中央情報局長官
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/01 06:28 UTC 版)
中央情報局 長官 | |
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![]() 中央情報局長官の紋章 | |
![]() 中央情報局長官旗 | |
組織 | 中央情報局 |
上官 | 国家情報長官 (DNI) |
所在地 | バージニア州ラングレー ジョージ・ブッシュ情報センター |
任命 | アメリカ合衆国大統領 上院の助言と承認による |
任期 | なし |
根拠法令 | 合衆国法典第50編第3036条 50 U.S.C. § 3036 |
前身 | 中央情報長官 |
創設 | 2005年4月21日 |
初代 | ポーター・J・ゴス |
略称 | D/CIA |
職務代行者 | 中央情報局副長官 (DD/CIA) |
俸給 | 高級管理職俸給表 レベルII[1] |
ウェブサイト | www |
中央情報局長官(ちゅうおうじょうほうきょくちょうかん、CIA長官、director of the Central Intelligence Agency (D/CIA))とは、アメリカ合衆国のインテリジェンス・コミュニティーの一部である中央情報局(CIA)の長である。
CIA長官の上官は国家情報長官(DNI)であり、CIA長官の下には中央情報局副長官(DD/CIA)がいる。長官は文民またはアメリカ軍の将官であり[2]、上院の過半数の承認に基づき[3]、DNIが推薦して大統領が任命する[4]。
2017年2月、ドナルド・トランプ大統領はCIA長官を閣僚レベルに昇格させたが、次のジョー・バイデン大統領により元に戻された[5]。しかし2023年7月にバイデン大統領はCIA長官を再び閣僚レベルに昇格させた[6]。
歴史
1946年から2005年まで、中央情報長官(DCI)がインテリジェンス・コミュニティーとCIAの両方を統括していた。また、DCIは大統領の情報問題に関する補佐官でもあり、国家安全保障会議(NSC)の情報関係アドバイザーでもあった。2005年4月21日、DCIはCIAの統括のみを行うCIA長官に改められ、それ以外の任務は、新たに設置された国家情報長官(DNI)が担うことになった。
DCIは1946年にハリー・S・トルーマン大統領によって設置された[7]。すなわち、1947年に設置されたCIAよりも前に設置されたものである。第二次世界大戦終了後、戦略情報局は解体され、その機能は国務省と陸軍省(現在の国防総省)に分割された[8]。情報部門が分割されたことによる非効率性から、1946年、トルーマンはNSCの前身となる[9]中央情報部(Central Intelligence Group, CIG)を設置した[10]。1947年に制定された国家安全保障法により中央情報局、国家安全保障会議および中央情報長官が設置された。
継承順位
CIA長官が死亡、辞任、あるいは何らかの理由で職務を遂行できなくなった場合に、別の人物がその職務の代理を務める継承順位が以下の表のように定められている。その人物が既に別の代理を務めている場合、または連邦欠員改革法の規定による資格がない場合は、次の継承順位の人物が代理を務める。ただし、大統領は長官代理の任命の際に、特定の人物を継承順位のリストから外す権限を有する[11]。
順位 | 役職 |
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1
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CIA副長官 |
2
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最高執行責任者 |
3
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作戦担当次官 |
4
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分析担当次官 |
5
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科学技術担当次官 |
6
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デジタルイノベーション担当次官 |
7
|
支援担当次官 |
8
|
法務部長 |
9
|
副最高執行責任者 |
10
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イギリス部門上級代表 |
11
|
東海岸部門上級代表 |
12
|
西海岸部門上級代表 |
歴代中央情報局長官
「通算」は中央情報長官からの通算の代数
代 | 通算 | 氏名 | 任期 | 任命した大統領 | ||
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これ以前は中央情報長官 | ||||||
1 | 19 | ![]() |
ポーター・J・ゴス | 2005年4月21日 - 2006年5月5日[12] | ジョージ・W・ブッシュ | |
2 | 20 | ![]() |
マイケル・ヘイデン | 2006年5月30日 - 2009年2月12日[13] | ||
バラク・オバマ | ||||||
3 | 21 | ![]() |
レオン・パネッタ | 2009年2月13日 - 2011年6月30日[14] | ||
– | – | ![]() |
マイケル・モレル 代理(副長官) |
2011年7月1日 - 2011年9月6日 | ||
4 | 22 | ![]() |
デヴィッド・ペトレイアス | 2011年9月6日 - 2012年11月9日[15] | ||
– | – | ![]() |
マイケル・モレル 代理(副長官) |
2012年11月9日 - 2013年3月8日 | ||
5 | 23 | ![]() |
ジョン・オーウェン・ブレナン | 2013年3月8日 - 2017年1月20日[16] | ||
– | – | ![]() |
メロエ・パーク 代理(事務局長) |
2017年1月20日 - 2017年1月23日 | ドナルド・トランプ | |
6 | 24 | ![]() |
マイク・ポンペオ | 2017年1月23日 - 2018年4月26日[17] | ||
7 | 25 | ![]() |
ジーナ・ハスペル | 2018年4月26日 - 2018年5月21日 | ||
2018年5月21日 - 2021年1月20日 | ||||||
– | – | ![]() |
デイヴィッド・S・コーエン 代理(副長官) |
