黒崎一護
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/05 08:00 UTC 版)

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黒崎 一護 | |
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BLEACHのキャラクター | |
初登場 | 1.Death & Strawberry |
作者 | 久保帯人 |
演者 | 伊阪達也(ミュージカル) 法月康平(ミュージカル) 高野洸(ミュージカル) 福士蒼汰(実写映画) 高村佳偉人(幼年時代・実写映画) |
声 | 森田成一 松岡由貴(幼年時代) 宮下雄也(OVA) |
詳細情報 | |
愛称 | 一護 一兄 一護くん 一護ちゃん 黒崎 黒崎くん |
性別 | 男性 |
肩書き | 死神代行 |
職業 | 高校生→大学生[1] →社会人[2] 兼死神 |
家族 | 黒崎(旧姓・志波)一心(父) 黒崎真咲(母・故人) 黒崎遊子(双子の妹) 黒崎夏梨(双子の妹) |
配偶者 | 井上織姫 |
子供 | 黒崎一勇 |
国籍 | ![]() |
黒崎 一護(くろさき いちご)は、久保帯人作の漫画作品およびそれを原作としたアニメ『BLEACH』に登場する架空の人物で、同作の主人公である。架空の都市である空座町を警護していた死神・朽木ルキアと出会い、死神の力を譲り受けた高校生である。その力はルキアが自身の力を失うことを代償とするものであったため、一護は彼女に代わって死神の職務を遂行することに同意する。そして、虚(ホロウ)と呼ばれる悪霊から人々を護り、整(プラス)と呼ばれる善良な霊を尸魂界(ソウル・ソサエティ)へ送るために戦うことになる。一護は原作漫画以外にも、テレビアニメ、4作の劇場版アニメ、2作のOVA、ロック・ミュージカル、複数のゲーム、ライトノベル、そして2018年公開の実写映画など、様々なメディアに登場している。
アニメの声優は森田成一(幼年時代は松岡由貴)[3][4]。ミュージカルでの俳優は伊阪達也→法月康平→高野洸。実写映画での俳優は福士蒼汰(幼年時代は高村佳偉人)。
一護というキャラクターは読者や批評家から広く受け入れられている。『週刊少年ジャンプ』誌上のキャラクター人気投票では頻繁に登場し、『BLEACH』作中において常に最も人気のあるキャラクターとして位置づけられてきた[5]。2007年に日本の雑誌『ニュータイプ』が行った投票では、ファンに最も愛されるアニメキャラクター100選の一人に選出された。シリーズの批評家からはその性格が賞賛される一方で、典型的なアンチヒーローと見なされることもある。しかしながら、物語後半における一護の戦闘が、印象的な場面を欠くために盛り上がりに欠けるという点については、否定的な意見も寄せられた。玩具、衣類、アクションフィギュアなど、一護をモデルにした様々な商品も発売されている。
設定と構想
作者の久保帯人は、本作の主要キャラクターである朽木ルキアが、元々は主人公として構想されていたとコメントしている。しかし、シリーズの展開を経て、彼女を信頼できる仲間という位置づけに変更し、代わりに黒崎一護を本シリーズの中心キャラクターとして登場させることにした[6]。初期デザインの一護は黒髪に眼鏡をかけた、より柔和な印象のデザインだった。しかし、ルキアとの対比を考慮した結果、久保は一護の外見を修正し、オレンジ色の髪と特徴的な顰め面の姿に定まり、眼鏡は外された[7]。連載第1話で一護が着けていた腕時計は、久保自身が当時着けていたものに基づいている。後の話数では、深澤直人デザインの携帯電話「W11K」がモデルとなった[8]。久保によれば、一護は井上織姫と並んで、描くのが最も難しいキャラクターだという[9]。また、あるシーンを描いていた際には、一護に快活な笑顔をさせることに気まずさを感じたと語っている[10]。
