じゅう‐でん【充電】
充電
2次電池に電気を蓄えること。自動車には、何度も充放電を繰り返すことができるバッテリー(2次電池)が使われるが、エンジンにより駆動されるオルタネーターで発電した交流を整流し直流に変換してバッテリーに蓄える。EVの場合はコースティング状態においてモーターが発電機と化し、運動エネルギーや位置のエネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリーに蓄える。なお、バッテリーは直流であるため充電時には直流を使用する。自動車においてバッテリー上がりは致命的であるため、充電状態を運転者に知らせる警告灯や電圧、電流計が装着される。
充電
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/22 17:58 UTC 版)
充電(じゅうでん)とは、二次電池やコンデンサなどに電圧を加えてエネルギーを蓄えること。印加あるいは課電ともいう[1]。対義語は放電である。
通電の有無を意味することもあり、国際電気標準会議のIEC61936-1では充電部(live part)を「通常の使用状態で電気が通じているところ」と定義する[2]。充電の有無を確認する用具として検電器がある[2]。この意味については電気保安操作を参照。
二次電池の充電

充電は電圧を加えることで、特に二次電池では放電と逆方向に電流を流すことをいう[3]。電池のうちマンガン電池やアルカリ電池のように一度切りしか使えない電池を「一次電池」、充電して繰り返し使うことができる電池を「二次電池(蓄電池)」という[4]。
二次電池を充電しすぎることを過充電という。最大充電電圧を越えて充電しようとすると、電池が劣化したり破壊に至ったりする危険性もある。
接触充電と非接触充電
ケーブル等を使う接触充電とそれ以外の非接触充電があり、非接触充電には電磁誘導、磁界共鳴、マイクロ波などの方式がある[5]。
サイクル充電とスタンバイ充電
充電の方式はタイミングによってサイクル充電とスタンバイ充電に分けられる[6]。
サイクル充電
サイクル充電はある程度放電してから充電するもので、残量が少ない状態では大きな電流で充電し、充電が進むとともに電流を少なくする充電法である[6]。
- 定電圧充電 - 公称電圧の1.2-1.3倍の一定電圧で充電する方法で、始めは大きな電流で充電が進むと電流が少なくなるため効率が良い[6]。過充電は避けられるが、充電初期に電流が大きくなりすぎて劣化を招くことがある[6]。
- 定電流充電 - 一定電流で充電する方法で充電時間の予測がわかりやすくなるが、過充電のおそれがある[6]。
- 準定電流充電 - 定電流だが充電末期に電流を少なくする方法[6]。
- 定電流定電圧充電 - 充電初期から中期は定電流、充電末期は定電圧にして過充電を防ぐ方法[6]。
スタンバイ充電
スタンバイ充電は電池がすぐに使えるようにフル充電になるよう維持する方法である[6]。
- トリクル充電 - 常時フル充電が維持されるよう、ごくわずかの電流で絶えず充電を続ける方法[7]。鉛蓄電池などには適するが、リチウムイオン電池などでは劣化が進行する原因となる[7]。
- 浮動充電(フロート充電) - 負荷と蓄電池を電源に並列で接続して、蓄電池の自己放電を補うための定電圧を常時掛けておき、満充電の状態を保つ。機器の使用中も充電され、フル充電になるとバイパスにより過充電を避ける[7]。
- パルス充電 - ピーク電流は充電の効率を上げるために一定値以上にするが、平均電流は放電量を補う程度にとどめる[7]。
発火事故
二次電池の初期不良、経年劣化などにより、しばしば電池の発火事故が発生する。
2020年代の中国では電動バイク(電動自転車)の充電中に発火する事故が続出。2020年には上海市だけでも380件を超える火災事故が起き、20人が死亡している[8]。このため政府は屋内で電動バイクに充電することを禁止している[9]。
また、2020年頃には、アメリカのゼネラルモータース製電気自動車、シボレー・ボルトでも充電中の事故が続発。周囲の車や建物も火災に巻き込む危険があることから夜間や屋内での充電を避けるよう周知がなされた[10]。
