ロスアトムとは? わかりやすく解説

ロスアトム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 23:53 UTC 版)

モスクワのロスアトム本社(旧ロシア連邦原子力庁本庁舎)

ロスアトムロシア語: РосАтомラテン文字表記の例:Rosatom)は、ロシアの国営原子力企業。

ソビエト連邦の崩壊後の1992年1月29日、旧ソ連の原子力・産業省が改組され、新たに原子力担当省庁として設立された、ロシア連邦原子力省Министе́рство по а́томной эне́ргии Росси́йской Федера́ции、略称:ミンアトム МинАтом)がロスアトムの起源である。

2004年3月9日に組織が再編され、ロシア連邦政府の中央省庁として、ロシア連邦原子力庁Федера́льное аге́нтство по а́томной эне́ргии、通称:ロスアトムРосАтом)となった。改組された原子力庁長官には、ボリス・エリツィン時代に首相を務めたセルゲイ・キリエンコが就任した。

2007年12月3日にはウラジーミル・プーチン大統領にはロシア原子力庁を国営原子力企業「ロスアトム」に改変する法案に署名された。代表取締役社長にはキリエンコ長官が就任した。

ロスアトムの傘下には、新たに民間原子力ホールディング企業として創設されたアトムエネルゴプロムをはじめ、ロシア国内の核兵器関連企業、研究機関、原子力保安機関がある。また、ロスアトムは、国際的な原子力の平和利用と核拡散防止体制の維持という点で対外的にロシアを代表しており、米国原子力規制委員会と同様の権限を有する。

ロシア国内の原子力発電所の建設・運営だけでなく、原発輸出も担う。ロスアトムが手掛ける原発案件は38基、交渉・検討中を含めると90基以上である(日本原子力産業協会による2017年時点集計)[1]

傘下企業のテフスナブエクスポルトを通じて、日本福島第一原子力発電所事故廃炉事業(炉心溶融で発生したデブリの分析など)にも協力している[2]

2019年8月8日にアルハンゲリスク近くのロシア海軍実験場で起きた爆発事故では、従業員5人が死亡、3人が負傷している[3][4][5]

脚注・出典

  1. ^ 【NEWSこう読む】影響力強めるロシア 混迷中東に原発残す日経産業新聞』2018年1月1日(総合面)
  2. ^ 「デブリ分析の第1段階完了 福島第1原発でロシア企業」産経新聞ニュース(2018年8月22日)掲載の共同通信配信記事、2018年11月2日閲覧。
  3. ^ ロシア軍施設で5人爆死 原子力推進式ミサイル実験で事故か”. BBCニュース. BBC (2019年8月13日). 2021年11月14日閲覧。
  4. ^ ミサイル実験場爆発事故で死亡した研究員ら、「新兵器」開発に従事 ロシア”. AFPBB News. AFP (2019年8月13日). 2021年11月14日閲覧。
  5. ^ 「露海軍施設爆発5人死亡 ミサイルエンジン実験中」『読売新聞』朝刊2019年8月11日(国際面)。

関連項目

外部リンク


ロスアトム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/03 03:24 UTC 版)

事故耐性燃料」の記事における「ロスアトム」の解説

ロスアトム傘下核燃料製造会社である TVEL2020年代初頭ATF供給始め計画である。TVEL はロスアトムが建設したロシア型加圧水型原子炉 (VVER) だけでなく、西側諸国加圧水型炉用にも ATF開発進めており、2019年1月28日からディミトロフグラードにある原子炉科学技術研究所(英語版)の研究炉 MIR燃料集合体プロトタイプ装荷して試験が行われている。この試験では、燃料ペレット2種 (二酸化ウランとウラン・モリブデン合金)、燃料被覆管2種 (クロム被覆ジルカロイとクロム・ニッケル合金)を用意してそれぞれ組み合わせた合計4通り燃料棒を計24本作った上で、それを2体の燃料集合体収めている。試験取得したデータから特性優れた組み合わせ選び出した上で商用炉での試験を行う予定である。2019年10月31日には第1段階照射試験完了して一部燃料棒取り出されたが、被覆管コーティング燃料棒形状変化はみられなかった。取り出した燃料棒代わりに新品燃料棒取り付けて照射試験続行されるTVELは、自社ATF では燃料ペレット燃料被覆管両方が変わることを示唆している。

※この「ロスアトム」の解説は、「事故耐性燃料」の解説の一部です。
「ロスアトム」を含む「事故耐性燃料」の記事については、「事故耐性燃料」の概要を参照ください。

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