久保は、一護の最大の強みを思いやりがあり思慮深い性格だと述べている。常に他者を優先して行動するが、それが故に仲間を心配するあまり自らを危険に晒す傾向があり、その点が最大の弱点でもあると久保は指摘している。インタビューで一護、織姫、ルキアの三角関係に焦点を当てる予定があるかと尋ねられた際、久保は恋愛に焦点を当てるつもりはなかったため、肯定も否定もしなかった。読者の間での一護の人気について、久保は、その理由をかっこよく見える点にあると分析している。また、物語を読み進めていくうちに、一護が実は温かく心優しい人物であることが明らかになるとも述べている[11]。
単行本が50巻を超えた時点で、作者の久保は一護を最も成長したキャラクターだと見なしている。久保によれば、一護は物語を自ら牽引し、読者をその世界で起きる出来事へと導いていく役割を担う存在である。アランカル篇の終了に伴い、久保は物語の再構成に着手し、その一環として一護が死神の力を失うという展開が描かれた[12]。これは、物語の冒頭で死神の力を得た状況と対をなすものであり、一護は再び自身の力を取り戻すための模索を始めることになる[13]。続く「死神代行消失篇」において、一護は完現術(フルブリング)の力を得て新たな衣装を纏う。久保がこのデザインで意図したのは、特撮ヒーローを彷彿とさせ、若い読者には魅力的に映る一方、古くからの読者にはあえて違和感や不満を抱かせるという二重の演出にあった。この狙いは、後に一護が再び死覇装(しはくしょう)の姿に戻った際の爽快感を増幅させるためであり、同時に「衣装のイメージが一護よりも銀城に似合う」という点も同様に重要であったと語られている[14]。
アニメ日本語版の声優は、主に森田成一が担当し、少年期は松岡由貴が演じている[3][4]。森田は、一護が『ファイナルファンタジーX』のティーダと並び、自身が演じてきた中でも特にお気に入りのキャラクターの一人であると語る一方[15]、自身の代表的な役柄でありながら、演じることの難しさにも言及している[16]。英語版の吹き替えは、主にジョニー・ヨング・ボッシュが担当し、少年期はモナ・マーシャルが務めた[17][18]。ボッシュは一護の持つ倫理観に強く共感していることから、この役を演じるのを楽しんでいるという。一方で、作中で一護が長時間叫び続けるシーンのアフレコでは、喉を維持するのに苦労したとも明かしている[19]。
2018年公開の実写映画版では福士蒼汰が一護役を務め、同作の英語版吹き替えもアニメ版に引き続きジョニー・ヨング・ボッシュが担当した。
人物
オレンジ色の髪に茶色の瞳。名前は越後とイントネーションが同じで「い」にアクセントをおく。名前の由来は、何か一つのものを護り通せるように、という意味。好物はチョコレートと辛子明太子。尊敬する人物はウィリアム・シェイクスピア。虚(ホロウ)に襲われた際、家族を救うために、死神・朽木ルキアから死神の力を譲り受け、以降彼女の代わりに死神の仕事をするようになってから、死神代行として活躍する。一人称は「俺」。
出身・交友関係
実家は町医者(詳細は下記)。母親の黒崎真咲は一護が9歳のときに虚に襲われ死去。黒崎遊子と黒崎夏梨は、双子の妹たち。ルキアとの出会いがきっかけで死神の力に目覚めてからは、ぬいぐるみに入った改造魂魄のコンとも同居。 有沢竜貴とは4歳からの幼馴染。チャドとは中学の時からの親友。井上織姫、石田雨竜、浅野啓吾、小島水色らは高校からのクラスメイト。
