現代美術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/06 09:22 UTC 版)
現代美術(げんだいびじゅつ、英語: Contemporary art)または現代アート、コンテンポラリー・アートとは、歴史の現代を借りた用語で、美術史における今日、すなわち20世紀後半の第二次世界大戦後の1950年以降から21世紀までの美術を指す[1]。
現代美術家たちは、世界的にお互いに関連した状況で、文化的には異なった環境で、しかも技術的には先進的な世界で作品を作っている。画題の本質を新鮮な目で見て、新しい方法で実験を行った時代である。彼らの芸術は画材、方法、コンセプト、主題の常に変化する動的な組み合わせであり、それは20世紀には既に始まっていたものである。その背景として、19世紀以前の芸術は教会や裕福なパトロンに支えられて制作されており、作品を見るものが導かれるような指導的な役割りを担う、宗教的・神秘的な物語が描かれることが多かったが、産業革命以降は、芸術家はパトロンのためではなく、自身の個人的な経験や視点での制作が可能になったことがあげられる[2]。
- 理論の重要性
現代美術は、それが芸術だと認識することが困難な場合が多々ある。芸術の領域で活動している人々の間でさえ、芸術か芸術ではないかという区別は難しく、自分が芸術の領域に立ち入っていることに気がつかない場合もある。その場合、芸術だと認識する手段つまり、芸術とそれ以外を区別するものとして理論の存在が挙げられる。アメリカの分析哲学者、アーサー・ダントーは論文「アートワールド」において、「そもそも芸術を可能にすることも、理論が持つ効用の一つである。そうした本来の理論をもたなかったグラウコンをはじめ他の対話者たちは何が芸術であり、なにがそうでないかについて知ることはほとんどできなかったのである」と述べている[3]。
一般的な用語としては、日本語でも英語でも、現代美術(Contemporary art)はその以前の近代美術(Modern art)と同義語として使われることも多いが、ここでは時代の移り変わりを表すために敢えて区別して使っている。
現代美術に影響を与えた動向
この項目は現代美術の動向を理解するために、現代美術のターム以前のものでなおかつ強く現代美術に影響を与えたものを中心に、年代に関係なく動向ごとにまとめています。
主義(Ism)
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主義(Ism)
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技法や運動(movement)
その他
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現代美術ムーブメント年表
この項では、現代美術の動向やグループを基本的に始まった年代ごとにまとめていますが、年代が不明なものや意味が変わったものは、動向などが盛り上がった/変化の見られた年代に分類しています。
1950s
戦後の1950年代になるとフランスをはじめとしたヨーロッパ中心のアートシーンに、アメリカが影響を及ぼすようになる。また、戦後のモダニズム絵画として、抽象画が流行した。一方、その反動としての具象的な絵画の再評価を試みるなど、現代美術は絵画がシーンの中心であった。絵画以外では、政治的なイデオロギーから逸脱を目指したものや、国家や既存の枠組みを越えようとするものなどが見られる。
抽象表現
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具象表現
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その他
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1960s
1960年代になると絵画ではない表現が多く見られるようになる。”政治的なイデオロギーからの逸脱”とは異なる概念的なアートや、ハプニング、社会関与など、事象を取り扱うムーブメントも勃興してくる。世界的な社会情勢として、反戦運動、女性解放運動、LSDを使った平和を訴えるフラワーパワージェネレーションなどの市民運動が盛んな時代。
抽象表現
具象表現
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プロジェクト
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ニューメディア
その他
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1970s
表現技法
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社会運動
コロニアル・アート
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その他
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1980s
かつてのムーブメントや活動に、ネオ/ポスト/ニュー/トランスなどをつけた再定義や乗り越えの活動が多く見られる。またビデオカメラなどのデジタル機器やデジタル技術の大衆化が進み、表現手法として多く取り入れられるようになる。
表現技法
サブカルチャー
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社会運動
プロジェクト
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概念
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1990s
表現技法
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ニューメディア
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コロニアル・アート
プロジェクト
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2000s
2000年代は、オルター/メタ/ポスト/Reなどの語を使い近代を乗り越えようという動きが盛んになる一方で、ゲームやアニメをはじめとした仮想世界を取り入れている。
平面表現
ニューメディア