コンデンサの充電
電気を貯める容量をもつ素子をキャパシタ(広義のコンデンサ)といい[4][11]、誘電体コンデンサと電気化学キャパシタに大別される[11]。
誘電体コンデンサは、セラミックコンデンサ、フィルムコンデンサ、電解コンデンサなど誘電体を組み込んだものをいう[11]。一方、電気化学キャパシタには明確な誘電体層はないが、二次電池と同様に正極と負極があり、電気的挙動が容量性の蓄電デバイスをいう[11]。
派生した表現
静養や保養に専念する、留学や芸術活動を休止するなど、復帰に備えて本来の活動を一時的に控えることを指す慣用句として用いられる例がある。
脚注
- ^ 電気と工事編集部『電気工事基礎用語事典 第2版』オーム社、12頁。
- ^ a b “IEC61936-1 改訂版の解説”. 電気設備技術基準国際化委員会 高圧・特別高圧小委員会. 2023年12月22日閲覧。
- ^ 電気と工事編集部『電気工事基礎用語事典 第2版』オーム社、122-123頁。
- ^ a b “電気の知識を深めようシリーズ6 電気を貯める”. 一般社団法人電気学会. 2023年12月22日閲覧。
- ^ 藤原 栄一郎「非接触充電装置」『電気設備学会誌』第33巻第10号、2013年、763-766頁。
- ^ a b c d e f g h 福田 京平『電池のすべてが一番わかる』技術評論社、102頁。
- ^ a b c d 福田 京平『電池のすべてが一番わかる』技術評論社、103頁。
- ^ “宅配支える電動バイク快走 効率的充電と発火防止が課題”. SANKEI.Biz (2021年2月25日). 2021年10月18日閲覧。
- ^ “中国でまた電動バイク発火 深夜に29台炎上”. テレビ朝日 (2021年10月18日). 2021年10月18日閲覧。
- ^ “シボレー・ボルトEV、立駐では他車両から離れて駐車を=GM”. ロイター (2021年9月16日). 2021年10月18日閲覧。
- ^ a b c d 杉本 渉、白石 壮志「電気化学キャパシタの測定」『Electrochemistry』第76巻第1号、2008年、74-79頁。
関連項目
外部リンク
充電
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「ファイト一発! 充電ちゃん!!」の記事における「充電」の解説
生気を充電対象者に打ち込む行為。通常はパラレルの電柱 (6,600V) よりケーブルを通じて巨大なコンセント状の器具・リフレッシャーを充電対象者へ差し込むことで、生気を回復させる。15.4kVの一次変電所(受電側)からの充電も可能な他、テレビアニメ版ではカーバッテリーからの充電も可能。巨大な電圧を用いるためにインシュレイター・スーツの臀部から伸びているアース線をしっかり地に挿すことが必要で、これを怠ると状況によっては漏電を起こしてしまう(ネオジム社のみ)。
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充電
「充電」の例文・使い方・用例・文例
- 電池を充電する
- 電池はもう充電できた?
- 充電中で
- 1回の充電で70分の連続使用が可能だ
- フル充電したバッテリーがたった1時間でだめになった。
- 電気自動車の充電設備
- それは自動的に充電される。
- 電気自動車とはコンセントに差し込んで充電する自動車で、電気モーターによって動きます。
- どこかで充電できる?
- ただいま充電中です。
- この電池はまだ充電中です。
- 電源を遮断しても充電されている制御回路
- 仕事が遅くなり、早く帰って携帯を充電できなかった。
- 私の携帯電話のバッテリーの充電が切れた。
- あなたはいつでもそれを充電できる。
- それは完全に充電された。
- 私の携帯の充電が切れる。
- 私の携帯の充電切れていた。
- 私はそれを充電器から外す。
- 充電します。
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