外見・性格
オレンジ色の地毛と一見ぶっきらぼうで無愛想に見える態度から、常に教師や上級生から色眼鏡で見られ不良扱いを受けることも多い。中学時代チャドと共に「馬芝中のチャドと黒崎」と呼ばれ、ヤンキー界ではかなり有名な存在となっていたが、実際は自分や仲間にかかってくる火の粉を払っていただけである。その実、義理堅く争いを好まない心優しい性格で、親からその名に託された思いを背負って兄として妹を護るという強い意志を持つ。それ故に、自分以外でも兄である者が妹を虐げたり蔑ろにするのを絶対に許さない[20]。幼い頃から強くなるために道場に通い空手を習っていた。今は道場通いをしていないが、数々の戦いや修行で身につけた戦闘能力や反射神経により、並の相手なら複数で襲ってきても刃物を持っていても、あっさり撃退できるほどの腕前。
本質は優しいが、甘さも見受けられ、闘いに於けるそれを破面のドルドーニから聖女のようだと揶揄される。破面であろうと誰かを傷つけるか、攻撃してこない限り、無用な戦闘は好まないが、避けられない闘いは寧ろ自ら臨んでいく。自身の実力の向上を実感したときに浮ついたり、追い詰められたときは弱気になることもある。戦いにおいては相手を殺す事を好まず、あくまで相手に勝つことにこだわり、勝利後は傷ついた相手を治療したり気遣う素振りも見せている。
容姿への偏見から来る教師の無用の干渉を避けるため、勉強はきちんとしているので学校の成績は優秀(1学期の中間は18位、期末テストは一学年322名中23位だった(単行本第5巻))。本人曰く、得意科目は国語らしい。空白の17ヶ月の間は少し成績が落ちたらしい。店の人に髪の色のことを聞かれたくないためもあって、髪の毛は家の中で遊子に切ってもらっている。性的にはウブで、夜一から裸を見せられたり一緒に風呂に入ろうとしたときのリアクションをからかわれたことがある。
人の顔と名前を覚えることが苦手で、石田のことも織姫から教えてもらうまで知らなかったり、出会って間もない弓親やドンドチャッカの顔すらうろ覚えだったりした。また、闘っている相手のドルドーニの名前も「ドン・パニーニ」と間違えて覚えていたり、車谷善之介のことを「イモ山さん」と名前を間違えて覚えている。恋次のことは再会した時もフルネームできちんと覚えていた。護廷十三隊の隊長や副隊長に対しては自分と見た目が近い者や親しい相手には呼び捨て、親しくとも目上の者には「さん」付けで呼んでいる。総隊長の山本に対しては「爺さん」と呼んでいる。
外見は二枚目と評され、毒ヶ峰リルカからは初対面で「格好良いじゃない」と評されており、ブレイドバトラーズ2のepisode2では、松本から「中々の男前」と評されている。井上織姫からは極端に格好良く見える視点が描かれた事がある。また、初期の頃はヤヤ垂れ目がちであったが、連載が続くにつれてそういった眼に描かれることはなくなっていった。
前述のように誤解されやすかったり、目つきが鋭いため怖がられる描写が作中でも何度かあったが、一話目の冒頭で自分から暴力を振るっている(不良三人が死んだ霊に供えてあった花をスケボーで遊んでいてこかした事に腹を立てたのが原因)などかなり喧嘩っ早いことは事実であり、些細なことで口論になることが多い。また相手に対して「手前」と言うなど時に粗野な言葉遣いも覗く。
作中では、その存在が志波海燕の面影に重なることが白哉や浮竹の感慨として描写されている。後に父・一心が志波家の分家出身であることが判明している。
物語の最終話にて井上織姫と結婚し、息子「一勇(かずい)」を授かった様子が描かれる。小説版の最後では、恋次の後押しから好意を抱き始めた織姫に告白を決意する様子が描かれている。