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プロジェクト
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概念
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2010s
- ポスト・インターネット(Postinternet)
- レジリエンス・アート(Art Résilience)
- パラドックス・アート(art paradox)
現代美術作品年表
この項では、代表的な現代美術の作品や展覧会、批評を年代ごとにまとめています。
1950s
作品
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展覧会 |
批評、他
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1960s
作品 |
展覧会
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批評、他 |
1970s
作品 |
展覧会 |
批評、他
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1980s
作品 |
展覧会 |
批評、他 |
1990s
作品 |
展覧会 |
批評、他
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2000s
作品 |
展覧会 |
批評、他
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2010s
作品 |
展覧会 |
批評、他 |
脚注
- ^ 現代美術(コトバンク)
- ^ “MoMA What is modern art”. 2020年4月29日閲覧。
- ^ 分析美学基本論文集│アートワールド p=11
- ^ “art scape 表現主義(美術)”. 2020年4月14日閲覧。
- ^ “しん‐いんしょうしゅぎ〔‐インシヤウシユギ〕【新印象主義】”. デジタル大辞泉. 2020年4月14日閲覧。
- ^ “art scape リージョナリズム”. 2020年3月16日閲覧。
- ^ “Tate -art-terms- Constructivism”. 2020年4月14日閲覧。
- ^ “art scape フィギュラティヴ”. 2020年4月7日閲覧。
- ^ “art scape アーツ・アンド・クラフツ運動”. 2020年4月7日閲覧。
- ^ “The Metropolitan Museum of Art - The Bauhaus, 1919–1933”. 2020年4月14日閲覧。
- ^ “THE ART STORY FOUNDATION - Black Mountain College”. 2020年4月15日閲覧。
- ^ “art scape カラーフィールド・ペインティング”. 2020年3月16日閲覧。
- ^ “THE ART STORY -Washington Color School”. 2020年3月16日閲覧。
- ^ “Tate - Art Terms-fantastic realism”. 2020年4月14日閲覧。
- ^ “art scape ソヴィエト非公式芸術”. 2020年4月4日閲覧。
- ^ a b c d e f p=37
- ^ “art scape ポスト・ミニマリズム”. 2020年4月4日閲覧。
- ^ “art scape ポスト・ペインタリー・アブストラクション”. 2020年3月16日閲覧。
- ^ “TATE art terms hard edge painting”. 2020年5月3日閲覧。
- ^ “THE ART STORY FOUNDATION -Capitalist realism”. 2020年4月15日閲覧。
- ^ “art scape ベイ・エリア・フィギュラティヴ・アート”. 2020年4月10日閲覧。
- ^ “TATE art terms-PROCESS ART”. 2020年3月16日閲覧。
- ^ “TATE art terms-Art intervention”. 2020年4月13日閲覧。
- ^ p=158
- ^ “多摩美術大学美術館”. 2020年4月9日閲覧。
- ^ パブロ│イントロダクション p=13
- ^ p=145
- ^ “美術手帖 - ハイレッド・センター”. 2020年4月9日閲覧。
- ^ “CGI Historical Timeline”. 2020年4月9日閲覧。
- ^ “artscape オプ・アート”. 2020年4月9日閲覧。
- ^ “TATE art terms ZERO”. 2020年4月9日閲覧。
- ^ Knight, Cher Krause (2008). Public Art: theory, practice and populism. Oxford: Blackwell Publishing. ISBN 978-1-4051-5559-5
- ^ Battock, Gregory. Preface to Meisel, Louis K. (1980), Photorealism. New York:Abrams. pp 8–10
- ^ “TATE -Art Tearm-Photorealism”. 2020年4月9日閲覧。
- ^ “holophile”. 2020年4月10日閲覧。
- ^ “art scape メール・アート”. 2020年4月10日閲覧。
- ^ “art scape パターン・アンド・デコレーション/P&D”. 2020年4月10日閲覧。
- ^ “ニッポンドットコム オノ・ヨーコ:時代を変革したアーティスト=アクティビスト”. 2020年4月10日閲覧。
- ^ “art scape グループマテリアル”. 2020年3月16日閲覧。
- ^ “Business Standard - Coca-Cola India celebrates ancient Warli folk art form - Launches”. 2020年4月9日閲覧。
- ^ Chilvers, Ian and Glaves-Smith, John, A Dictionary of Modern and Contemporary Art, second edition (Oxford and New York: Oxford University Press, 2009), p. 569. ISBN 0199239665.
