バルールとは? わかりやすく解説

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バルール【(フランス)valeur】

読み方:ばるーる

色価(しきか)

「バルール」に似た言葉

バルール

フランス語で、色価と訳す。色と色との相関関係から生まれ色彩効果のことで、相対的な色の濃淡明暗などのつり合い取れていないときに、バルールが狂っているという言い方をする。絵画では、相対的な色の関係が画面中に空間生んでいく作用をするので、自分欲している空間にするためには、常にバルールに注意を払って選ばれなくてはならない

バルール

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/07 04:18 UTC 版)

バルールフランス語 : Valeur)は、造形芸術[1]である絵画制作鑑賞に関わる概念である。絵画の画面における、明暗と位置関係の対応、及び、位置関係の指示の程度をバルールと呼ぶ。

バルールは、色価(しきか)と訳される。Valeurに対応する英語Value(バリュー)であり、価値評価明度等の意味がある。Valueは色価の意味でも使用される。

内容

実際に複数のを並置すると、それぞれの色の明暗に応じて、一方が他方より前進ないし後退して見える。その程度は相互の明度差、面積、当該色それぞれの構成方法とその関係性などによって変化する。それ故例えば、明度のみによって判じることは出来ない。この視覚効果は、絵画の画面における形象の前後関係、遠近関係、位置感の指示・表現に応用できる。このとき、明暗と位置関係の対応、及び、位置関係の指示の程度をバルールと呼ぶ。そして、明暗と位置関係の対応・位置関係の指示が適切である場合に「バルールが合っている」、明暗と位置関係の指示・対応が不適切である場合に「バルールが狂っている」などと言い、造形要素の実効若しくは絵画自体の適切性や価値の判断に用いる。絵画造形の根幹であるとされる場合も多い。

しかしながら、絵画を制作した本人には「バルールが合って」見えていても、間主観的には「バルールが狂っている」という事態もしばしば成立する。この事態は、初学者や年齢を重ねてから絵画制作に取り組んだ人に多く成立する。現代では、作家それぞれの経験も関係するとされ、バルールの相貌を捉えることは困難であるとも言われる。また、絵画鑑賞に慣れていない人にとっては、作家自身によって若しくは作家間で使用されているような意味・程度でバルールを把握するのは困難であるようで、作家の了解するところのバルールについて話しても理解されないというような場面も見受けられる。現実的には、バルールは全ての人が与り知るところのものではないし、すべての画家が的確なバルールを構成出来るわけでもない。また、レオナルド・ダ・ヴィンチペーテル・パウル・ルーベンスレンブラント・ファン・レイン等、いわゆる巨匠のバルールは卓抜である。

出典

  1. ^ 『広辞苑 第五版』新村 出 岩波書店 1998/11 ISBN 4000801120 ISBN 978-4000801126

参考文献

  • 『カラー版 絵画表現のしくみ―技法と画材の小百科』森田 恒之監修 森田 恒之ほか執筆 美術出版社 2000.3 ISBN 4568300533
  • 『広辞苑 第五版』新村 出 岩波書店 1998/11 ISBN 4000801120 ISBN 978-4000801126

関連項目



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