国際熱核融合実験炉(こくさいねつかくゆうごうじっけんろ)(International Thermonuclear Experimental Reactor)
熱核融合の実験装置のこと。国際的な技術協力によって熱核融合の実現と新エネルギー源の開発を目指す。略してITER(イーター)という。
水素の同位体である重水素とトリチウムの混合気体を1億度以上の“プラズマ”と呼ばれる高温状態にし、その中にある原子核同士を衝突させて核融合を引き起こすことによってエネルギーを取り出す。ウランやプルトニウムなどの重い元素が分裂してエネルギーを放出する反応過程とは反対に、熱核融合では、重水素やトリチウムなどの軽い元素が結合することによってエネルギーを放出する。
熱核融合による発電では、1グラムの燃料からタンクローリー1台の石油(約8トン)に相当するエネルギーが得られる。もし、熱核融合が実現すれば、燃料は無尽蔵なので恒久的なエネルギー源が確保できるわけだ。そのため、「地上の太陽」と呼ばれることもある。
現在、日本をはじめ、ロシアや欧州連合(EU)で熱核融合実験炉の建設計画が持ち上がっている。各国が協力して、いずれか1か所に実験炉を建設し、熱核融合の実用に向けた研究が行われる。日程としては、2013年頃の完成を目指し、その後20年間を研究期間にあてる。
文部科学省の河村建夫大臣は26日の記者会見で、国際熱核融合実験炉(ITER)誘致の態勢を強化するため、年明けに関係閣僚会議を設置することを明らかにした。
(2003.12.29掲載)
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