- ^ “newmuseum”. 2020年4月9日閲覧。
- ^ “Street Art NYC”. 2020年4月10日閲覧。
- ^ “美術手帖 新表現主義”. 2020年4月10日閲覧。
- ^ “newmuseum-EXHIBITIONS Strange Attractors: Signs of Chaos”. 2020年4月10日閲覧。
- ^ “artscape グラフィティ”. 2020年4月10日閲覧。
- ^ Laderman, Gary (2003). Rest in Peace: A Cultural History of Death and the Funeral Home in Twentieth Century America. Oxford University Press. p. 198. ISBN 978-0195183559
- ^ p=614
- ^ “Tate-ART TERM-POSTCOLONIAL ART”. 2020年4月8日閲覧。
- ^ Jean Baudrillard, "Simulacra and Simulation", Ann Arbor Mich.: University of Michigan Press, 1981
- ^ Chris Dercon (ed.), 1980-1996 in: Face a l'Histoire, Centre Georges Pompidou / Flammarion, 1996, pp.496-561.
- ^ “Tate-ART TERM-NÉGRITUDE”. 2020年4月8日閲覧。
- ^ “素人の乱 自由芸術大学”. 2020年5月3日閲覧。
- ^ “How to Speak Artspeak (Properly)”. 2020年4月8日閲覧。
参考文献
- アーサー・ダントー(著)、西村 清和 (翻訳)『分析美学基本論文集』勁草書房、2015年8月28日、445頁。ISBN 4326800569。
- 末永 照和 (著), 早見 堯 (著), 林 洋子 (著), 近藤 幸夫 (著), 中村 英樹 (著), 嶋崎 吉信 (著), 堀 元彰 (著), 末永照和 (監修), 美術出版社編集部 (編集)『増補新装 カラー版 20世紀の美術』美術出版社、2013年8月9日、240頁。ISBN 4568400856。
- 山本 浩貴『現代美術史-欧米、日本、トランスナショナル』中央公論新社、2019年10月16日、318頁。ISBN 4121025628。
- パブロ・エルゲラ, アート&ソサイエティ研究センター SEA研究会 (翻訳)『ソーシャリー・エンゲイジド・アート入門 アートが社会と深く関わるための10のポイント』フィルムアート社、2015年3月23日、195頁。ISBN 4845914506。
- Harrison, Charlels、Wood, Paul 編『Art in Theory 1900 - 2000: An Anthology of Changing Ideas』Wiley-Blackwell、2002年10月22日、1288頁。
関連項目
外部リンク
現代美術
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「芸術における膣と外陰部」の記事における「現代美術」の解説
