アメリカ合衆国大統領
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アメリカ合衆国大統領(アメリカがっしゅうこくだいとうりょう、英: President of the United States of America、略称:POTUS)は、アメリカ合衆国の国家元首であり行政府の長たる大統領。4年ごとに実施される大統領選挙によって選出される。
注釈
- ^ a b 任期途中で大統領に昇格した場合は、その任期が残り2年以内であれば、その後の大統領選挙に2度挑戦できる(修正第22条)。この場合、最高で10年間在任出来ることになる。第36代大統領のリンドン・ジョンソンにはこの資格があったがベトナム戦争の責任を取り3期目をかけた選挙に出馬しなかったので2期で退任した。
- ^ 2000年アメリカ合衆国大統領選挙に際して、共和党の大統領候補ジョージ・W・ブッシュと副大統領候補のディック・チェイニーの州籍が同じテキサス州であったため、チェイニーが同州の自宅を売却し、有権者登録と運転免許登録をワイオミング州に移転したことによって規制を回避している。
- ^ 修正22条の制定前に、フランクリン・ルーズベルトが4回大統領に選出されている。
- ^ a b 憲法上は上院の「助言と同意」が必要であるが、「助言」は提案の後でも良いと解釈されるため、実質的には「同意」すなわち「承認」のみが必要となる。
- ^ 比較例として、同年度の日本の内閣総理大臣の基本給は約2,485万円となっている。ただし、日本では国会議員歳費との差額分だけが内閣総理大臣の給与として扱われる。
- ^ 独立戦争の植民軍総大将ワシントン、連邦憲法起草に関わったジェファーソン、奴隷解放を声明したリンカーンの3人は伝統的に「偉大な大統領」として多くの施設名などにその名を残しているほか、紙幣や硬貨の肖像にも使用され続けている。ルーズベルトはかつて在任中にノーベル平和賞を受賞した唯一の大統領として、この肖像が制作されていた当時[いつ?]は“偉大な大統領”の一人に名を連ねていた。
- ^ ケニア人の黒人の父親とアメリカ人の白人の母親の子であるため、現在の南アメリカや過去のアメリカの人種分類ではムラートとされる。しかし現在のアメリカでは歴史的経緯から、黒人の血を引いていることが外見的に明らかであれば(エスニックグループとしての)「黒人」に分類される。
- ^ 合衆国発足当時は「陛下」(Your Majesty)や「閣下」(Your Excellency)などが模索されたが、初代大統領のジョージ・ワシントンはこうした尊称で呼びかけられることを嫌ったため、より親しみやすい「ミスター・プレジデント(Mr. President)」が定着した。ウォーレン委員会報告書にもあるように公文書にも使われる表記。なお、日本では映画、テレビドラマなどの吹き替え、字幕等で「閣下」と翻訳する例も見受けられ、正式な外交公文の宛名は「アメリカ合衆国大統領***閣下」となる
- ^ この慣例は、ウォーターゲート事件の揉み消しスキャンダルで辞任したリチャード・ニクソンにも例外なく適用された。
出典
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アメリカ合衆国大統領
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「アルマゲドン (映画)」の記事における「アメリカ合衆国大統領」の解説
クインシー曰く「宇宙物理学の劣等生」である大統領科学顧問の案を鵜呑みにし、トルーマンら現場の反対を押し切ってキムジーに核爆弾の起爆を命じるなど、頑迷な人物として描かれている。
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アメリカ合衆国大統領
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「Driver 潜入!カーチェイス大作戦」の記事における「アメリカ合衆国大統領」の解説
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アメリカ合衆国大統領