才能・能力
「視える」「聴こえる」「触れる」「喋れる」「憑かれる」という、夏梨いわく超A級霊媒体質のハイスペック霊能力者[21]。死神化する前から潜在的に霊力は高く、後にこの体質は、父・一心が隊長格の能力を有すると判別された死神であった故の「真血」と呼ばれる存在であったためであることがわかる[注釈 1]。また、死神化による霊圧が強大だったために織姫やチャドの秘められた力を覚醒させるきっかけとなっている。
さらに『千年血戦篇』で母・真咲が純血統の滅却師であったこと・一護の虚は元は彼女に憑いていたものだったことが明かされ、一護は生まれながらにして人間・死神・虚・完現術者・滅却師の5種族の素質を持っていたことになる。このことから秘めたる潜在能力と霊圧は凄まじいものがあり、「見えざる帝国」において5人の特記戦力の1人(未知数は潜在能力)にして特記戦力筆頭に選ばれている。
死神としての経験は浅いが、数々の戦闘を経て死神の基本戦闘技術である斬・拳・走・鬼の「鬼」以外は隊長格と渡り合うほど高い実力を身に付け、「斬」は【卍解】まで至り、「拳」に関しては、素手で斬魄刀を解放した副隊長3人を打ちのめす程[23]。また「走」では【卍解】修行時に瞬歩を身につけ隊長である白哉と渡り合った。ちなみに「鬼」にあたる鬼道に関しては、劇中では鬼道を体得している場面は見受けられないが、霊力を扱うことに関しては才能が全くないと至る所で言われている。
経歴
読切版
実家は葬儀屋で、井上の父親の葬儀を数年前に行う。妹たちや父親は登場しない。学校の帰りにルキアと遭遇し、ルキアが虚を倒すために無理をしたため力を失い、一週間代行を務めることとなる。
ある日、同級生の井上が階段から落ちて亡くなったことを知り、鎖を切って突然現れた井上の父親と共にあの世に送ろうとする。しかし、井上の父親は既に虚になっており井上を殺そうと襲い掛かってくるが、何とか阻止する。その後、井上に別れを告げ、ルキアに力が戻ったため元の生活に戻る。
過去
母・真咲を慕っていた少年時代は、空手でたつきに負けただけで泣くような泣き虫だった。9歳の頃、真咲と一緒に歩いていたとき見かけた少女を、グランドフィッシャーの擬似餌とは知らずに助けようとしたために、真咲の死に直面している。この出来事で家族から真咲を奪ってしまったという自責の念を抱えるようになる。
死神代行篇
ある日、部屋にいるとルキアが現れ、家族が襲われたためルキアから死神の力を受け継ぎ、以降代行業を行う。
真咲の死に対し長年自分を責め続けていたが、真咲の命日に、真咲の実際の死の原因だったグランドフィッシャーとの戦いを通じ、葛藤した末に立ち直る。その際、死神代行に対する意識も「ルキアの代わり」から「虚に狙われる人々を救うため」に変化する。
一時譲り受けた死神の力を朽木白哉の斬撃により失うが、浦原喜助との特訓で己自身の死神の力を覚醒させ、再度死神となる。
尸魂界篇
死神能力譲渡の罪に問われ尸魂界へ連行されたルキアを救うために、浦原の手を借りてチャドや石田や織姫ら仲間と共に夜一の先導で尸魂界へ乗り込み、精霊艇に侵入する。侵入後は個々に散開し、幾多の死神達との戦闘を繰り広げる。
戦いの中で交流を深めた尸魂界での仲間の岩鷲や山田花太郎や恋次の助けを受けながら、最後までルキアの処刑に異を唱えない白哉に勝利。そして、事件の黒幕だった藍染には完敗するも、ルキア救出に成功。
現世へ帰る際に浮竹から死神代行証を貰い、尸魂界公認の死神代行として正式に認められる。
破面篇
過去の浦原との特訓以来たびたび現れていた内なる虚が明確に魂を支配し始め、その影響で戦闘にも支障をきたしたことで危機感を覚え、内なる虚の力を抑えるために仮面の軍勢の元で特訓を受けて内なる虚の制御に成功し、虚化を習得する。
