黙秘権とは? わかりやすく解説

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もくひ‐けん【黙秘権】


黙秘権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/20 06:05 UTC 版)

黙秘権もくひけん: right to remain silent)は、自己の供述したくない事柄について沈黙する権利および沈黙していることを理由に不利益を受けない権利をいう[1]


注釈

  1. ^ アメリカ英語の口語表現において、黙秘権を行使することを「take the fifth」と表現するが、これは修正第5条に基づく権利を行使するという意味である[10]
  2. ^ なお、この事件では、傷害致死罪、死体損壊罪は公訴時効が成立していたため、殺人罪以外で刑事訴追することはできなかった。
  3. ^ 東京地判平成6年12月16日『判例時報』1562号p141の判決において、裁判所は、被告人が起訴され長期の裁判を受けることとなったのは、捜査段階で黙秘していたことが一因であると指摘している。なお、同事件で被告人は無罪判決を受けている。

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j 木島康雄『図解で早わかり 最新 刑事訴訟法のしくみ』(2017年)72-73ページ
  2. ^ 安藤高行 編 『憲法 II』2001年、p.203
  3. ^ a b c 上口裕 『刑事訴訟法 I 第4版』2015年、p.187
  4. ^ a b c 上口裕 『刑事訴訟法 I 第4版』2015年、p.191
  5. ^ a b 熊谷弘・浦辺衛・佐々木史朗・松尾浩也編 『証拠法大系II自白』1970年、p.3
  6. ^ 熊谷弘・浦辺衛・佐々木史朗・松尾浩也編 『証拠法大系II自白』1970年、p.4
  7. ^ a b c 光藤景皎 『刑事訴訟法 I』2007年、p.102
  8. ^ 光藤景皎 『刑事訴訟法 I』2007年、pp.102-103
  9. ^ a b c d e f 光藤景皎 『刑事訴訟法 I』2007年、p.103
  10. ^ Fifth Amendment, the”. Longman. 2021年8月17日閲覧。
  11. ^ a b c d 光藤景皎 『刑事訴訟法 I』2007年、p.104
  12. ^ a b c 上口裕 『刑事訴訟法 I 第4版』2015年、p.186
  13. ^ 方海日 2017, p. 5.
  14. ^ 最高裁判所大法廷判決 昭和32年2月20日 刑集第11巻2号802頁、昭和27(あ)838、『威力業務妨害、公務執行妨害、傷害』「一 憲法第三八条第一項の法意
    二 氏名の黙秘権の有無
    三 氏名黙秘の弁護人選任届の却下は憲法第三七条第三項第三八条第一項に違反するか
    四 憲法第二八条の保障する団体行動に該当しない一事例」、“一 憲法第三八条第一項は、何人も自己が刑事上の責任を問われる虞ある事項について供述を強要されないことを保障したものと解すべきである。
    二 被告人の氏名の如きは原則として、不利益な事項ということはできず、それにつき黙秘する権利があるとはいえない。
    三 被告人が氏名を黙秘し監房番号の自署、拇印等により自己を表示し、弁護人が署名押印した上提出した弁護人選任届を第一審裁判所が適法な弁護人選任届でないとして却下したため、被告人が結局その氏名を開示しなければならなくなつたとしても、その訴訟手続およびこれを認容した原判決が憲法第三八条第一項、第三七条第三項に反することにはならない。
    四 労働組合員相互間において会社との交渉方針等を協議中、応援に来集した組合員以外の者が多数参加しその集団の威力を背景として業務に従事中の新聞記者又は警察職員の業務を妨げたような場合は、憲法第二八条の保障する団体行動に該当するといえない。”。
  15. ^ 最高裁判所第三小法廷判決 昭和28年4月14日 刑集第7巻4号841頁、昭和26(あ)2434、『業務上堕胎、麻薬取締法違反』「一 同一検察官が引き続き被疑者を取り調べる場合にその都度供述拒否権を告知しなければならないか
    二 供述拒否権を告知しないで取り調べることは憲法三八条一項に反するか」、“一 第一回供述調書作成八日後に同一検事が更に被疑者を取り調べる場合には、改めて供述拒否権を告知しなくても刑訴一九八条二項に反しない。
    二 供述拒否権を告知しないで取り調べても憲法三八条一項に反するものとはいえない。”。
  16. ^ 山名京子 1994, pp. 53–56, 85.
  17. ^ 松本惇 (2015年8月13日). “クローズアップ2015日航機墜落30年 空の安全、課題今も”. 毎日新聞 (毎日新聞社). オリジナルの2016年6月4日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/20160604170317/http://mainichi.jp/articles/20150813/ddm/003/040/063000c 2016年6月5日閲覧。 
  18. ^ a b c d e 捜査手法、取調べの高度化を図るための研究会” (pdf). 警察庁. 2018年5月23日閲覧。
  19. ^ “大きく異なる採用各国の司法取引制度”. 産経新聞. (2018年3月16日). https://www.sankei.com/article/20180316-WCIFRKPT6FOOZNERT3ZZKS2OMY/2/ 2022年4月19日閲覧。 
  20. ^ 板倉宏『「人権」を問う』音羽出版p176-p180
  21. ^ 産経新聞特集部『検察の疲労』角川文庫p165-p169


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黙秘権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 01:22 UTC 版)

自白」の記事における「黙秘権」の解説

黙秘権は17世紀後半イギリスにおいて成立した当時の星法院裁判所(スター・チェンバー)の審理何の訴え待たず開始され被告人には宣誓した上で供述することが義務づけられていた。このような制度反対していた一人リルバーン(Lilburn)であり、彼は1637年に星法院裁判所での宣誓供述拒否したため処罰された。1641年イギリス下院このような措置残虐・不正・野蛮・暴虐であり市民の自由反するものとして同年に星法院裁判所廃止したイギリスでは17世紀末までには「何人も自らの口で自分自身有罪とするように強制されることはない」とする原則確立された。 その後、黙秘権はアメリカ合衆国憲法修正第5条により「何人もいかなる刑事事件においても、自己不利益な供述強制されない」として具体化された。 日本国憲法第38条第1項は「何人も自己不利益な供述強要されない。」と規定し刑事訴訟法被告人について終始沈黙し、又は個々質問対し供述拒むことができる」権利(第311第1項)、被疑者について自己の意思反して供述をする必要がない権利認めている。通説では日本国憲法第38条第1項は、何人も自己不利益な供述強要されない規定し刑事訴訟法被疑者被告人について、その趣旨拡張したものとする詳細は「黙秘権」を参照

※この「黙秘権」の解説は、「自白」の解説の一部です。
「黙秘権」を含む「自白」の記事については、「自白」の概要を参照ください。

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