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「邪眼は月輪に飛ぶ」の記事における「アメリカ合衆国大統領」の解説
危険物質を残さず大量殺戮が可能なミネルヴァの特徴に着目し、テロの頻発する中東某国でミネルヴァを放すことを企てる。しかし、ミネルヴァが移送途中で逃亡し、当計画への大統領の関与が国務大臣からリークされたため、一転して窮地に追い込まれる。ホワイトハウスから電話を通じ、ミネルヴァの巣のある聖マーリン病院小児病棟へのミサイル攻撃を指令する。
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アメリカ合衆国大統領
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「ジョー・バイデン」の記事における「アメリカ合衆国大統領」の解説
「バイデン政権」も参照 2021年1月20日にワシントンの連邦議会前でカマラ・ハリスとともに大統領・副大統領就任式に臨み、第46代大統領に就任した。宣誓の後「アメリカをまたひとつにまとめて、立て直すため、全身全霊をかける」「私たちはまたしても、民主主義が貴重だと学ぶことになった。民主主義は壊れやすい。そして皆さん、今この時には、民主主義が打ち勝った」「恐怖ではなく希望の、分断ではなく団結の、暗闇ではなく光の、アメリカの物語を一緒に書いていきましょう」と演説した。 同日中に15の大統領令に署名。気候変動抑制に関するパリ協定への復帰、カナダからアメリカ中西部まで原油を運ぶ「キーストーンXLパイプライン」の建設認可取り消し、アラスカ州北東部の北極野生生物国家保護区での石油・ガス開発に向けたリース活動の停止措置、自動車の燃費基準やメタン排出規制の見直し検討の指示など、環境重視の政策への転換を示した。しかしアメリカ石油協会(英語版)やアラスカ州州知事のマイク・ダンリービーからは批判の声が起きている。またWHOからの脱退の取り消し、連邦庁舎内でのマスク着用や社会的距離の確保の義務化、メキシコとの国境の壁建設に連邦資金を振り向ける根拠になっていた非常事態宣言の解除の命令も含まれる。翌1月21日には新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、ワクチン供給加速などを目指す計10本の大統領令に署名した。 1月22日までにホワイトハウス・大統領執務室の模様替えを行い、イギリスの首相ウィンストン・チャーチルの胸像を執務室から撤去させ、代わりにヒスパニック系の公民権運動指導者セザール・チャベス(英語版)、マーチン・ルーサー・キング牧師、ケネディ大統領の弟で司法長官を務めたロバート・ケネディ、公民権運動家ローザ・パークス、フランクリン・ルーズベルト大統領の妻エレノア・ルーズベルトの胸像が置かれた。また暖炉の上の最も目立つ場所にはフランクリン・ルーズベルト第32代大統領の肖像画がかけられた(トランプ時代にはジョージ・ワシントン初代大統領の肖像画)。その両側には、トーマス・ジェファーソン第3代大統領と、当時ジェファーソン大統領と対立したアレクサンダー・ハミルトン財務長官の肖像画が並べられた。「共和制の枠内での意見の違いは民主主義にとって重要だという象徴」とバイデン政権は説明する。逆側にはジョージ・ワシントン初代大統領と、エイブラハム・リンカーン第16代大統領の肖像画が対になって飾られた。 1月25日には政府調達でアメリカ製品を優先する「バイ・アメリカン」法(英語版)の運用を強化する大統領令に署名した。27日には公有地での石油や天然ガスの新たな掘削の禁止や、洋上風力発電を2030年までに倍増させるなど気候変動対策に関する一連の大統領令に署名した。「今日はホワイトハウスの気候変動の日だ」と述べ、気候変動危機に対する世界的な対応をアメリカが「リードしなければならない」と述べた。1月28日には「トランプ前政権によるダメージを修復する」として国民の医療保険加入拡大に向けた2種類の大統領令に署名した。