現世に襲来したグリムジョーとは 、その前後二回に渡って戦闘したが二回とも中断させられ、勝負はつかなかった。また、ヤミーと共に最初に現世に襲来したウルキオラとも因縁を持つようになる。
そして、虚圏に連れ去られた織姫を救出するために、浦原の手を借りて雨竜やチャドと共に虚圏に突入し、後から来たルキアと恋次とも合流し、虚夜宮に侵入する。侵入後は個々に散開し、ネルを連れて破面と闘いつつ、織姫救出に向かう。
数々の戦闘の中、グリムジョーを倒し、その戦闘直後のノイトラ襲撃の危機を剣八に救われた後は、十刃のスタークに再びさらわれた織姫を救うためにウルキオラと対決し、完全虚化した自身の力で、ウルキオラを消滅に追い込むという自身の意にそぐわぬ形で決着をつける。
その後、ルキア達を救うためにヤミーと交戦後、白哉ら隊長達に促される形で現世に帰還し、護廷十三隊・仮面の軍勢の協力を得て藍染に挑む。そこで、自身の今までの戦いが藍染によって仕組まれたものだという驚愕の事実を知る。一時は藍染の力への恐怖を覚え、空座町に侵攻する藍染を食い止められなかったが、一心に諭されて奮起し、空座町に急行する最中の断界で刃禅を行って精神世界へ潜って、精神世界で約一ヶ月間の時間をかけて「最後の月牙天衝」を会得し、その力を以って藍染との最終決戦に決着をつける。しかし、「最後の月牙天衝」を使用した代償で死神と全ての霊的な存在も感知できなくなるほど霊力を失い、ルキアとも別離する。
死神代行消失篇
藍染との戦いで全ての霊力と死神の力を失った17ヶ月後には高3となり、平穏な生活を送る。浮竹から貰った代行証は未だ手元にあり、死神だった頃に培った身体能力も不良を打ちのめすのに役立っている。また、商売目的で校内で各運動部のレンタル助っ人部員として部活をする一方で、鰻屋育美が経営する、何でも屋「うなぎ屋」でバイトをしている。霊に関わらない普通の生活を手に入れられたことを表面上は喜んでいるが、内心は自分の力で家族や仲間たちを守れなくなったことに苦しむ。
そんな中で、一心の事を知る銀城空吾との邂逅により、夏梨が浦原の元に通うことや石田が襲撃された事態もあり、銀城らの本懐でもある自身の死神の力を取り戻すべく「XCUTION」との修行を開始する。その過程で、銀城らと同様の能力である完現術(フルブリング)を会得する。
しかし、完現術の完成直後に月島秀九郎の完現術によって、銀城と共に孤立してしまう。その後、月島と対峙する中で、本性を現した銀城の裏切りに遭って完現術を奪われてしまうが、浦原・一心と共に現れたルキアの持つ隊長・副隊長格らの霊圧が込められた刀によって、死神としての能力を取り戻すことに成功する。完現術を会得した影響もあってか、復活した死神姿では四肢や胸に代行証を思わせる×字の紋様、黒い草履、首筋に装甲が追加されるなどの変化がみられる(完現術が虚由来の力のためか、破面に似た姿になっている)。
力を取り戻した後は死神達と共にXCUTIONとの戦闘に入り、石田と共に銀城と交戦する。そして、銀城から死神代行の制度の目的が死神代行の監視・利用であり、発案者が浮竹だという真実を知らされ、一護が戦うべき敵は死神だと突きつけられるも、浮竹は自分自身で「仲間を護る道」を選ばせてくれた事を明かし、銀城の誘いを断る。最終的に卍解した銀城に対して同じく卍解で挑み、銀城の心情を理解しながらも銀城を倒した。決戦後、尸魂界へ赴き、元柳斎に銀城の遺体を現世に持って帰って埋めたいと頼む(代行証は、引き続き所持している)。
アニメ版最終回では、その際「死神代行を続ける上で、同じ死神代行として出来るだけの事をしてやりたい」と理由を明かし、遺体の受け取りを承諾された後は、「これから来る死神にはちゃんと代行証の事を話しといてくれ」と頼む。