1966年、フランスの芸術家ニキ・ド・サンファルは、ダダイストのジャン・ティンゲリー、パー・オロフ・ウルトヴェット(スウェーデン語版)らと共同で、ストックホルム近代美術館からの依頼によって《ホン―エン・カテドラル》("hon-en katedral"あるいは"Hon-en-Katedrall"、「彼女 ― 大聖堂」の意)と題した巨大なインスタレーション作品を制作した。外観は、女性が寝そべって股を開いているというもので、美術館の来場者は扉ほどの大きさに作られた女性器型の入口から作品内部を胎内巡りできるようになっていた。サンファルによると、豊穣の女神であるこの彫像は、胎内に観客を受け入れて彼らを「産み直す」ことができた。内部にはグレタ・ガルボの映画を映すスクリーンや金魚の池、ソフトドリンクを売る自動販売機、ミルク・バーが設置されていた。この作品は世界中の雑誌や新聞で大きな反響を呼んだ。 1974年から1979年にかけ、フェミニスト・アーティストのジュディ・シカゴは《ディナー・パーティー》と題する女性器をテーマにしたインスタレーションを制作した。この作品は、三角形状の長机に準備された、39人分の精緻なプレース・セッティング(テーブルセッティング)で構成されており、ゲストとしてイシュタル、カーリー、皇后テオドラ 、アリエノール・ダキテーヌ、ヴァージニア・ウルフ、スーザン・B・アンソニー、ソジャーナ・トゥルースなど、神話や歴史上で有名な女性39名をパーティーに招いたという想定で作られた。それぞれの供されたプレートには、ソジャーナ・トゥルースに対応するもの(唯一はっきりと女性の顔が描かれている)のほかは、全てが美麗で鮮やかな色合いの、左右に開かれた女性器状の装飾が施されている。この作品は、美術界からの反発をよそに6カ国16会場を巡回し、1500万人の観客を動員した。2007年からは、ニューヨーク、ブルックリン美術館のエリザベス・A・サックラー・センター・フォー・フェミニスト・アート(英語版)に常設展示されている。作者のシカゴは、この《ディナー・パーティー》の一番目に付きやすい席にジョージア・オキーフを配置している(席次は地母神から始まりオキーフで終わり、この両者は角を境に隣り合っている)。これは、シカゴら近代のフェミニストたちにとって、《黒いアイリス(英語版)》のようなオキーフの描く精緻な花の絵は女性器の隠喩であったからだ。ただし、前述の通り、オキーフは一貫して彼女の絵画作品がフロイト的な解釈をされることを拒んでいた。 アメリカのポルノ女優でアーティストのアニー・スプリンクルは、1980年代に自身の女性器をパフォーマンスとして用いる「孔鏡頸発放送(英:"Public Cervix Announcement"、公共広告[public service announcement]のもじり)」を発表し、1990年代にツアーショウ「潤艶モダニスト(英:"Post-Porn Modernist")」でふたたび披露した。この演目は、スプリンクルが段差の低いステージでリクライニングチェアに仰向けで寝そべり、膣にクスコを挿入して観客に子宮頸部を見せるというものである。2018年にイギリスとオーストラリアの癌支援者団体がこの演目のタイトルを採り上げて、子宮頸癌早期発見のためのパップテスト広報キャンペーンに使われた。 近代美術における女性器の表現は、18世紀の解剖学と同定作業と同時に始まった(解剖学者ウィリアム・ハンターら)。フェミニストからの観点では、戦後から本格的に始まった現代美術は、女性器に対する男性中心的な見方と女性の従属性についてのステレオタイプな位置づけを再検討し、解体してきた(アナ・メンディエタ、エンリケ・チャゴヤ(英語版)、ヴィク・ムニス(英語版)、キャンディス・リン(英語版)など)。 イヴ・エンスラー構成、1996年初演の『ヴァギナ・モノローグス(原題:"The Vagina Monologues")』は女性のセクシュアリティを公共の場で話せる話題にすることに貢献した。一連の脚本は200人以上の女性の独白に基づいている。発表当初、それぞれの独白は全てエンスラー1人で演じられたが、のちの公演では3人、最終的には一人一役の構成に落ち着いた。それぞれのモノローグは女性としての経験を通じたできごとを扱っており、性行為、愛、レイプ、月経、女性器切除、オナニー、出産、オーガズム、女性器のさまざまな呼称、あるいは単に身体の物理的側面としての問題に触れている。