2021年1月20日 - 2021年3月19日 | ジョー・バイデン | |
8 | 26 | ![]() |
ウィリアム・ジョセフ・バーンズ | 2021年3月19日 - 2025年1月20日 | ||
9 | 27 | ![]() |
ジョン・ラトクリフ | 2025年1月23日 - (現職) | ドナルド・トランプ |
脚注
出典
- ^ 合衆国法典第5編第5313条 5 U.S.C. § 5313
- ^ 合衆国法典第10編第528条 10 U.S.C. § 528 Officers serving in certain intelligence positions: military status; exclusion from distribution and strength limitations; pay and allowances
- ^ 合衆国法典第50編第3036条 50 U.S.C. § 3036 Director of the Central Intelligence Agency
- ^ 合衆国法典第50編第403-6条 50 U.S.C. § 403-6 Appointment of officials responsible for intelligence-related activities
- ^ “The Cabinet”. www.whitehouse.gov/. February 3, 2021閲覧。
- ^ “CIA長官、閣僚に格上げ 米大統領、中露への対応評価”. 産経新聞. (2023年7月22日) 2023年7月22日閲覧。
- ^ “A Look Back … The National Security Act of 1947 — Central Intelligence Agency” (英語). www.cia.gov. May 8, 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。February 6, 2017閲覧。
- ^ “Office of Strategic Services facts, information, pictures | Encyclopedia.com articles about Office of Strategic Services” (英語). www.encyclopedia.com. February 6, 2017閲覧。
- ^ “Truman signs the National Security Act - Jul 26, 1947 - HISTORY.com”. HISTORY.com February 6, 2017閲覧。
- ^ “The Organizational Arrangements for the Intelligence Community”. www.gpo.gov. February 6, 2017閲覧。
- ^ www.whitehouse.gov
- ^ “Porter Johnston Goss”. Central Intelligence Agency – Library. September 23, 2020時点のオリジナルよりアーカイブ。February 22, 2017閲覧。
- ^ “Michael Vincent Hayden”. Central Intelligence Agency – Library. August 4, 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。February 22, 2017閲覧。
- ^ “Leon Edward Panetta”. Central Intelligence Agency – Library. August 4, 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。February 22, 2017閲覧。
- ^ “David Howell Petraeus”. Central Intelligence Agency – Library. August 4, 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。February 22, 2017閲覧。
- ^ “John O. Brennan”. Central Intelligence Agency – Leadership. July 22, 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。February 25, 2017閲覧。
- ^ “Mike Pompeo”. Central Intelligence Agency – Leadership. April 9, 2019時点のオリジナルよりアーカイブ。February 25, 2017閲覧。
関連項目
- アメリカ合衆国内国歳入庁査察部長
- 連邦捜査局長官 (FBI長官)
- 連邦保安官局長官
- アメリカ合衆国シークレットサービス長官
中央情報局長官
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2016年11月18日、次期大統領ドナルド・トランプにより、中央情報局長官(CIA長官)に指名される。ポンペオに対する公聴会は2017年1月12日に開催され、1月20日に上院の情報委員会は発声投票で承認した。同年1月23日に上院本会議はポンペオの中央情報局長官の就任を賛成66票・反対32票で承認した。 2017年5月、北朝鮮はアメリカの中央情報局と韓国の国家情報院が金正恩の暗殺を試みたと発表し、暗殺に関与した中央情報局関係者や国家情報院トップの引き渡しと正式な謝罪を要求した。同時期に韓国を訪問し、金正恩体制への反乱煽動などについて脱北者の元駐イギリス公使と協議した。また、特定国を対象としたものとしては初めての北朝鮮専門部署を新設した。これに対して金正恩暗殺を目的とした動きとする見方もある。また、同年7月にはポンペオは金委員長の排除(暗殺)を示唆した。 2017年4月13日、ワシントンD.C.の戦略国際問題研究所(CSIS)で最初の公式講演を行い、「我々は大統領と国に情報提供するという単純だが難しい使命を帯びていると語った」と述べた。 2018年3月31日、極秘に北朝鮮を訪問し、2000年10月にアメリカの国務長官として北朝鮮の首都である平壌を訪問したマデレーン・オルブライトと当時の総書記金正日の直接会談以来のアメリカと北朝鮮のハイレベル対話を金正恩と行い、非核化や拘束されたアメリカ人の解放などを議論したとされる。
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