充足理由律とは次のような意味ではない
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/30 14:14 UTC 版)
「充足理由律」の記事における「充足理由律とは次のような意味ではない」の解説
充足理由律は因果律をその内に含むが、因果律と同等ではない。それよりもより広い概念である。また充足理由律において議論される「理由」は、別に今 自分がそれを知っている、という必要はない。誰かが知っている必要も特にない。理由があるか、ないか、が問題であり、それを知っているか、知りうるか、はまた別の問題である。また充足理由律における「理由」は、別に自然主義的な理由、科学的な理由が必ずしも前提とされているわけではない。つまり、たとえば上で挙げた永井均のエピソードの例で言うならば、「誰かが念力で理科室の備品を消した」とか「理科室の備品を取っていったのは実は妖精だった」であっても、それはそれで一応理由である。理由があるという意味において、こうした説明は充足理由律を破らない。なぜなら念力であれば念力という理由が、妖精であれば妖精という理由が、そこにはあるからである。もちろんこうした説明はほとんど説得力をもたないが、そのことは理由があるか・ないか、という充足理由律の問題とはまた少し別の問題となる。
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