作品全体を通して繰り返されているテーマは、女性のエンパワーメントの道具としての膣、そして本質的な個性の具体化としての膣である[リンク切れ]。 イングランド南東部ブライトンを拠点に活動するジェイミー・マッカートニー(英語版)は数十人分の本物の女性器からとった鋳型をいくつも使用して作られた"Great Wall of Vagina"を制作し、国籍、人種、年齢を問わない幅広い女性器のバリエーションを見せている。 2001年10月22日、テレビのシットコムコメディ番組『HEY!レイモンド』のあるエピソードで、登場人物のひとりのマリーが教会オークションのために抽象彫刻を制作するが、それはいわゆる「不適切」な見た目であった。他の登場人物にも視聴者にもそれがなんであるかは明白ではあったが直接的な言葉は用いられることはなかった。 アイダン・サラホバ(英語版)はアゼルバイジャン系ロシア人の芸術家であり、ギャラリスト、公人でもある。2011年に彼女の作品である"Black Stone"について、ケイト・デイムリングは「ヴェネツィア・ビエンナーレのアゼルバイジャン館で女性器アート隠される 人々を悲しませる検閲」と題した記事で、サラホバの彫刻作品《黒石》、「イスラム教徒が崇拝するメッカの黒石を模した彫刻」と、「それをカバーする女性器のような大理石の枠はどちらも覆い隠されていた」と述べている。サラホバは第54回ヴェネツィア・ビエンナーレのアゼルバイジャン館に国代表と参加していたアーティストの1人であった。アゼルバイジャン文化省の許可を得て出展されていた彼女の2点の作品は、「世俗的イスラム国家という評判に対して敏感な政府のせいで」、開場前日に撤去を命じられた 。政府関係者の説明によれば、作品は輸送中に損傷していた。パビリオンのキュレーターであるベラル・マドラはこの問題について、政府側が撤去された彫刻のコンセプトを誤解していたと述べ、自身の25年以上に渡るキュレーションキャリアで「このような紛争を経験したことはなかった」と付け加えている。 2012年、Facebookに投稿された、ギュスターヴ・クールベが1866年に制作した《世界の起源》の画像が法的な論争を巻き起こした。フランスの教師がこの絵画をFacebook上に公開すると、運営側はこの画像をポルノと判断し、利用規約に違反しているとして彼のアカウントを停止した。ハフィントンポストはこの絵を「率直な女性器のイメージ」と評した。《世界の起源》は美しく、見事で、「--フランス写実主義の礎」だったと評価した、雑誌スレート(英語版)のマーク・スターンは、後日Facebookを訴えた教師は運営によって、伝えられるところによれば表現の自由を侵害されたと主張している。 「Facebookへの批判」も参照 2013年、写真家のフィリップ・ワーナーによって、モノクロのコーヒーテーブルブック(英語版)"101 Vagina(英語版)"が、トニ・チャイルズ(英語版)の序文付きで制作・出版された。この写真集には、扇情的ではないタッチで撮られた101枚の下半身のヌード写真に、それぞれのモデル女性が自身の女性器について語った話やメッセージが添えられている。本に収められた写真と話は2013年にオーストラリアで5回展示され、2014年にはアメリカ合衆国とカナダで6つの都市で巡回展が開かれた。ワーナーは上述の『ヴァギナ・モノローグス』に触発されて制作を始めた。被写体となったモデルたちは、ワーナーが女性器についての教育的・祝祭的目的で制作する旨を公表してからSNS上で集められた。写真に添えられたストーリーは、加齢や妊娠、ブラジリアンワックス、破瓜、理想とは違う自身の身体像についてなど、数多くのテーマを扱っている。シドニーのアートフェスティバル、シドニー・フリンジ(英語版)で開かれた展覧会では、警察が表通りから写真が見えているという通報を受けて同イベントを訪れた。のちに、当局は運営側に対して公開継続のための検閲を行うよう要求した。 レナ・マルキース(英語版)はロシア系アメリカ人の視覚芸術家・パフォーマンスアーティストである。