またトランプ政権下で実施されたメディケイド(低所得者向け公的医療保険)の加入資格厳格化などの政策を見直すよう連邦政府機関に指示した。 3月11日に1兆9000億ドル規模の新型コロナウイルス追加経済対策法案に署名して成立させた。追加対策の柱となる現金給付について、ホワイトハウスの試算によれば約1億6000万世帯が給付の対象となる。 3月20日には公約に掲げていた100日以内の1億回のワクチン接種を約60日で達成した。 3月26日に就任後初めての正式な記者会見を行い、米中関係を「21世紀における民主主義と専制主義の闘い」と定義した。世界一の大国になろうという中国の野望は自分が大統領でいる限り、そうはさせないと表明した。南部国境でメキシコからアメリカへ入国しようとする子供が増え、当局の施設に留められている問題についてバイデン政権がトランプ前政権の政策を転換して、親などが同行していない子供に限り入国を認め始めたためではとの疑念に対しては、一時滞在の施設の確保を進めるなど対策を急ぐと釈明するとともに「トランプ政権のあまりにも非人道的な政策をやめたからといって謝罪はしない」と述べた。また年齢から1期で辞めるつもりなのではないかという噂について記者会見で否定し、2024年の出馬にも意欲を示した。 3月31日に「アメリカ雇用計画」と銘打って2兆2500億ドル規模のインフラ計画を発表した。バイデンはこの計画が成立すれば1900万人の雇用が生まれるとしている。またその財源の一つとしてトランプ前政権が35%から21%に引き下げていた連邦法人税を28%まで上げることを提案した。2017年にトランプ政権が実施した富裕層と大企業優遇の減税措置を撤回するものだとしているが、法人税増税には野党の共和党やワシントンの企業ロビイストの反発が強く、民主党穏健派からは25%への引き上げなら支持できるといった妥協案も出ている。 4月8日に製造番号が無く追跡が困難になっている「ゴースト銃」と呼ばれる自家製銃の規制などを目指す最初の銃規制政策を発表した。追加の規制政策も出す姿勢を示している。連邦議会では銃購入時の身元確認を厳格化する法案などが審議中だが、野党の共和党が反対しており、また与党の民主党内にも一部に慎重論がある。規制反対派から違憲として訴訟が起こされる可能性もある。 4月20日、ジョージ・フロイドを死亡させたとして殺人罪に問われていた元警官の裁判で有罪判決が出たことを受けて声明を出し、「フロイドさんは帰ってこないが、この評決はアメリカでの正義に向けた闘いの中で大きな前進となる可能性がある」「我々は真の改革のため、ここで立ち止まらず、今回のような悲劇が再び起こらないように、もっと努めなければならない。フロイドさんが最後に言った『息ができない』という言葉を忘れてはならない。いまこそ大きな変革のときだ」と述べ、人種差別解消や警察改革の必要性を訴えた。 4月28日に上下両院合同会議で施政方針演説を行った。新型コロナ危機の中で政権を引き継いだが、100日にして危機から脱しつつあるとして「アメリカは再び動き出した」と宣言。また中国の習近平総書記については改めて「専制主義者」と定義し、「専制主義者の彼らは、民主主義は21世紀において専制主義に対抗できないと考えている」として、中国との競争に勝利するためにも国内融和や中間層復活につながる経済政策が必要と強調。民主主義の優位を示すためにも分断を乗り越えて結束することを国民に呼びかけた。「この国をつくったのはウォール街ではなく、中間層だ」として低中所得の労働者への支援姿勢を示した。先に発表した2兆ドル規模のインフラ計画に加え、児童教育無償化など、育児や教育支援を軸とした総額1.8兆ドル規模の追加経済対策を示した。財源には富裕層増税を主に充てるべきだとし、議会に予算措置を要求した。 5月25日、ジョージ・フロイドの家族らとホワイトハウスで面会し、「彼の殺害は1960年代の公民権運動以来の『抗議の夏』を生み出し、すべての人種と世代の人々を平和的に一つにした」とする声明を出した。4月の施政方針演説で「フロイドさんの命日までに、警察と市民の信頼関係の再構築や警察改革などを実現させたい」と述べていたが法案が成立していないことについては「法案の議会での議論は続いている。