千年血戦篇
当初は死神代行として、織姫達と現世の虚退治に務める。しかし、車谷の後任として派遣されてきた2名の死神を虚から助けた後日、アズギアロ・イーバーンと名乗る破面と思しき人物からの突然の襲撃を受ける。
それを撃退後、上記の死神から尸魂界が「見えざる帝国」という組織の襲撃を受けて、一番隊副隊長の雀部を始めとした多数の死神が殺害された話を聞かされる。さらに突如虚圏から来訪してきたネル達からは、虚圏が何者かによって占領された話を聞かされ、ネル達からの要請を受けて浦原・織姫・チャドと共に虚圏に再来訪することになる。
そこで一護は占領者達の隊長キルゲ・オピーと対峙することになり、その戦闘中に敵の組織が雨竜達以外の滅却師の集団であることを知る。浦原の解析と介入もあって何とかキルゲの撃退に成功するが、そこに受けた阿近からの通信で、尸魂界が「見えざる帝国」の襲撃を受けて壊滅状態に陥っていることを知り、彼の要請により尸魂界へ向かうことになる。しかし、キルゲの力により、道半ばで檻に閉じ込められてしまう。その後、技術開発局が星十字騎士団のシャズ・ドミノに襲撃されている最中にもかかわらず阿近の決死の対応もあり、何とか脱出して辿り着き、目の前に居たシャズ・ドミノを撤退させたものの、尸魂界は襲撃により見る影もなく荒れ果ててしまっており、白哉の頼みや怒りを胸に一護は敵の総大将であるユーハバッハに挑む。
しかし力の差が大きい上に、キルゲの檻から脱出した際に重傷を負っていたため、劣勢を強いられる。ユーハバッハの活動時間の限界により敵は退却したものの、この戦いで天鎖斬月は彼の側近ハッシュヴァルトに折られてしまう。
襲撃後、一護はマユリから天鎖斬月の修復は不可能と説明されるが、その直後に来訪してきた零番隊から霊王宮へ行けば天鎖斬月を元に近いものへと打ち直すことが可能との話を聞かされ、零番隊と共に霊王宮へ向かう。
しかし途中、二枚屋王悦に課された試練に失敗。現世に強制的に戻され、一心から母・真咲が滅却師であったことや、自分の誕生の秘密を明かされる。全てを知った直後に、突然一護の前に現れた燧ヶ島メラによって再度霊王宮に連れ戻されて、自ら選び出した浅打を王悦に鍛えてもらい、真の斬月を手に入れる。 修業は終えたが、零番隊の連絡ミスのせいで、二回目の戦いには遅刻することとなる。
そして、戦闘不能に陥っていた剣八を救出し、8人の星十字騎士団と交戦。その後、仲間たちに後を任せ霊王宮に攻め入ろうとするユーハバッハを追うものの、ユーハバッハの配下についた石田を見て困惑する。そして、彼らを取り逃がしてしまうが、浦原の協力を得て霊王宮に突入する準備に入る。
その後、出発間際に岩鷲と合流し、霊王宮へ向かう。霊王宮到着時に、バラバラになっていた和尚を復活させた後、霊王を守るように託され霊王宮に乗り込むも、ユーハバッハに操られて霊王を斬ってしまう。そして、ユーハバッハと対決するが、石田や親衛隊の介入を許し、霊王宮から落下してしまった。
落下後は夜一と、夜一があらかじめ援護を依頼していた雪緒やリルカの能力によって再度突入を果たし、単独でナックルヴァールと対峙するが「致死量」の能力で敗北し、救助に来た夜一と夕四郎にナックルヴァールを任せて先へ進む。
そして、真世界城へ突入した後は雨竜やハッシュヴァルトと遭遇するも、雨竜の真意を聞いたことで織姫や茶渡(途中で真世界城の石像と交戦する為に離脱)と共にユーハバッハの元へと向かう。
そして、織姫と共にユーハバッハと交戦し、完全虚化を彷彿とさせる新たな虚化などを発現するが、卍解『天鎖斬月』を発現された直後に折られてしまった末に、ユーハバッハの未来を改変する能力「全知全能」によって敗北し、滅却師と虚の力を奪われてしまった。しかし、月島の能力で「天鎖斬月は折られなかった」という過去を挟み込まれたことで織姫の能力で天鎖斬月が修復され、恋次と共にユーハバッハを追った。
