米国家安全保障局
英語:National Security Agency
米国政府に属する諜報機関。本部は米国メリーランド州の陸軍基地内に位置する。世界各地に関連施設を擁するといわれており、その中には航空自衛隊の三沢基地も含まれているとされる。膨大な予算と人員を有しているとされるが、それらの詳細は公表されていない。また、組織の存在自体も長年の間秘匿されてきた。
米国家安全保障局は暗号やセキュリティ関連の技術開発などを行うとともに、大規模な通信傍受施設やデータベースを利用した国内外の情報通信の収集分析を行っているといわれている。個人情報収集を含む同局の諜報活動は、主に「テロ対策」を名目として正当化されてきた。しかし、2013年に元職員のエドワード・スノーデン氏の告発をきっかけとして、同局が職権を踰越するサイバースパイ行為を行っていたことが次々に明らかになった。
従来、米国家安全保障局は「エシュロン」という大規模な通信傍受システムを運営してきたといわれてきたが、米国政府はそれを公的には認めていなかった。しかし、2013年6月の「ガーディアン」紙および「ワシントン・ポスト」紙の報道によると、同局は「プリズム(PRISM)」とよばれるシステムを運用し、米国を経由する海底ケーブルからの情報窃取、IT企業などの通信網からの情報収集などを行っていたとされている。
プリズムの収集対象には個人の通話や電子メールなども含まれていたという疑惑があり、同局の行為がプライバシーの侵害にあたるとして、2013年11月現在、米国国内を中心に批判の声が高まっている。また、プリズムを利用した諸外国要人や大使館への盗聴行為も明らかになり、日本、フランス、ドイツなどの同盟国もその対象として挙げられている。
アメリカ国家安全保障局
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アメリカ国家安全保障局(アメリカこっかあんぜんほしょうきょく、英語: National Security Agency:NSA)は、アメリカ国防総省の情報機関である。
注釈
- ^ 中央情報局が国民の反体制活動を見張る事が出来ないため、2001年に起きたアメリカ同時多発テロ事件を契機に、連邦捜査局国家保安部が2005年に設置された。
- ^ NSAには「オペレーション・ミナレット」、CIAには「プロジェクト・カオス」という国内秘密情報工作があった。
- ^ 歴代のNSA長官にも大将へと昇任した人物はいる
- ^ ルー・アレン・ジュニアが大将に昇進し、空軍参謀長になるまで、NSA長官後は中将のまま退役していた。
- ^ これらの各国はいずれもUKUSA協定締結国
- ^ 合衆国は、その成立過程が理由で、一般には連邦の組織には説明責任などが強く要請される。
- ^ 陸軍長官を2度つとめているが、当時は国務長官だった。
- ^ そのため強力な権限を与えられたNSA長官(DIRNSA、ダーンザ)は通信傍受・解読機関のすべての業務について指示を出すことができ、不服のある場合は国防長官にのみ上訴できることになった。
- ^ NSCID9の一部を除いてすべて情報公開されている
- ^ NSAに関する言及はない
- ^ オランダ人の暗号解読家に「北朝鮮機密電報コードSP/Dなどの実物コピーなどを渡した。中ソなどとの関係は知られていない。
- ^ 暗号解読、通信傍受などの業務内容については明らかになっていない。
- ^ 内部組織ALLO(All Others)で40カ国以上の暗号を解読していると述べた。
- ^ 国防省が事前検閲し、NSAの機密事項(例えばスイスにおける活動)を削除した。(「まえがき」より)
- ^ PROD8200人、COMSEC1700人、R&D2300人
- ^ NSAが解読できない暗号を自分たちで作って、ソ連などに使わせるのは本末転倒であると考えられた。
出典
- ^ a b “60 Years of Defending Our Nation” (PDF). National Security Agency. p. 3 (2012年). 2013年7月6日閲覧。"On November 4, 2012, the National Security Agency (NSA) celebrates its 60th anniversary of providing critical information to U.S. decision makers and Armed Forces personnel in defense of our Nation. NSA has evolved from a staff of approximately 7,600 military and civilian employees housed in 1952 in a vacated school in Arlington, VA, into a workforce of more than 30,000 demographically diverse men and women located at NSA headquarters in Ft. Meade, MD, in four national Cryptologic Centers, and at sites throughout the world."
- ^ a b Risen, James; Nick Wingfield (2013年6月19日). “Web’s Reach Binds N.S.A. and Silicon Valley Leaders”. The New York Times. 2013年6月20日閲覧。 "The sums the N.S.A. spends in Silicon Valley are classified, as is the agency’s total budget, which independent analysts say is $8 billion to $10 billion a year."
