アメリカ国外への広がり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:50 UTC 版)
「イージス艦」の記事における「アメリカ国外への広がり」の解説
アメリカ国外初のイージス艦、こんごう型ミサイル護衛艦 最小のイージス艦、AFCONコルベット(未成約) このアーレイ・バーク級の初期建造艦(フライトI)をベースとして、独自の運用要求を加えたのが日本のこんごう型護衛艦であり、昭和63年度から建造を開始し、1993年から1998年にかけて順次に竣工した。アメリカ以外では初のイージス艦で、主砲がオート・メラーラ社製の127ミリ単装速射砲に変更されたほか、指揮統制能力が強化されており、タイコンデロガ級に迫る規模になった。またその運用実績を踏まえ、平成14・15年度計画では、たちかぜ型の更新用として更に2隻のイージス艦の導入を決定した。これがあたご型であり、こんごう型をベースとしてシステムの更新を図るとともに、艦砲を米艦と同じ5インチ単装砲に変更したほか、ヘリコプターの搭載・運用能力が追加された。更に、平成27・28年度でも発展型(まや型護衛艦)2隻の建造が盛り込まれた。これらは2021年3月19日までに順次に就役しており、これによって海上自衛隊ではイージス艦8隻体制が整った。 こんごう型に続く、海外のイージス艦の2例目が、2003年より就役を開始したスペインのアルバロ・デ・バサン級フリゲートである。アーレイ・バーク級をベースとしたこんごう型とは異なり、かなり独自色の強い設計で、満載排水量5,853トンとさらに小さくまとめることに成功した。ミサイル搭載数が削られているものの、アーレイバーク級フライトIIと同じイージスシステムを搭載している。また本級をベースに、設計を刷新するとともにシステムを更新・強化したボニファス級フリゲートの開発も進められており、2022年から計5隻が建造される計画である。 アルバロ・デ・バサン級をベースとして設計されたのが、ノルウェーのフリチョフ・ナンセン級フリゲートである。さらに小型化されており、より軽量のSPY-1Fレーダーを組み込んだ簡易型のイージスシステムを搭載している。本級は、イージスシステム一式を搭載しているが、運用上、通常はスタンダード対空ミサイルを搭載しないとされている。2007年1月にネームシップが就役し、2011年までに同型5隻が就役した。 またオーストラリアでも、アルバロ・デ・バサン級をベースとしたホバート級駆逐艦を建造しており、2020年までに3隻が就役した。 あたご型と同様に、アーレイ・バーク級フライトIIAを下敷きに設計されたのが、韓国の世宗大王級駆逐艦(計画名KDX-3)である。船体設計などはアーレイ・バーク級フライトIIAとほぼ同じだが、国産巡航ミサイル用VLSの追加やCIWSの機種変更など、独自の要求に基づく変更がなされており、2009年から2012年にかけて3隻が就役した。
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