そして、瀞霊廷でユーハバッハと再度交戦し、藍染惣右介の『鏡花水月』でユーハバッハを欺いている隙に月牙天衝で切り裂き、一度は倒すものの「全知全能」で復活されて窮地に陥るが、石田雨竜が「静止の銀」で作られた鏃を撃ち込んでユーハバッハの「全知全能」が一時的に封じられた直後に、表面を砕かれて死神の力のみで構成された始解状態の斬月の形をした卍解でユーハバッハを両断して、勝利を収めた。
十年後には織姫と結婚し、一勇という息子を儲けている。
アニメの経歴
アニメオリジナルでは、下記以外にも単発物が何話か製作されており、他の登場人物がメインを務めることが多く、一護は登場しないことも度々ある。
バウント篇
りりんと蔵人と之芭達が浦原と共謀して仕掛けたゲームを発端に、現世の仲間達や恋次・ルキアと共にバウントとの戦いに身を投じる。この時、一護本人の「誰かを守るために命を賭ける」という覚悟が足らなかったという理由により、一時的に【卍解】が使えなくなるという状態に陥っていた。その後、決戦は尸魂界に場を移し、卍解を取り戻して敵の頭の狩矢を何とか倒した。
新隊長天貝繍助篇
帰刃グリムジョーを倒し織姫を抱っこしたところに挿入された本編と繋がらない独立した話。尸魂界の上流貴族「霞大路家」の姫・霞大路瑠璃千代が黒崎家の隣に引っ越してきて一護のクラスにも転校してくる。瑠璃千代は命を霞大路家を取り仕切る雲井から狙われているらしく、一護は護衛を引き受けることとなる。そして、雲井の雇った殺し屋たちを何とか退けた一護たちであったが、瑠璃千代は尸魂界にショックから帰ってしまい、一護はルキアと後を追うことになり護廷十三隊の追跡を逃れながらも、新しく三番隊隊長に就任した天貝の協力もあって雲居を倒す(とどめを刺したのは天貝)。しかし、真の黒幕は天貝であり、一護は天貝を倒して瑠璃千代を守りきる。
斬魄刀異聞篇
空座町に派遣された従属官が全滅し一護とウルキオラの戦闘に話が戻ったタイミングで作られた、本編とは繋がらないストーリー。一護が不穏な霊圧を感じた場所に向かうと、突如穿界門が開いて怪我をしたルキアが現れ、実体化した袖白雪と対決する。ルキアから事情を聞かされた後、尸魂界に帰ったルキアを追って夜一と共に行くことになる。しかし、首謀者の村正の能力によって斬月が実体化し、苦戦を強いられることになる。精神世界での内なる虚=白一護の協力もあって何とか斬月をとり戻すが、村正の策にはまって窮地に陥る。仲間の協力もあって何とか脱出し、村正の狙いが空座町にあると知った一護は現世で仲間たちと激戦を繰り広げ、最後は精神世界で一護が村正と対決し勝利する。
護廷十三隊侵軍篇
藍染との決戦後、最後の月牙天衝を使った事により少しずつ死神としての力を失いつつあった。その状態で霊骸の事件に巻き込まれ、戦いの最中に死神の力を全て失ってしまう。一時期は完全虚化するが何とか元の状態に戻り、浦原とコンの協力により一時的に死神の力を取り戻し、首謀者の因幡影狼佐を倒して事件は解決するものの、取り戻した死神の力も一時的なものであり、再び消えるのも時間の問題だった。それを承知しながらも、一護は死神代行としての仕事を成すため、ルキアと共に最後まで虚と戦い抜いた。
脚注
注釈
出典
- ^ 小説 WE DO Knot ALWAYS LOVE YOU時点
- ^ 原作74巻時点
- ^ a b テレビ東京、電通、スタジオぴえろ (5 October 2004). “死神になっちゃった日”. ブリーチ. Episode 1. テレビ東京.