彼女の作品にはセックスワークと検閲を題材にしたものが多く、それらがもつ物議を醸すような扇情性から批判的な反響を度々呼んでいる。2014年、マルキースはアート・バーゼル・マイアミ会場、ヴェクター・ギャラリー(英:VECTOR Gallery)で"Body As Commodity"と題したインスタレーションを行った。この会場作品で、彼女は膣内で携帯の充電をするパフォーマンスをしていたが、12月3日にR&B歌手のアッシャーが会場で実際に携帯を充電をしたことで、インスタレーションはアート・バーゼル期間中の一大トピックとなった。ヴェクター・ギャラリーは、アメリカのギャラリストであり自身も視覚芸術家であるJJ ブライン(英語版)によってキュレーション・運営されており、論争の的となるような悪魔的なイメージを用いることで耳目と批判を集めている。ブラインとマルキースは以前、性愛とサタニズムをモチーフとした短編映画『訪問者(英:"The Visitor")』を共同制作していた。ブラインは脚本を担当し、マルキースは作中でマリアに扮しつつエジプトでの大量女性器切除についての解説としての家父長制の詩を唱えながらナイフの柄でオナニーをしている。 ろくでなし子こと五十嵐恵は、彼女によれば日本で男性器に比べ「隠されすぎている」女性器を主題とした作品で、注目されている。2014年7月、ろくでなし子は、自身の外陰部の3Dデータをクラウドソーシング・キャンペーンの参加者に違法に配布したとして逮捕された 。彼女はまた、女性器をテーマとした彫刻も制作している。警察はろくでなし子の膣や女性器に関する作品は取り締まる一方、かなまら祭のような、巨大な男性器の像を神輿で担ぐ祭は容認している(なお、大縣神社の祭りに見られるとおり、宗教的な動機である場合については公共の場で女性器像を設置することが認められている例も存在する)。 「わいせつ物頒布等の罪」および「レスリー・キー」も参照 2015年、ターナー賞受賞アーティストのアニッシュ・カプーアはヴェルサイユ宮殿の敷地内に設置するための作品として、《ダーティー・コーナー》と題する、割れた石の上に置かれた巨大な鋼鉄製の漏斗状の構造物を制作・発表した。作者のカプーアによれば、(名指しで言及したわけではないが)これはマリー・アントワネットの女性器を暗示したものであった。この作品は論争を呼び、後日反ユダヤ主義者の王党派によって石と漏斗が汚された。
※この「現代美術」の解説は、「芸術における膣と外陰部」の解説の一部です。
「現代美術」を含む「芸術における膣と外陰部」の記事については、「芸術における膣と外陰部」の概要を参照ください。
「現代美術」の例文・使い方・用例・文例
- 我々は3年ごとの現代美術展、横浜トリエンナーレを訪れた。
- 彼は現代美術についての面白い放送をした。
- 同じように現代美術の寓意的手順に関して捧げられたエッセイにおいて、バックローは6人の女性芸術家について議論している。
- 私は現代美術には全く興味がない。
- 私は、昨年東京で催された現代美術館には、すべて出かけました。
- 現代美術は私にはほとんど意味がありません。
- 現代美術は19世紀の慣習とはすっかり変わっている。
- トムは現代美術を見る目がある。
- 現代美術.
- プライマリーストラクチャーズという,現代美術の表現傾向
- プリミティーフという,現代美術の様式
- 新しいおまけは,日本の現代美術アーティストの第一人者である,村上隆(たかし)氏による作品のミニチュアフィギュアだ。
- 彼の作品の1つ「Miss Ko2」は,クリスティーズのオークションで,日本の現代美術作品に支払われた今までで最高額の約6800万円の値がつけられた。
- あらゆる年代の人々が来館し,さまざまな方法で現代美術を楽しんでいる。
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