原子力供給国グループとは? わかりやすく解説

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げんしりょくきょうきゅうこく‐グループ〔ゲンシリヨクキヨウキフコク‐〕【原子力供給国グループ】

読み方:げんしりょくきょうきゅうこくぐるーぷ

核燃料原子力関連技術機材輸出管理規制するための国際的な組織1974年核不拡散条約NPT)に加盟していないインドが行った核実験きっかけに、1978年に正式発足参加国が守るべきガイドライン法的な拘束力はない)を定め、それに基づいて輸出管理を行う。米国ロシア英国フランス中国など48か国が加盟。インド・パキスタン・イスラエル・北朝鮮参加していない。NSGNuclear Suppliers Group)。

[補説] 2008年9月総会で、NPT加盟国にのみ認められる民生用原子力貿易を、インド例外的に認めるインドとの民生用原子力協力に関する声明」が採択された。


原子力供給国グループ(Nuclear Suppliers Group : NSG)

核兵器開発使用されうる資機材技術輸出管理通じて核兵器拡散防止することを目的とする国際輸出管理レジーム45か国が参加2007年9月時点)。原子力専用品・技術規制指針であるロンドン・ガイドライン・パート1(1978年成立)と、原子力関連汎用品技術規制指針であるロンドン・ガイドライン・パート2(1992年成立)を指針として、NSG参加国政府国内法規則基づいて輸出管理が行われている。

原子力供給国グループ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/02/05 14:23 UTC 版)

原子力供給国グループ(げんしりょくきょうきゅうこく、:Nuclear Suppliers Group:NSG)とは、核拡散防止を目的とした国家グループ組織。

沿革

1974年インドの核実験によって、原子力発電技術は、簡単に核兵器への技術転用が可能であることが分かった。このため、核不拡散条約(NPT)を批准した国家間で、原子力技術およびそれに関連した設備の輸出には何らかの制限が必要であるという合意がなされた。

NSGの最初の会議はロンドンで1975年から78年にかけて行なわれ、原子力技術を輸出する際のガイドラインとなる協定が結ばれ、IAEAによってINFCIRC/254として公表された。トリガーリストに挙げられた品目は、IAEAの保護規定をみたし、兵器転用が行なわれないとされるときのみ輸出されることとなった。

その後、1991年までNSGの会議は開催されず、トリガーリストも更新されないままであった。しかし、湾岸戦争イラクが使用した武器の中に、いわゆる「両用品(英:dual-use equipment、軍需転用可能な民需品)」が存在することが分かり、加盟国は両用品に対する制限の強化の必要に迫られた。1987年以来のNSGの会議はハーグにて行われ、当時の加盟国26カ国は協定を更新し、これは『両用品リスト』として1992年に公開された。

加盟国

1974年設立当初の原加盟国はカナダ、旧西ドイツフランス日本、旧ソ連イギリスアメリカの7カ国で、その後徐々に加盟国は増加していった。

2004年には中国が加盟を果たしている。

  • 2013年現在、以下の48カ国が加盟している[1]
アルゼンチンオーストラリアオーストリアベラルーシベルギーブラジルブルガリア、カナダ、中国、クロアチアキプロスチェコデンマークエストニアフィンランド、フランス、ドイツギリシャハンガリーアイスランドアイルランドイタリア、日本、カザフスタン韓国ラトビアリトアニアルクセンブルクマルタメキシコオランダニュージーランドノルウェーポーランドポルトガルルーマニアロシアセルビアスロバキアスロベニア南アフリカスペインスウェーデンスイストルコウクライナ、イギリス、アメリカ

インドの例外措置

2006年7月、アメリカ合衆国議会は、インドとの民生用の原子力取引を認めるとする米国法改正をした。2008年8月21~22日のNSGメンバーの会議では、インドを例外とするガイドライン [2] について合意に至らなかった。オーストリア、スイス、ノルウェー、アイルランド、ニュージーランドを含むいくつかの加盟国が、提案された例外措置には条件が欠如しているとしたことから保留になった [3]。 2008年9月6日の会議では、核拡散防止条約(NPT)に調印していない国との原子力関連の貿易を禁じる既存の規則からインドを無条件例外とすることでNSGメンバーは合意した。NSGの決定は、米国による激しい攻勢の3日後であった [4] 。 この例外措置が、NSG会議の期間中にインドが表明した核拡散防止方針や核兵器実験自粛に基づいたものであることは、宣言書に盛り込まれた [5] [6]

参考文献

  1. ^ Participants NUCLEAR SUPPLIERS GROUP.
  2. ^ Text of U.S. NSG Proposal on India
  3. ^ Nuclear suppliers propose terms for U.S.-India deal
  4. ^ NSG waiver enables member states to provide India full civil nuclear cooperation
  5. ^ Statement on Civil Nuclear Cooperation with India, IAEA, http://www.iaea.org/Publications/Documents/Infcircs/2008/infcirc734c.pdf 2014年2月1日閲覧。 
  6. ^ インドとの原子力協力の動向, 日本原子力研究開発機構, http://www.jaea.go.jp/04/np/nnp_news/attached/0101a2-1.pdf 2014年2月1日閲覧。 

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