しん‐こてんしゅぎ【新古典主義】
新古典主義
【英】:NEO-CLASSICISME
18世紀後半から19世紀初頭にかけてヨーロッパ中に広まった古典古代(ギリシヤ・ローマ)の復活を目指した美学上の運動や、建築、彫刻、工芸の各ジャンルにわたる美術の様式を指す。考古学的正確さへの強い感心と合理的美学に支えられた古代的モチーフの多用や、完成された表現を特徴とする。ヘルクラーネウムやポンペイの発堀、ギリシアや小アジアへの調査旅行によって、古代への関心が高まり、ヴィンケルマンが著した『ギリシア美術模倣論』などの美学上の影響によって、18世紀後半には支配的な傾向となった。代表的画家はラファエル・メングスだが、ラファエロ,コレッジオ,ティツィアーノや古代美術の作品に基づいて、グランド・マナー(大様式)と呼ばれる様式を生み出し、影響力を広げた。絵画の分野で最もすぐれた成果をみせたのはダヴィッドで、それをアングルが引き継いだ。新古典主義は、19世紀のアカデミズム芸術の基本原理として長く生き続けたが、同時に、遠い古代や異国に対する憧れと官能的なものへの傾斜により、ロマン主義芸術の先駆にもなった。
新古典主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/24 00:46 UTC 版)
新古典主義(しんこてんしゅぎ、英語:neoclassicism)は、18世紀中頃から19世紀初頭にかけて、西欧で建築・絵画・彫刻など美術分野で支配的となった芸術思潮を指す。それまでの装飾的・官能的なバロック、ロココの流行に対する反発を背景に、より確固とした荘重な様式をもとめて古典古代、とりわけギリシアの芸術が模範とされた[1]。18世紀後期にはこの様式を記述する為に用いられたのは「真の様式」であり、如何なる意味でも、偶有的であるとは看做されていなかったが[2]、その一方で、流入する文化に対する反応や異国情緒の現れのような偏執は、「ロココのあの数々の局面の一つ」[3]であったと評される。
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- ^ デーヴィッド・アーウィン(鈴木杜幾子訳)『新古典主義(岩波 世界の美術)』(岩波書店、2001)
- ^ ヒュー・オナー『新古典主義』
- ^ ヒュー・オナー『新古典主義』
- ^ Arnold Whittall, "Neo-classicism" (The New Grove Dictionary of Music and Musicians, 2nd ed., ed. by Stanley Sadie and John Tyrrell, Macmillan Publishers, 2001).
- ^ アペレスは線の表現に秀でており、ゼウクシスは色彩の扱いに優れていたと言われる。
- ^ 相違;互いに一致しないこと。
- ^ Delaborde, Ingres, sa vie et ses travaux, 1870.
- ^ アングル (ヴィヴァン 25人の画家)
- 1 新古典主義とは
- 2 新古典主義の概要
- 3 関連文献(邦語)
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