アメリカ合衆国国家情報長官とは? わかりやすく解説

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アメリカ合衆国国家情報長官

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/13 16:29 UTC 版)

国家情報長官室の紋章

アメリカ合衆国国家情報長官(アメリカがっしゅうこくこっかじょうほうちょうかん、英語: Director of National Intelligence、略称:DNI)は、アメリカ合衆国連邦政府において情報機関を統括する閣僚級の高官である。インテリジェンス・コミュニティーを統括し、アメリカ合衆国連邦政府の16の情報機関の人事・予算を統括する権限をもつ。

設置の経緯

以前は中央情報長官(DCI)が中央情報局(CIA)とインテリジェンス・コミュニティー全体の両方の統括を行っていた。しかし、DCIが自分の統括する組織であるCIAの指揮に集中してしまったり、情報活動の8割以上を行っている国防総省との対立が原因でインテリジェンス・コミュニティーの指揮や調整の役割を果たしていなかった。2001年の同時多発テロを防げなかった一因には、情報機関の連携不足が指摘されている。そこで、2004年に情報改革とテロ予防法(Intelligence Reform and Terrorism Prevention Act of 2004)により国家安全保障法が改正されて国家情報長官が新設され、副長官には国防総省の情報活動を重視する当時のジョージ・W・ブッシュ政権の意向を受けてNSA長官だったマイケル・ヘイデンが就任した。国家情報長官はインテリジェンス・コミュニティーの指揮に専念することになり、それまでの中央情報長官は、CIA専属の長官である中央情報局長官(CIA長官, D/CIA)に改められた。

役割

国家情報長官は大統領国家安全保障会議の情報顧問であり、インテリジェンス・コミュニティー国家テロ対策センターを統括する。連邦政府の16の情報機関の人事と予算を統括する権限がある。しかし、各情報機関への指揮権は不明である。

毎朝、諜報機関が収集した情報をまとめた機密文書大統領日報(President's Daily Brief)を大統領に報告する[1]。この大統領日報は、大統領と大統領が承認した人物のみ閲覧できる。

統括している連邦政府の情報機関

国家情報長官室

国家情報長官を支援するために、国家情報長官室が設置されている。

  • 国家情報長官
  • 首席国家情報副長官
    • 直属機関
      • 監察総監
      • 法律顧問
      • 公民権・個人情報・透明性室
      • 平等雇用機会・多様性室
      • 国家対テロセンター長
      • 国家防諜・安全保障センター長
      • 最高情報責任者
      • 最高財務責任者
      • 立法事務室
      • 戦略的コミュニケーション室
      • 最高執行責任者
      • 軍事担当長官補佐官
    • 任務統合担当副長官
      • 任務能力・分析・回収担当次官
      • 国家情報会議議長
      • 大統領日報部長
      • 国家情報管理会議議長
      • サイバー管理官
      • 経済安全保障・財務情報管理官
      • 電子情報管理官
      • 宇宙管理官
    • 政策・能力担当副長官
      • 取得・調達・施設担当次官
      • 人事担当次官
      • 国内協力・情報共有担当次官
      • 政策・戦略担当時間
      • 要件・費用・効果担当次官
      • 高度情報研究活動管理官

歴代国家情報長官

氏名 写真 任期 大統領
1 ジョン・ネグロポンテ 2005年4月21日 - 2007年2月13日 ジョージ・W・ブッシュ
2 マイク・マッコーネル
(アメリカ海軍退役中将)
2007年2月13日 - 2009年1月27日
バラク・オバマ
3 デニス・C・ブレア
(アメリカ海軍退役大将)
2009年1月29日 - 2010年5月28日
- デヴィッド・C・ゴンパート
(代行)
2010年5月28日 - 2010年8月5日
4 ジェームズ・クラッパー
(アメリカ空軍退役中将)
2010年8月5日 - 2017年1月20日
5 ダン・コーツ
(前上院議員)
2017年3月16日 - 2019年8月15日 ドナルド・トランプ
- ジョゼフ・マグワイア
(代行)
2019年8月16日 - 2020年2月20日
- リチャード・グレネル
(代行)
2020年2月20日 - 2020年5月26日
6 ジョン・ラトクリフ
(下院議員)
2020年5月26日 - 2021年1月20日
- ローラ・シャオ英語版
(代行)
2021年1月20日 - 2021年1月21日 ジョー・バイデン
7 アヴリル・ヘインズ英語版
(元CIA副長官)
2021年1月21日 - 2025年1月20日
- ステイシー・ディクソン英語版
(代行)
2025年1月20日 - 2025年1月25日 ドナルド・トランプ
- ローラ・シャオ英語版
(代行)
2025年1月25日 - 2025年2月12日
8 トゥルシー・ギャバード 2025年2月12日 - (現職)

脚注

出典

関連項目

外部リンク


アメリカ合衆国国家情報長官

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/05 15:04 UTC 版)

ダン・コーツ」の記事における「アメリカ合衆国国家情報長官」の解説

45アメリカ合衆国大統領選出されドナルド・トランプによって、2017年1月7日アメリカ合衆国国家情報長官に指名された。ドナルド・トランプ次期大統領は「コーツ氏が深い専門知識適切な判断力持っていることは明らかだ情報機関指揮するのにふさわしい」と語った報道された。コーツ就任に関する公聴会2月28日行われ指名承認投票3月9日行われた。遅れの原因は、議員からの質問予想以上に多かったため、コーツ前議回答検討し議員がそれをレビューするための時間必要だったためと報道されている。 2017年3月9日上院情報委員会投票結果賛成13反対2の賛成多数となり、ダン・コーツ人事承認された。情報委員会のリチャード・バー委員長情報機関幅広い課題直面しているのを元同僚助けるだろうと述べたその後上院では2017年3月15日賛成85反対12賛成多数承認され宣誓3月16日行われた長年渡ってロシアに対して批判的な考え持っている2018年トランプ大統領ロシアプーチン大統領とともにロシア2016年大統領選挙介入したことを否定したものの、コーツはこれに反旗を翻しロシアによる介入明白だ声明出した。また一方でトランプイラン脅威深刻さコーツ十分に認識していないと不満を持っていたとされる2019年7月28日トランプコーツ8月15日辞任する発表した

※この「アメリカ合衆国国家情報長官」の解説は、「ダン・コーツ」の解説の一部です。
「アメリカ合衆国国家情報長官」を含む「ダン・コーツ」の記事については、「ダン・コーツ」の概要を参照ください。

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