LHD (プラズマ装置)
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種類 | ヘリカル型(ヘリオトロン) |
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運用 | 1998-現在 |
長径 | 3.9 m |
短径 | 0.6 m |
プラズマ量 | 30 m3 |
磁場 | 3 T |
加熱 | 36 MW |
連続作動 | 54 分 (最長) |
所在地 | ![]() |

LHD(Large Helical Device、大型ヘリカル装置)は核融合研究の為に日本の自然科学研究機構核融合科学研究所(NIFS)のLHDプロジェクトによって製作された大型のヘリカル型プラズマ装置[1]。日本独自のヘリオトロン配位が用いられ、54分の長時間のプラズマ持続や、核融合に必要な条件の10倍となる
技術的解説
- 原子核融合炉を実現するためには、各フェーズがある。研究炉(本装置がそれに当たる)、実験炉(ITERなどがそれに当たる)、実証炉(商業実証運転を行う装置)、そして商業炉である。2008年現在の原子核融合技術は、研究炉と実験炉の中間に当たるフェーズに相当する。
- 核融合技術で商業実証運転までたどり着けるのは、建設費などの制約条件により、当面はトカマク型が先行している。しかしながら、日本としては将来的には慣性型やヘリカル型なども候補に挙がってくると考えられるので、現在も研究を継続している(慣性型・大阪大学、ヘリカル型・本研究所)。
ヘリカル装置
- 研究所内にはLHDの他に、CHSと呼ばれる中型ヘリカル型実験装置があり、プラズマ物理学における基礎実験などに用いられている。性能は、遥かに及ばないが、占有型実験などにも用いられる。
システム
- 大電流制御を行うための装置などが併設されており、安全のため厳重に管理され、サイバー攻撃からの耐性検証研究も行われている。保守・点検などは装置を止めてから実施する。
- 核融合を目的とした実験装置のため、連鎖反応がある核分裂型と異なり、装置を停止すれば自然に反応が止まる。
重水素実験
- より詳しい研究のため、LHDでは重水素実験が計画されている。しかし、周辺住民(多治見市、土岐市、瑞浪市)の合意を得るまでは実験を行わないとしており、定期的に説明会が行われている。
- 2017年3月から重水素実験を開始した。重水素実験ではD-D核反応によって微量の高速中性子が発生する。これを遮蔽するため、本体棟の隔壁はあらかじめかなりの余裕を持って設計されており、外部に対する被爆の心配は少ない。重水素実験では装置本体の放射化などが懸念されているが、核融合科学研究所では、法令に沿って適切に処理するとしている。
- 本装置では三重水素を使った実験を行う予定はない。
- 2022年12月に重水素実験を終了した。[6]
脚注
- ^ “大型ヘリカル装置(LHD)計画”. 核融合科学研究所. 2023年7月28日閲覧。
- ^ “LHDで達成したプラズマパラメータ”. 核融合科学研究所. 2023年7月28日閲覧。
- ^ “LHD研究の進展”. 核融合科学研究所. 2023年7月23日閲覧。
- ^ “沿革”. 核融合科学研究所. 2023年7月23日閲覧。
- ^ “学術研究基盤LHD計画”. 核融合科学研究所. 2023年7月23日閲覧。
- ^ “第24サイクルのプラズマ実験が終了しました”. 核融合科学研究所. 2023年7月23日閲覧。
関連項目
設置運用機関
研究対象
装置
政治・技術
外部リンク
座標: 北緯35度19分33.6秒 東経137度10分7.2秒 / 北緯35.326000度 東経137.168667度
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