(最終的に署名する)私の机に早く法案を届けてくれることを願っている」と述べた。 6月19日にはテキサス州で奴隷解放宣言が読み上げられた1865年6月19日の「ジューンティーンス」を記念して6月19日を連邦祝日とする「ジューンティーンス独立記念日法案」に署名して成立させた。バイデンは「大統領になってまだ数カ月しかたっていないが、私にとってこれは、大統領としての最大の栄誉の一つとして語り継がれることになると思う」と述べた。 9月15日、新たな対中安全保障の枠組みとしてイギリス、オーストラリアと互いに軍事情報や技術を交換するAUKUSを創設した。 連邦予算のうち約5500億ドルを高速道路や道路・橋・都市の公共交通・旅客鉄道の整備、清潔な飲料水の提供、高速インターネット回線、電気自動車充電スポットなど全国的ネットワーク整備などに充てるアメリカインフラ投資法案を推進し、11月6日に下院で一部民主党議員の造反に遭いながらも一部共和党議員の賛成を得て可決に漕ぎつけた。アメリカの国内インフラ投資としては数十年来の規模となる。 12月9日と10日の2日間にかけて中国やロシアなど専制主義国家の覇権主義に対抗するため欧州主要国や日本・台湾など民主主義国111か国が招待されてのオンライン形式の国際会議「民主主義サミット」を主催。これに対して中国やロシアは「世界の分裂をあおるものだ」と批判している。サミットでは各国指導者が「権威主義に対する防衛」「汚職への対応と闘い」「人権の促進」という三つのテーマに基づくそれぞれの国内情勢について報告を行い、民主主義の促進を話し合った。バイデンは閉幕の演説で「専制主義国家は、世界中の人々の心の中で燃えさかる自由の炎を決して消すことは出来ない」と演説して締めくくった。またこのサミットに合わせてオーストラリア、デンマーク、ノルウェーと共同声明をだし、専制主義国家が反体制派の監視など人権侵害に利用しかねない技術の拡散を防ぐため、輸出管理の行動規範の作成で協力しあうことを確認した。またバイデンは民主主義サミットを来年も今度は対面形式で開催したいという意欲を表明した。 12月12日と13日にアメリカ南部・中西部で発生し90人が死亡した大規模竜巻被害について「連邦政府としてできることは何でもする」として被災者の救援や復興支援に全力を挙げる考えを示した。12月15日には最も被害が大きい南部ケンタッキー州を訪問し、復旧にかかる当面の費用を連邦政府が全面的に負担する考えを示した。 2022年1月6日、トランプ支持者による連邦議会襲撃から1年の節目に声明を出し「議事堂を襲撃した者と襲撃を扇動した者は、アメリカの民主主義ののど元に短剣を突きつけた」「我々の歴史上初めて、選挙で敗れた大統領が暴徒の議会侵入によって平和的な権力の移行を妨げようとした」「1月6日を民主主義の終わりではなく、自由とフェアプレーの再興の始まりとする、米国史の新たな一章を書いていこう」と述べた。また米国や世界の多くの地域で、民主主義と独裁主義の戦いが繰り広げられているとして、米国の民主主義を守っていく誓いを立てた。 1月7日には同日に発表された失業率がコロナ前の水準である3%台まで改善したことに関して「私の経済計画が機能している」と述べて実績をアピールした。しかし、COVID-19や経済政策といった重要課題に対する評価は芳しくなく、1月の世論調査では支持率は41%に低下した。 アメリカのインテリジェンスはロシアのウクライナ侵略前から侵略計画を事前に掴んでいたとみられ、バイデンはロシアが侵略を予定している日時をリークし続けたが、ロシア側は「アメリカが煽っているだけ」として侵攻計画を否定し続けていた。しかし2月24日にはロシア大統領ウラジーミル・プーチンがウクライナ全面侵略を実際に開始した。これを受けてバイデンは声明を出し「この攻撃がもたらす死と破壊の責任はロシアだけにある」「米国と同盟国は団結し、断固とした方法で対応する。世界はロシアの責任を追及する」と非難した。 3月2日、駐米ウクライナ大使も隣席の中で上下両院合同会議で一般教書演説を行った。プーチンには敬称を与えず呼び捨てで強く非難した。「ロシアのウラジーミル・プーチンは世界を彼の威嚇的なやり方に屈服させることができると考え、その基盤を揺るがそうとした。