- ^ a b テレビ東京、電通、スタジオぴえろ (23 November 2004). “6月17日、雨の記憶”. ブリーチ. Episode 8. テレビ東京.
- ^ 『BLEACH』キャラクター人気投票、第307話、1-2頁。
- ^ 久保帯人, 森田成一 (August 2007). Tite Kubo Interview, Bleach B-Station 112. 日本: BLEACH “B” STATION.
- ^ 週刊少年ジャンプ 2025年9号(2月). 集英社. (2008). p. 123
- ^ 久保帯人 (2008). The Art of Bleach. Viz Media. p. 104. ISBN 978-1-4215-1884-8
- ^ 『週刊少年ジャンプ』2004年42号インタビュー
- ^ Kubo, Tite (2008). The Art of Bleach. Viz Media. p. 103. ISBN 978-1-4215-1884-8
- ^ Charles Solomon (2008年8月28日). “Creator Tite Kubo surprised by 'Bleach' success”. Los Angeles Times. オリジナルの2009年4月23日時点におけるアーカイブ。 2008年9月17日閲覧。
- ^ 久保, 帯人 (2010). “第423話”. BLEACH 48巻. Shueisha. ISBN 978-4-08-870144-8
- ^ Kido, Misaki C. (February 2012). “Interview with Tite Kubo (Creator of Bleach)”. Weekly Shonen Jump Alpha (Viz Media) (2–27–12): 124–126.
- ^ “第53回JUMPとレジャー新人漫画賞の久保先生のコメント”. 週刊少年ジャンプ (集英社) (53). (November 2011). "A.一護の完現術は特撮ヒーローのようなイメージで、小さい子達にはカッコ良く見え、長らくBLEACHを読んでいる、或はある程度年齢のいった読者には違和感や不満を持ってもらえるものを目指して描きました。「死覇装に戻った時」の爽快感を大きくする為に。そしてそれと同じくらい重要だったのは「衣装のイメージが一護よりも銀城に似合う」という事です"
- ^ Truong, Kei (2011年2月10日). “Anime Expo 2010: Interview with Masakazu Morita”. Asia Pacific Arts. 2017年8月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年3月20日閲覧。
- ^ Truong, Kei (2011年2月10日). “Anime Expo 2010: Interview with Masakazu Morita”. Asia Pacific Arts. 2015年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月19日閲覧。
- ^ テレビ東京、電通、スタジオぴえろ (8 September 2006). “A Soul Reaper is Born!”. Bleach. Episode 1. カートゥーン ネットワーク.
- ^ テレビ東京、電通、スタジオぴえろ (27 October 2006). “June 17, a Memory of Rain”. Bleach. Episode 8. カートゥーン ネットワーク.
- ^ Bleach Uncut Season 1 Box Set; Behind the scenes of Bleach (DVD). Viz Media. 30 October 2007.
- ^ 虚化して織姫を襲った昊に対して、「兄が妹に"殺してやる"なんて死んでも言うな」と言っている。
- ^ このことから幽霊の存在は信じていたが、死神に関してはルキアと出会うまでは見たことがないという理由から信じていなかった。
- ^ 原作1巻1話
- ^ 一般人であったころから、もともと喧嘩が強く、基礎体力はあった。
関連項目
黒崎一護
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/02/23 13:00 UTC 版)
「見えざる帝国 (BLEACH)」の記事における「黒崎一護」の解説
現世・空座町の死神代行。元十番隊隊長の父・一心と純血統滅却師の母・真咲(故人)を持つ。
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