コブラ_(芸術運動)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > コブラ_(芸術運動)の意味・解説 

コブラ (芸術運動)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/10 13:10 UTC 版)

コブラ(COBRA、CoBrA)とは、第二次世界大戦後の西ヨーロッパ(主にベネルクス諸国や北欧諸国)で起こった前衛芸術運動(アート・ムーブメント英語版)。原初的なエネルギーに満ちた激しい絵画で知られ、カレル・アペル、コルネイユ、アスガー・ヨルンなどの芸術家が代表的。1948年11月にパリで結成され、活動期間は1949年から1952年の間であった。

「コブラ」という名称は、グループ結成に主導的な役割を果たしたベルギー詩人画家クリスチャン・ドートルモン英語版が、メンバーの本拠地のコペンハーゲンCopenhagen)、ブリュッセルBrussels)、アムステルダムAmsterdam)の頭文字をとってつけたものであり、その名の通りパリやニューヨーク現代美術の流れからやや距離を置いた独自の活動を行った。

カレル・アペルの野外彫刻作品

コブラはオランダのグループ「レフレックス(Reflex)」、ベルギーのグループ「シュールレアリスム・レヴォリュシオネール英語版(革命的シュルレアリスム、Revolutionary Surrealist Group)」、デンマークのグループ「ホスト(Høst)」が合流して形成された。その活動期間中、2度の大きな展覧会を開いている。一回目は1949年にオランダ・アムステルダム市立美術館で、二回目はベルギー・リエージュ市のパレ・デ・ボザールで開催された。

このグループは、前の世代のシュルレアリスムの顛末を批判し、シュルレアリスムが描こうとしていた無意識などの世界を絵画を通して改めて捉えなおそうとした。その絵画作品は鮮やかな色彩と激しいブラッシュ・ストローク英語版(筆遣い)、歪められた人体などからなる半抽象的な画面が特徴であった。

インスピレーションの源は世界各地の民族芸術や原始芸術(プリミティブ・アート)、民衆芸術(フォークアート)、子供や障害者の絵画(アール・ブリュット)などであり、その純粋性、楽天性、原初のエネルギーに自分たちの目指すものと共通するところを見出していた。激しい絵画空間や、無意識の世界や純粋さへの関心は、同時期のアメリカのアクション・ペインティングやフランスのアンフォルメルと共通するところが大きく、ヨーロッパの美術の道筋を示した運動のひとつと位置づけられる。

アムステルダム近郊のアムステルヴェーンにはコブラ美術館があり、コブラの作家たちの作品や資料、その他各国の前衛芸術運動の作品を研究・展示している。

コブラに参加した芸術家

関連項目

外部リンク



「コブラ (芸術運動)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「コブラ_(芸術運動)」の関連用語

コブラ_(芸術運動)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



コブラ_(芸術運動)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのコブラ (芸術運動) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS