へい‐か【陛下】
陛下
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/05/12 07:45 UTC 版)

陛下(へいか)は、君主に対する尊称の一つ。日本では天皇・上皇・三后(皇后・皇太后・太皇太后・上皇后)に対して用いられる。また、外国の皇帝や国王・女王・王妃への尊称の訳語としても使用されている。かつての中国でも天子(皇帝)に対して用いられていた[1]。
用語
「陛」とは宮殿の階段のことで、「陛下」とは「階段の下」を意味し、尊敬の対象に直接呼び掛けることを忌むことで敬意を示す。漢語としての「陛下」は、漢代に中国の皇帝の敬称として用いられたことに始まる。後漢の蔡邕の説によれば、皇帝に上奏する者は陛の下にいる侍衛の臣にその内容を告げて奏し、侍衛の臣が上奏者に代わって上奏したことに由来するという。
また外国の皇帝・国王・女王・スルタン・皇后・王妃などに対する尊称(英語: Your/His/Her〈Imperial, Royal, etc.〉Majesty)の訳語としても使用されている。
各国
中国
最初に皇帝を称したのは秦の始皇帝だが、秦代の人は「皇帝」と直接に書いていた。「陛下」は漢代に使われるようになり、「皇帝陛下」と続ける表現はさらに後である[2]。
日本
日本では757年(天平宝字元年)に『養老令』儀制令において天皇に上奏する際の敬称として定められ今日に至るまで在位中の天皇(今上天皇)の敬称として用いられている。江戸時代までは、在位の天皇に対してのみ使用される敬称であった。
1889年(明治22年)の旧皇室典範の制定により、三后(皇后・皇太后・太皇太后)の敬称としても従来の「殿下(でんか)」に代えて採用され、この四者以外の皇族(男性:親王・王、女性:親王妃・王妃・内親王・女王)の敬称としては「殿下」が採用された。
1947年(昭和22年)に制定された現行の皇室典範においても第23条第1項において「天皇、皇后、太皇太后及び皇太后の敬称は、陛下とする。」、同条第2項において「前項の皇族以外の皇族の敬称は、殿下とする。」と定められている。また、2017年(平成29年)に制定された天皇の退位等に関する皇室典範特例法においては、上皇[3]・上皇后[4]についてもその敬称を「陛下」と定めているが、マスコミでは「皇后陛下」、「上皇陛下」、「上皇后陛下」、「上皇・上皇后両陛下」と報道することはほとんどなく、多くは「皇后さま」、「上皇さま」、「上皇后さま」、「上皇ご夫妻」と報道している。
宮内庁では、天皇、皇后、上皇、上皇后のそれぞれ個人に対して「陛下」、あるいは天皇・皇后の2人、上皇・上皇后の2人を合わせて「両陛下(りょうへいか)」を付けて表記している。
2025年5月12日現在の皇室構成員16名の内、敬称に「陛下」が付けられる者は以下の4名(他の皇族12名への敬称は「殿下」)。
- 天皇皇后両陛下(てんのうこうごうりょうへいか)
- 上皇上皇后両陛下(じょうこうじょうこうごうりょうへいか)
朝鮮
朝鮮では中国の冊封下にあるという立場から、国王・王妃・王大妃・大王大妃 に対して「殿下」を使用したが、1894年に独立を宣言してからは敬称を「陛下」に改め、大韓帝国成立後は皇帝・皇后・皇太后の敬称とした。 韓国の時代劇の日本語吹替や字幕では「殿下」と言っている部分は「王様」と意訳されることが多い。モンゴル干渉期以前は君主の敬称は「陛下」だった。
脚注
注釈
出典
- ^ 陛下 - コトバンク
- ^ 宮崎市定「史記李斯列伝を読む」。『宮崎市定全集』5巻245頁(岩波書店、1991年)。初出は東洋史研究』35巻4号、1977年。
- ^ 第3条
- ^ 第4条
関連項目
- 諱#天皇・皇室に対する避諱
- 邸下
- 閣下
- 敬称#「下」の付く敬称(その他、台下、猊下、聖下、座下)
- 皇上
- 菊タブー
- 殿下
- 最高敬語
外部リンク
陛下
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/02/23 13:00 UTC 版)
「見えざる帝国 (BLEACH)」の記事における「陛下」の解説
ユーハバッハ 帝国のトップ。配下からは"陛下"と呼ばれる滅却師の王。 その実力は第3十刃のハリベルすら手も足も出ない程。争いを好まないと言いながらも自分の不興を買う者には部下であろうと容赦無く殺害する冷酷な男。その目的は尸魂界への侵攻と殲滅。元柳斎とは千年前より何かしらの因縁があるが、昔と変わった彼に失望し、卍解『残火の太刀』を奪って殺害した。直後に駆け付けた一護と対峙するが、彼の出自について意味深な言葉を残し撤退した。 帰還後は騎士団を集め、雨竜を後継者にしたことを発表。更に雨竜に自身と同じ聖文字(シュリフト)"A"を授けた。 その正体は滅却師の始祖であり、全ての滅却師には彼の血が流れている。900年を経て鼓動を取り戻し、90年を経て理知を取り戻し、9年を経て力を取り戻した。 一護の母である真咲が殺されたのは彼が聖別(アウスヴェーレン)を行い真咲の滅却師の力を全て奪ったことによるものだった。雨竜の母・片桐叶絵も聖別によって滅却師の力を全て奪い死に至らしめている。 すなわち黒崎一護と石田雨竜にとって母の仇であり、黒崎一心と石田竜弦にとっては妻の仇である。
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陛下
出典:『Wiktionary』 (2018/03/10 11:11 UTC 版)
名詞
語源
関連語
翻訳
- 英語: His Majesty (en) 男性, Her Majesty (en) 女性, Your Majesty (en) 女性
- エスペラント: Lia Reĝa Moŝto (eo), Ŝia Reĝa Moŝtino (en), Via Reĝa Moŝto (eo), Via Reĝa Moŝtino (en)
- フランス語: Sa Majesté (fr) 女性, Votre Majesté (fr) 女性
- ギリシア語: Αυτού Μεγαλειότης (el) 男性, Αυτής Μεγαλειότης (fr) 女性, Μεγαλειότατε (el) 男性, Μεγαλειοτάτη (fr) 女性
「陛下」の例文・使い方・用例・文例
- 女王陛下に万歳三唱!
- 皇帝陛下
- 皇后陛下
- 天皇陛下
- 国王陛下
- 女王陛下
- 天皇・皇后両陛下
- 陛下
- 先週開催されたお祭りには天皇陛下が見に来られました。
- 夜のテレビのニュースで私は天皇陛下夫妻がお祭りに来たことを知った。
- 誰であれ天皇陛下を侮辱することは絶対に許されない。
- 天皇陛下を侮辱することは絶対に許されない。
- 私が一番尊敬する人は天皇陛下です。
- 女王陛下万歳!
- 英国国王[女王]陛下.
- 皇后陛下.
- その晩餐会には女王陛下の御臨席の栄を賜わった.
- 恵み深いエリザベス女王陛下.
- 天皇[皇后]陛下.
- 陛下の臣下.
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