あみてん 【網点】
網点
【英】halftone dot
網点とは、印刷物において色の濃淡を表現するために用いられるドットの集合のこと、または、個々のドットのことである。
網点は、印刷物上の写真などで擬似的に塗りつぶしを行うために用いられる。網点同士の間隔や各ドットの大きさを任意に調整することで、同じ色でも濃淡の違いを表現することが可能である。網点の間隔を狭く、点を大きくすれば、色は濃く見え、逆に間隔を広く点を小さくすれば、色が薄く見える。濃い色を表現する際、網点のサイズは小さいまま、網点の集合密度を高くすることによって、より高品質な印刷を行うことができる。
カラー印刷は通常、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)によるCMYKのインキで構成されている。CMYKそれぞれの色の網点を重ねることで、さまざまな色彩の表現が可能となっている。
各色の網点は、単に重ねるだけでは、モアレと呼ばれる意図しない模様が浮き出てしまうことがある。そこで、各色の網点の並ぶ方向に角度を付けることでモアレの発生を回避する手法がとられる。
ページ記述言語: | PostScript PCL VoiceXML |
印刷: | 網点 網かけ アートコート紙 エレクトロニックインク |
網点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/08 02:04 UTC 版)
網点(あみてん)またはハーフトーン(英: Halftone)とは、グレイスケールやカラーの画像を限られた色数(例えば、白い紙上の黒い点など)の小さな点のパターンで表すことで印刷可能にしたものである。印刷は紙の上の各点について、インクを置くか、紙をそのままにしておくかという二値状態で情報を表す。つまり、基本的には二値画像だけが印刷可能である。しかし、網点技法により、連続した色調の画像を再現することが可能で、グレイやカラーの様々な陰影の画像を印刷できる。グレイ階調の網点では基本的に白い背景の上に黒い小さな点のパターンを並べる。十分な距離からこれを見ると、点が非常に小さいため、人間の眼ではその点を識別できず、灰色であるかのように見え、黒い点と白い背景の面積の割合によってその部分の明るさが決まる。例えば、多数の黒い点や大きめの黒い点がある場合、暗い灰色に見え、黒い点が少ない場合や小さめの点だった場合には明るい灰色に見える。
網点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/28 01:47 UTC 版)
詳細は「網点」を参照 モノクロ網点、45°スクリーン 同じ写真のカラー/CMYK網点 写真に連続階調があるのに対し、凸版印刷、平版印刷では白黒の場合、白と黒の2階調しか出力できない。そこで網点(ハーフトーンドット)の大小によって写真の濃淡を表現している。(網版法) この手法が印刷に用いられるようになったのは、ドイツのマイゼンバッハらの発案を元に、1886年、アメリカのレビー兄弟が網スクリーンの実用化に成功したのが始まりである。 製版には黒と白しか出ない超硬性のリスフィルムが使用される。フィルムの前に一定の距離を空けてコンタクトスクリーン(網スクリーン)を置く。このスクリーンは格子状に光が透過する模様が入っており、写真の濃淡を黒い網点の大小に置き換えてリスフィルムに焼き付ける効果を持つ。こうして作られた網ネガが製版フィルムとなる。 なお、網の細かさは「網点の数/インチ」で表わされ、それをスクリーン線数という。新聞などインキのにじみやすい紙質のものは85線(1インチに85個の網点)、一般書籍は100線、写真中心の画集などは175線といった具合である。 凸版ではこうしてできた製版フィルムと亜鉛版(もしくは銅版)に感光剤を塗布したものを組み合わせて露光する。感光した部分だけが硬化して残り、他の部分が洗い落とされる。この亜鉛版を塩酸で腐食させることで感光した部分だけが凸状に残った写真版(網版)が出来上がる。活字と写真版から組版により印刷に用いる原版が出来上がる。 オフセット印刷に代表される平版でも基本的な原理は同じである。文字原稿から写植あるいは電算写植により版下が作成され、写真はコンタクトスクリーンによる露光によって網ネガが作られて、文字版下と組み合わされ網ポジが作られる。この網ポジがPS版に焼き付けられて製版される。 同人誌などをオフセット印刷に回す場合、濃淡部分は事前に網点化(網掛け/網入れ)しておくと料金が安く済むことが多い。個人用のプリンターで印刷したものの場合、既にこの処理は行われている。 カラー写真の場合、製版時にCMYK各色用フィルターを用いるなどして4色分解を行い、それぞれの色に対応した版を作る。この時用いる網スクリーンは格子の角度をそれぞれの色ごとに10~15度ずつずらしたものを使い、モアレの発生を抑制している。 2015年現在、商業印刷で主流のオフセット印刷では最新のCTPダイレクト刷版により製版フィルムが不要になっているケースがある。CTPによって写真は電子的に色分解や網点化が行われるため、スクリーンを使った光学的な置換はもはや行われない。
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