封蝋とは? わかりやすく解説

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ふう‐ろう〔‐ラフ〕【封×蝋】

読み方:ふうろう

松脂(まつやに)・シェラック蜜蝋などを混合した状の物質。瓶の栓や手紙封じ目などの密封用いる。


封蝋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/04 11:56 UTC 版)

封蝋(ふうろう、シーリングワックス、: Sealing wax)とは、ヨーロッパにおいて、手紙封筒文書封印を施したり、主に瓶などの容器を密封したりするために用いるである。

概要

手紙の封緘としての封蝋は、ヨーロッパにおいては遅くとも14世紀には一般化しており、色付けされた蝋が封蝋に使われていた。封蝋の普及以前は、粘土による封泥のほか、セメントなどが蝋の代わりに用いられていた[1][2]

手紙や文書の場合は、この上に印璽(シール)で刻印することで、中身が手つかずである証明を兼ねる。メーカーズ・マークのブルー・トップなど日本国外の酒瓶、例えば、ウイスキーブランデーなどの高級酒の封にも手紙と同様の封蝋を手作業で施すこともある。あるいは封蝋を模した印刷物や樹脂製のパッチでリボンを留めるのに用いて製造者の証明とともに高級感の演出として用いられることがある。

手紙の封に用いられる封蝋には印璽(いんじ、または単に璽(じ)、シーリングスタンプ)という判子のような型、またはシグネットリング(指輪印章)を捺す。この印璽には差出人個人やその人物の家系のシンボルが刻まれており、差出人を証明する証ともなる。印璽を意味するシールという言葉が「紋章」と訳されることもあるものの、家や個人の紋章はアームズまたはコート・オブ・アームズと呼ばれ、そのまま封蝋の印璽に用いられることはない。印璽のデザインは紋章を元にしたものも少なくないが、基本的にこれらは別の物として扱われる。欧米の州章、郡章、市章および軍隊章などや、各自治体の首長を始め州知事、アメリカ合衆国大統領の職名章もシール(Seal)と呼ばれる。これらはほとんどすべてが丸いデザインになっていて、これらはこの印璽の丸い形から来ている。

封蝋で閉じられた封筒を開封すると封蝋は砕けてしまうので、受取人が開封する前に誰かが開封すればすぐに露見し、印璽を精巧に偽造でもしない限り、再び同じように封をすることも難しい。逆に、封蝋に印璽を押すのを忘れると、本人が差し出したものであっても名宛て人には信用してもらえないということもあり得る。昔は、メッセンジャーを使いに出し、信書は使いの者から宛先の本人またはその代理人へ直接手渡しで渡されていたため、輸送中に封蝋が砕けてしまうことはあまりなかった。

近代郵便制度が整備されると、信書を家事使用人に配達させる例は激減した。また、大量輸送による信書の運搬に際しては、他の郵便物と接触して封蝋が破損することもあった。そのため、封蝋の使用は減少していった。かつて信書には印判と署名とを添えていたが、次第に署名のみとなって印璽は使われなくなった。なお、途中で封筒の口が開いてしまわないようにするためには、封蝋以外にもなどで封をしておく必要がある。

また現代の欧米における公証人Notary public)が署名とともに用いるものもノータリーシール(Notary Seal)と呼ばれ、封蝋の印璽に似たシンボルのエンボス印を押す。

現代の封蝋

封蝋と印璽(シーリングスタンプ)は日本でも文房具店や雑貨店、通信販売などで購入することができ、2020年以降は100円ショップなどでも広く販売されるようになった。ただし、一例としてダイソーで販売されている独自ブランドのシーリングワックスは蝋ではなく、化学合成樹脂(EVA)で作られており、硬化しても砕きづらい特性から、未開封を証明するための(本義の)封蝋としては使用が難しい。一方、セリアキャンドゥなどで販売されている松野工業製のシーリングワックスなどは、広く普及している西洋蝋燭に同じパラフィンを主原料とした本物(本義)の封蝋である。かつては、もっぱら動植物由来、もしくはパラフィンなど、硬化後に砕きやすい素材を用いたワックスを指して封蝋と称した。ゆえにどのメーカーの封蝋を用いても手紙の封緘、および未開封の証明に問題なく使用できたが、上述した例のように、現代に流通する封蝋には手芸用途に供することを前提とした製品も含まれるため、本義の封蝋としても用いたい場合には素材確認を要するようになっている。

化学合成樹脂製のワックスは、封蝋としてではなく、ラッピングやグリーティングカードの装飾、装身具の飾りとして用いられるケースが多い。このほかビニル素材などで作られた、弾力のあるフレキシブルタイプのワックスや、プラスチック製のグルー型ワックス(いずれも蝋でない)もシーリングワックスと称して販売されている。

印面のデザインは既製品の中から選ぶか、オリジナルの図案を元に注文製作もできる。印璽のヘッド部の素材については、過去から現代に至るまで熱に強い金属が好まれている。中世ヨーロッパでは彫金や鋳造により製作されていたが、現代においてはマシニング加工によって製造される。ゆえに印璽はかつてほど高価ではなくなったものの、さらに手軽に封蝋を使う気分を味わうため、現代においてはポリレジンやビニルで製造されたシーリングスタンプ風シールも販売されている。

メーカー

現在、封蝋に用いる道具を製造している主なメーカー・ブランドは次のとおり。

脚注

  1. ^ 『西洋事物起原1』ダイヤモンド社、1980年、268-278頁。doi:10.11501/12590674 
  2. ^ 『印章綜説』技報堂、1971年、2-5頁。doi:10.11501/12424804 

参考文献

関連項目

外部リンク


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