しかし彼はひどい誤算をした。彼はウクライナになだれ込むことができ、世界は言いなりになると思っていた。その代わりに、彼は想像もしなかった強固な壁に出くわした。ウクライナの人々だ。ゼレンスキー大統領からあらゆるウクライナ国民まで、彼らの大胆不敵さ、勇気、決意が世界を触発している。体を張って戦車を止める市民たち。学生から退職者、教諭まで誰もが母国を守る戦士となった。この戦いでは、ゼレンスキー氏が欧州議会への演説で語ったように『光が闇を打ち負かす』のだ。駐米ウクライナ大使が今夜、ここにいる。今夜、この議場にいる我々それぞれが、ウクライナと世界に明白なシグナルを送ろうではないか。」と宣言した。また「独裁者が侵略行為への代償を払わなければ、彼らはさらなる混乱を引き起こすという教訓を、歴史を通じてわれわれは学んできた。アメリカや世界への脅威は増大し続ける」としてプーチン・ロシアに制裁を加えることの重要性を訴え「同盟国とともに、ロシアをさらに孤立させ、経済を圧迫させる」と宣言した。そして「プーチンはかつてないほど世界から孤立している。この時代の歴史を振り返るとき、ウクライナに対するプーチンの戦争はロシアを弱体化させ、世界を強くしたと評価されるだろう」「民主主義と専制主義の闘いで民主主義国家は今まさに立ち上がりつつあり、世界は明らかに平和と安全の側を選んでいる。プーチンは自由主義社会の決意を弱めることは決してできない」と決意を述べた。しかし非同盟国のウクライナへの米軍派遣は改めて否定し、東欧に行っている派兵についてポーランドやルーマニア、バルト3国などのNATO同盟国をロシアの侵攻から守るために派兵していると説明した。この演説後の公共ラジオNPRとマリスト研究所の世論調査で支持率が前週の39%から47%に8ポイント上昇し、特にロシアに対する経済制裁への支持率は83%に達した。 G7諸国はじめ同盟国と一緒にSWIFTからのロシア排除やロシア中央銀行の資産凍結、最恵国待遇の取り消し、ロシア産原油、天然ガス、石炭などの輸入禁止、ロシア航空機の領空封鎖といったロシア制裁措置の強化とともにウクライナへの軍事援助や人道支援を進めている。特に3月16日にはウクライナやその近隣の東欧諸国を支援するための136億ドル規模の予算を盛り込んだ2022会計年度(21年10月から22年9月)の予算案に署名して成立させた。 また「脱炭素」を掲げるバイデン政権はこれまで石油業界に冷淡だったが、ウクライナ危機による原油供給不安を背景に対場を変更。エネルギー長官ジェニファー・グランホルムは「我々は戦時体制にある」と宣言し業界にシェールオイル増産を呼び掛け推進するようになった。急速に米国の原油生産量が上がってきており、2022年12月の原油生産は2月と比較して日量100万バレル以上増える見通しとなった。 ロシアのウクライナ侵略の影響で物価上昇が加速したことについて、4月1日の演説でロシアに責任があると述べたが、これ以前からインフレ率が約40年ぶりの高水準だったため、責任転嫁ではとの批判の声も起きた。12日発表のロイター/イプソスによる世論調査では支持率が45%から41%に低下した。 5月3日連邦最高裁が人工妊娠中絶の合憲性を認めた1973年の判決を覆す見通しであるという報道について「女性が中絶を選択する権利は基本的なもの」と1973年の判決を覆すことに反対を表明した。しかしこの声明について行政の司法への介入ではないかとの批判も起きた。さらに5月11日に「中絶の権利擁護法案」が連邦議会上院の採決で全共和党議員と民主党上院議員1名の反対によって、賛成49、反対51で否決された。これについてバイデンは「共和党議員は、米国民が自分の体と家族、生に関する最も個人的な決断をする権利の前に立ちはだかることを選んだ」と批判し「(女性が中絶を)選ぶ権利を守るため、有権者は11月の中間選挙でより多くのプロ・チョイス(中絶を選ぶ権利擁護派)の上院議員を選ぶ必要がある」と述べた。
※この「アメリカ合衆国大統領」の解説は、「ジョー・バイデン」の解説の一部です。
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