悲劇とは? わかりやすく解説

ひ‐げき【悲劇】


悲劇

作者宇野千代

収載図書大人の絵本
出版社角川春樹事務所
刊行年月1997.8


悲劇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/03 06:08 UTC 版)

悲劇(ひげき、: tragedy)とは、古代ギリシアに成立し(ギリシア悲劇)、ルネサンス以降のヨーロッパにおいて継承・発展した演劇形式である。またその演劇の脚本戯曲のことも悲劇と言う場合がある。多くは主人公となる人物の行為が破滅的結果に帰着する筋を持つ。転じて、同種の筋を持つ他地域の演劇や現実の出来事を指しても用いられる。なお、まれに悲劇のうちには「機械仕掛けの神」(デウス・エクス・マキナ)によって事件が解決される筋をもつものもある。

概要

悲劇には単なるハッピーエンドに終わらない劇という以外、悲劇の厳密な定義はない。また同じ戯曲・演劇でも、時代・社会状況や、読む者・演じる者・観る者の主観によって、それが悲劇となるかそうではなくなるかが大きく異なってくる。19世紀ロシアの劇作家チェーホフは、自身の戯曲『桜の園』を喜劇であると言った。同戯曲は、凡庸な貴族が土地を失っていく様が筋の中心となっている。それを演出した同時代の演出家スタニスラフスキーは、近代化の波に飲まれていく旧来の人間の姿を同戯曲中に見いだし、悲劇として扱った。そして近代演劇史上に残る成果を残した。

現在のヨーロッパ諸言語で悲劇を指す語は、古代ギリシア語において悲劇を指す語「トラゴイディア」(tragoidia)から発展したものである。トラゴイディアの原義は「ヤギの歌」であるが、なぜこの劇形式がそのように呼ばれるかについては諸説ある。その説の一つとしては、劇の背景や状況などを歌い上げる合唱隊コロスが、牧羊神の衣装を着ていたからというものがある。この説は有力なものとされているが、研究者間で意見の一致をみているわけではない。

古代ギリシアにおいて、悲劇は三部作からなり、神ディオニュソスへの捧げものとされた。毎春の大ディオニュシア祭においては悲劇の競演が行われ、演劇の洗練と発展を促した。

キリスト教が興るとともに悲劇はすたれたが、のちルネサンス期の古典回帰以降、ふたたび注目され、フランス新古典主義では、アリストテレスの『詩学』を典拠とする新古典主義的演劇が数多く上演された。

悲劇の誕生』の記事を参照のこと。

転用

スポーツなどで、ある国やチームが悲願達成をあと一歩のところで逃したときや、あまりに酷い負け方をしたときにその出来事を開催地の名を取って「~の悲劇」と名付ける事がある。とくにサッカーの国際大会でこのような表現がされることがある。(例)ドーハの悲劇パリの悲劇

また、期待が大きく裏切られたり、順調に進んでいた中で突然大失敗や不慮の災害に見舞われたりすることを、「悲劇的」と言う事がある。(例)悲劇的結末

単に大きな事故や災害、その他悲惨な事態を呼ぶこともある。(例)ヒルズボロの悲劇ヘイゼルの悲劇コソボの悲劇ダンピールの悲劇

関連項目


悲劇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/08 08:23 UTC 版)

馬嵬駅の悲劇」の記事における「悲劇」の解説

混乱状態の楊国忠自身本拠地で、節度使務めていた蜀への逃亡玄宗進言し、これに同意した玄宗太子李亨楊貴妃楊氏一族宦官李輔国高力士・韋見素・魏方進・陳玄礼らを連れ密かに西方へと出発した逃亡途中で馬嵬現在の陝西省咸陽市興平市)に至ると、乱の原因である楊国忠強く憎んでいた陳玄礼兵士達反旗を翻し楊国忠韓国夫人たち殺害した。さらに陳玄礼らは反乱元凶である楊貴妃を「賊の本」として断罪するように玄宗迫った楊貴妃寵愛していた玄宗は「楊貴妃後宮奥深くにいて、謀反との関係は全くないと言い、死を逃れさせようかばったが、高力士説得され高力士によって縊死させられる楊貴妃最期泣きながら見届けた。この時、南方から献上ライチ届いたため、玄宗楊貴妃こよなく愛したライチ見て改め嘆いた伝えられる。 @media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}楊貴妃最後の言葉は、「陛下死んでもあなたを恨みません」であったという。[要出典]

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「悲劇」を含む「馬嵬駅の悲劇」の記事については、「馬嵬駅の悲劇」の概要を参照ください。

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悲劇

出典:『Wiktionary』 (2021/06/26 03:39 UTC 版)

名詞

(ひげき)

  1. 不幸悲惨出来事また、それを題材とした悲しい結末終わる劇。

対義語

翻訳


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