かなまら祭
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「金山神社 (川崎市)」の記事における「かなまら祭」の解説
かなまら祭(かなまら祭り)は、伝統的な祭りではなく近年観光用に作られた祭りである。 江戸時代に川崎宿の飯盛女(娼婦)達が性病除けや商売繁盛の願掛けを行った「地べた祭」に端を発する。金山神社は明治以降寂れてしまっていたが、昭和40年代くらいから性信仰が残る神社という認識でにわかに外国の民俗学者たちから注目されるようになる。これを受け1977年(昭和52年)に、大学で獣医学を学んでいたという2代前の宮司を中心に新たに金山神社の信者組織として「かなまら講」が結成された。それまで祭事は氏子たちによって細々と行われ午前中で終わるようなものであったが、この年からかなまら講が参加して「かなまら祭」が催され、その一部として江戸時代の「地べた祭」も再現されるようになった。以降男根神輿や仮装行列、大根削りなどオリジナルアイデアによる新しい祭事を取り入れつつ年々祭は盛大に開催されるようになった。当初は好事家の祭か外国人観光者の穴場観光スポットとして知られる程度であったが、偶然訪れたカナダ人の翻訳家によって、祭りは広く海外に紹介され、昭和60年代頃からエイズ除けを祭に結びつけたのが話題となり、多数の観光客が訪れるようになった。現在祭は商売繁盛・子孫繁栄(子授け)・安産・縁結び・夫婦和合などを願い、毎年4月第1日曜日に行われている。2016年(平成28年)は3万人余りが来場し、そのうち6割は外国人だった。京急川崎駅から電車を乗り継がずに、徒歩で3キロメートルほどの道のりを歩いてくる外国人も少なくないという。 神輿の行列は、「金棒 - 若宮祭祀舞 - 道中奉行 - 川崎古式消防記念会 - 大麻 - 塩撒き - 猿田彦(天狗) - 神官 - 御神酒(振る舞い酒) - 総代 - 来賓 - 参加者 - かなまら講 - かなまら舟神輿 - エリザベス神輿 - かなまら大神輿」の順となる。行列中の一般参加者は仮装しており、和服を来て帯刀した観光客も多い。神輿以外にも、神社境内には多数の男根・女陰を模った物事が見られる。大根を削って作る男根形・女陰形は祭事の一環として神前に供えられる。また、男根や女陰の形をした餅や飴細工などが売られている。2015年(平成27年)からは、神社周辺の飲食店などが神社とコラボレーションし、祭にちなんだ特製料理などを販売するようになった。さらに2016年(平成28年)からは、従来境内で出していた飴などの出店を、大師公園のスプリングフェスタ内に移設し、面掛行列が大師公園まで足を延ばしたことにより、境内の混雑も幾分緩和された。
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