悲劇性とは? わかりやすく解説

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悲劇性

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悲劇性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 04:28 UTC 版)

三島由紀夫」の記事における「悲劇性」の解説

憂国』や『春の雪』に顕著であるジョルジュ・バタイユ的な生と死合一といったエロティシズム観念禁止侵犯聖性顕現)は、三島耽美的憧憬とも重なるものであるが、それは三島の「日本回帰」や「時代禁忌」でもあり、神聖天皇絶対空無超越者)を夢見るという不可能性の侵犯秘めたロマン主義イロニーでもあった。当時左翼的知識人たちに対する「反動イデオローグ」として、三島は「危険な思想家」(山田宗睦名付けた)と問題視されまた、野口武彦からは、その〈抽象的情熱〉を、ドイツ・ロマン派や、三島少年時代培った日本浪曼派通ずるロマンチック・イロニーと呼ばれていた。 近代では禁忌である天皇中にこそ、「近代」をのり超える絶対〉を垣間見ていた三島は、バタイユについて以下のように語り、死の1週間前に行なわれ対談の中では、〈バタイユは、この世でもっとも超絶的なものを見つけだそうとして、じつに一所懸命だったんですよ。バタイユは、そういう行為通して生命全体性回復する以外に、いまの人間救われないんだと考えていたんです〉と述べている。 人間の神の拒否、神の否定必死叫びが、実は“本心からではない”ことをバタイユ冷酷に指摘する。その“本心”こそ、バタイユのいはゆる“エロティシズム”の核心であり、ウィーン俗悪な精神分析学者などの遠く及ばぬエロティシズム深淵を、われわれに切り拓いてみせてくれた人こそバタイユであつた。 — 三島由紀夫小説とは何か 七」 こういった三島思考は、反キリストニヒリストであるフリードリヒ・ニーチェが『ツァラトゥストラはこう語った』で「超人」を招来したイロニー等価であり、ニーチェ『悲劇の誕生』三島文学大きな影響与えている。ニーチェ待望した「英雄」「ディオニュソス」的なものは、三島にとって『蘭陵王』の〈獰猛な仮面〉と〈やさしい顔〉を持ち蓮田善明の〈薩摩訛りの、やさしい目をした、しかし激越慷慨家〉、特攻隊の〈人間至純の魂〉、澄んだ独楽』の〈透明な兇器〉、『奔馬』の飯沼勲の〈荒ぶる神〉、『椿説弓張月』の源為朝など、純一無垢イメージ秘め、悲劇性を帯びた美的存在としてある。

※この「悲劇性」の解説は、「三島由紀夫」の解説の一部です。
「悲劇性」を含む「三島由紀夫」の記事については、「三島由紀夫」の概要を参照ください。

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