違法・定款違反行為の差止めとは? わかりやすく解説

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違法・定款違反行為の差止め

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/02/14 14:40 UTC 版)

株主の差止請求」の記事における「違法・定款違反行為の差止め」の解説

会社法では「株主による取締役の行為の差止め」と表現されている(360条)。取締役会社目的範囲外行為または、法令もしくは定款違反した行為をしている・するおそれがある場合に、それによって会社に「著し損害」が生じおそれがあるときには株主はその行為差止め請求できる。ただし、会社監査役設置会社委員会設置会社であるときは、「著し損害ではなく回復することができない損害」が必要になる。 このとき、会社にもそれを差し止める権限が当然あると考えられている。しかし経営陣暴走会社自身差し止めることが期待できない場合もあり、そのため360はそうした取締役行為差し止める権利株主与えている。この制度株主の差止請求という。 この規定は、会社清算人についても準用されている(482条4項)。また、委員会設置会社では、執行役行為差止めとして同様の制度設けられている(422条)。 公開会社では、差止請求をすることができる株主一定の制限がある。すなわち、6ヶ月前から引き続き株式保有している株主なければならない。(ただし、定款で6ヶ月下回る期間を定めることも可能。)これは会社経営攪乱を狙う者の請求排除する狙いがあるが、たとえ1であっても6ヶ月以上それを保有している株主であれば差止請求をすることができる。他方公開会社でない会社については、この制限はない。 差止請求は、差止対象となる行為をしようとしている取締役に対して行う。裁判手続利用せず当該取締役に対して差止め請求することも可能であるが、実効性の点では疑問が残る。そこで、その取締役被告として差止めの訴え提起し必要ならば民事保全法に基づき差止仮処分申請するという方法もある。 株主による差止めの訴え具体的な内容について会社法上の規定はない。しかし株主代表訴訟本質的に類似のものである。つまり、差止めの訴えは本来ならば会社取締役に対して行使すべき差止請求権株主会社に代わって行使するのであるから、判決効果株主ではなく会社に対して生じる。また、専属管轄等についても代表訴訟の手続が類推適用されると考えられている。ただし、株主代表訴訟においてはまず会社に対して取締役対す訴訟提起するよう請求をしなければならない規定されているが、差止請求場合には会社への請求をすることなく初めから訴訟提起することも許される。これは差止請求においては迅速性要求されるためである。 差止請求または差止仮処分があったにもかかわらず取締役がこれに反して行為強行する場合もある。そうした行為効力は本来無効とするべきであるが、会社経営においては利害関係人多数上る。そのため、そうした事情について知らない者(善意の第三者に対して有効な行為として扱うべきと考えられている。 なお監査役同趣旨の差止請求権持っている385条)。この差し止め請求権は、「著し損害」が生じるおそれのある場合行使することができる。この場合差止仮処分申請する際に担保提供する必要がないことが定められている。ただし、定款によって監査役監査範囲会計に関するものに限定した場合監査役にこの権限はない。

※この「違法・定款違反行為の差止め」の解説は、「株主の差止請求」の解説の一部です。
「違法・定款違反行為の差止め」を含む「株主の差止請求」の記事については、「株主の差止請求」の概要を参照ください。

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