国締結したのがこの覚書で、日本竹内下野守保徳松平石見守康直・京極能登高朗と英外相ラッセル署名する。これには覚書英文活字印刷したものや、和訳文等の関連資料一緒に綴じ込まれている。
 本条約は、当時最強であった英国との間に結ばれたものであり、日本開国通商をめぐる条約ひとつとして近代外交史上に貴重である。

日英修好通商条約

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/17 15:12 UTC 版)

日英修好通商条約
署名 1858年8月26日
安政5年7月18日
発効 1859年7月11日
(安政6年6月12日)
締約国 日本
イギリス
主な内容
  1. 江戸に在日英国代表設置
  2. 条約港の設定
    函館神奈川長崎の開港、1859年7月1日から)
  3. 英国人の1862年1月1日から江戸への居住を許可
関連条約 安政五カ国条約
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日英修好通商条約(にちえいしゅうこうつうしょうじょうやく、: Treaty of peace, friendship and commerce, between Her Majesty and His Majesty the Tycoon of Japan[1])は、日本時間1858年8月26日安政5年7月18日)、イギリス代表のエルギン伯爵ジェイムズ・ブルース江戸幕府の間に調印された日英両国の通商に関する条約。日本が結んでいた不平等条約の一つである。日本時間1859年7月11日(安政6年6月12日)に徳川家茂が、「源家茂」の署名と「経文緯武」と篆刻された銀印の押印を以って[2][誰が?]批准した。

この条約の締結により日本と英国との外交関係開設および交流開始の基礎が築かれた[3]

主な内容

  1. 江戸に在日英国代表設置
  2. 条約港の設定(函館、神奈川と長崎の開港、1859年7月1日から)
  3. 英国人の1862年1月1日から江戸への居住を許可

当時の名称は「日本國大不列顛國修好通商條約(安政5年戊午7月18日西暦1858年第8月26日於江戸調印同6年己未6月12日西暦1859年第7月11日於同書批准書交換)」。全24条から成り、法令全書注釈によればイギリス代表の肩書は「Peer of United Kingdom and Knight of Most Ancient and Noble Order of the Thistle Right Honourable Earl of Elgin and Kincardine」[4]

日本側実務担当者

岩瀬忠震井上清直永井尚志堀利煕水野忠徳、付津田正路、森山多吉郎(通訳)ら。この7人については、イギリス側使節団が写真撮影をしており映像の記録として残されている。イギリスでは、この写真が発見された際に「江戸を撮影した最古の写真」として報道された(日本最古の写真は日本写真史を参照のこと[5]

その他

  • 1998年には条約締結140周年を記念して「英国祭98」のイベントが各地で催された。
  • 2008年には日英外交関係開設150周年を記念して「UK-JAPAN2008」の文化交流事業が日英両国で展開された[3]

当時の記録の日本語訳

各・調印使節団の随行記、著者シェラード・オズボーンは英国海軍士官で、フューリアス号(旗艦)艦長。

脚注

関連項目

外部リンク


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