鉈
別表記:ナタ
鉈(なた)は、重厚な刃を備えた片手持ちの刃物の総称。適度な重さを活かし、振り下ろす動作によって草木などを切ったり削いだりする。枝打ちや薪割りといった「木材の断ち割り」用途には特に適する。キャンプ用具にもなる。
鉈は適度に重くて取り回しがよく、山道に伸びた下枝を払ったり、薪に使える手頃な太さの枝を切り落としたり、罠にかけた獣を解体したりと、山仕事において特に使い勝手のよさを発揮する。襲われた場合の武器にもなり得る。山仕事に用いる鉈状の刃物は「山刀」と呼ばれることもある。
鉈を振り誤った場合などに生じる、組織が割れた状態の創傷は、「割創」という。
鉈の種類(腰鉈・剣鉈)
日本では「鉈」といえば「腰鉈」を指すことが多い。腰鉈は、長方形に近い刀身の1辺に刃が設けられた鉈のことである。先端は尖っておらず、切っ先がない。腰鉈の他に「剣鉈」と呼ばれる鉈もある。剣鉈は切っ先があり、よりナイフ一般に近い形状である。
中米などで使われているマチェテ(マシェット)は鉈もしくは山刀の一種といえる。
インド、ネパール辺りの伝統的な武器であるククリ(ククリナイフ)などは、鉈の一種と捉えることもできる。
鉈と斧(手斧)の違い
鉈と同様、斧(おの)も、重さを活かして片手で断ち割るようにして用いられる刃物であり、鉈と同様に薪割り等の用途によく用いられる。小ぶりで片手持ちに適した「手斧」は、特に特徴や用途が似通う。鉈と手斧は、基本的には、刃や柄の形状が異なる。鉈の刃は一般的に柄の水平方向に長い。斧の刃は柄と直角方向に長い。ただし、いわゆる「変わり種」の刃物の中には、鉈だか手斧だか判別がつかない代物もある。
鉈と鉞(まさかり)の違い
鉞はいわゆる大斧である。木の伐採に使うような両手持ちの大型の刃物を指す。なた 【鉈】
マシェット
鉈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/05 02:10 UTC 版)
鉈(なた)は、林業や狩猟などの山林で働く人々の用途に適した刃物の類である。枝打ち、木を削る、雑草を切り払う、動物を解体するなどの目的で使われる。斧、包丁、鎌、刀剣以外の大型刃物を総称して鉈という場合が多い。ただし、日本独特なマタギ刀などの山刀やナイフ、剣鉈など断ち切り用、あるいは大型狩猟獣に対する護身・解体用の刀剣といった、形状・用途ともに鉈との境界が曖昧な刃物もある。
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- ^ “熊事故から生還するための緊急アピール”. 北海道野生動物研究所. 2016年9月6日閲覧。
- 1 鉈とは
- 2 鉈の概要
- 3 フィクション作品での鉈
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