- ^ Sahadi, Jeanne (2013年6月7日). “What the NSA costs taxpayers”. CNN Money. 2013年6月17日閲覧。 "Aftergood estimates about 14% of the country's total intelligence budget -- or about $10 billion -- goes to the NSA."
- ^ Gorman, Siobhan (2007年1月17日). “Budget falling short at NSA”. The Baltimore Sun. 2013年6月17日閲覧。 "The agency's director, Lt. Gen. Keith B. Alexander, is seeking an increase of nearly $1 billion in supplemental spending for 2007 and a similar boost next year as the White House finalizes its 2008 budget, current and former intelligence officials say. The money crunch comes despite a doubling of the NSA's budget since the terrorist attacks of Sept. 11, 2001, to approximately $8 billion per year."
- ^ Who’s reading your emails? The Sunday Times, June 9 2013
- ^ “Frequently Asked Questions - About NSA” (English). National Security Agency. 2004年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月9日閲覧。 “Neither the number of employees nor the size of the Agency's budget can be publicly disclosed. However, if the NSA/CSS were considered a corporation in terms of dollars spent, floor space occupied, and personnel employed, it would rank in the top 10 percent of the Fortune 500 companies.”
- ^ NSA Careers
- ^ a b 軍事用語のミニ知識 国家安全保障局、情報保全部,軍事研究,株式会社ジャパン・ミリタリー・レビュー,2013年11月号,P188-189
- ^ The National Security Agency: Declassified
- ^ Government Organization Manual
- ^ ”Codebreakers",David Kahn。日本語抄訳「暗号戦争」早川書房、昭和43年
- ^ "The Super Spies"アンドリュー・タリー。関口英男訳、早川書房。p66-80「6.NSAの内幕」
- ^ "U.S. Electronic Espionage: A Memoir" Ramparts Magazine (1972 interview with Perry Fellwock)
- ^ 「新情報戦」朝日新聞社編p46
- ^ ジェイムズ・バムフォード 著,滝沢一郎訳
- ^ National Cryptologic Museum
- ^ http://www.bbc.com/news/world-us-canada-23123964
- ^ “オランダ諜報機関、180万の通話盗聴”. ポートフォリオ・ニュース. (2014年2月6日) 2014年2月15日閲覧。
- ^ ウォール・ストリート・ジャーナル 米英情報機関、携帯通話傍受目的で蘭企業のシステムに侵入か 2015年2月22日14:57 JST
- ^ 毎日新聞電子版 ドイツ:情報機関が米NSAに協力疑惑 広がる波紋 2015年05月01日 11時32分(最終更新 05月01日 13時06分)
- ^ Bundestag Inquiry into BND and NSA
- 1 アメリカ国家安全保障局とは
- 2 アメリカ国家安全保障局の概要
- 3 任務
- 4 歴史
- 5 セキュリティ技術
- 6 盗聴
- 7 長官
- 8 関連項目
アメリカ国家安全保障局(NSA)
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「サイバーセキュリティ」の記事における「アメリカ国家安全保障局(NSA)」の解説
詳細は「アメリカ国家安全保障局」を参照 アメリカ国家安全保障局(英: NSA、National Security Agency)は、アメリカ国防総省(DoD)の諜報機関である。中央情報局(CIA)がおもにヒューミント(HUMINT; human intelligence)と呼ばれるスパイなどの人間を使った諜報活動を担当するのに対し、NSAはシギント(SIGINT; signal intelligence)と呼ばれる電子機器を使った情報収集活動とその分析、集積、報告を担当する。 NSAはイギリスの政府通信本部(GCHQ)など4カ国の諜報機関と世界中に張り巡らせたシギントの設備や盗聴情報を、相互利用・共同利用する為にUKUSA協定を結んでおり、UKUSA協定グループのネットワークはエシュロンと呼ばれている。またNSAは通信監視プログラムPRISMを運営し、マイクロソフトの「So.cl(英語版)」(ソーシャル)、Google、Yahoo!、Facebook、Apple、AOL、Skype、YouTube、PalTalkの、合わせて9つのウェブサービスを対象に、ユーザーの電子メールや文書、写真、利用記録、通話など、多岐に渡るメタ情報を収集している他、各国の行政権を担う人物が電話盗聴の対象になっていたとマスメディア各社が報じている。
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