ふ‐けいき【不景気】
不景気
収載図書オールドパンク、哄笑する―チャールズ・ブコウスキー短編集
出版社ビレッジプレス
刊行年月2001.6
景気後退

景気後退(けいきこうたい)やリセッション(英: recession)とは、景気循環の局面のうち、景気が下降している状態を言う。景気循環の考え方によって、1つの循環を2局面(景気拡張期、景気後退期)と4局面(好況、後退、不況、回復)で分割する考え方があるが、2局面で考えた場合の景気後退期、4局面で考えた場合の後退と不況[注釈 1]がこれにあたる。半衰退期とも言う。
概要
景気後退とは、上述の通り景気が下降している状態を言う。より状態が悪いものを不況(不景気)と言い、一般的にはこちらのほうが馴染み深い用語である。さらに深刻な状態にあることを恐慌と言う。
景気後退の定義は考え方によって様々であるが、日本の場合は明確な定義はない[1]。その他、以下のような定義がある。
- 伝統的なマクロ経済学(テクニカル・リセッション)
- 一年のうち、ある国の実質国内総生産が2四半期以上連続して減少(対前期比)したとき。欧州ではこれをリセッションの定義として採用している[2][1]。(ただし、これは日本ではあまり一般的な考え方ではない)。
- 全米経済研究所
- 重要な経済活動の衰退が経済全体に広がり、それが数カ月以上続いているとき。
米国では、1947年のテクニカル・リセッションは景気後退に認定されなかったが、1949年~2021年の間にテクニカル・リセッションが10回発生し[3]、全て景気後退に認定された[4]。逆にテクニカル・リセッションが発生しなかった景気後退は1947年~2021年の間では1960年と2001年(ITバブル)の2回(ただし、どちらも、連続ではないが実質GDPのマイナス成長が複数回発生している)。[5]
影響
経済学者のギウリアーノ(en:Paola Giuliano)とスピリンバーゴ(Antonio Spilimbergo)は、2014年に「en:The Review of Economic Studies」で発表した論文で、アメリカのデータを基に、若い頃の不況経験が、価値観に影響を与えることを実証的に明らかにしている[6]。18-25歳の間に不況を経験するかどうかで、その世代は価値観に大きな影響を受けるとしており、この価値観は、その後年齢を重ねてもほとんど変わらないとしている[6]。
石橋湛山は不景気とは、富の唯一の源泉である労働を有効に利用しないことを意味することから「人間社会最大の罪悪」であると述べている[7]。
脚注
注釈
- ^ ただし、後退のみをいう場合もある。
出典
- ^ a b 「リセッション」 - ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、2014、 Britannica Japan。
- ^ 欧州ではリセッションはどう定義されるか
- ^ Real Gross Domestic Product (A191RL1Q225SBEA) | FRED | St. Louis Fed
- ^ US Business Cycle Expansions and Contractions | NBER
- ^ 米国は景気後退に入った? 論争過熱、判定に平均7カ月: 日本経済新聞
- ^ a b 大竹文雄『競争と公平感-市場経済の本当のメリット』中央公論新社〈中公新書〉、2010年、18頁。
- ^ 岩田規久男編著『昭和恐慌の研究』東洋経済新報社、2004年、85頁。
関連項目
不景気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 06:31 UTC 版)
「ロシア史 (1991年-現在)」の記事における「不景気」の解説
当初の混乱や早期の市場化の高い高揚感が過ぎると、ロシアの経済は、台無しにされた改革努力や世界的に低価格商品の為に1990年代半ばまでに深刻な不景気に陥った。ロシアの経済は、更に商品価格が再び上昇し始める1999年-2000年の並の回復を経験する前の1998年の金融暴落に見舞われた。ロシア政府の統計によると、経済減退は世界恐慌が国内総生産に関してアメリカ合衆国であった時よりも更に深刻であった。国内の比較としてソ連崩壊後の経済減退は、第一次世界大戦やツァーリ主義の崩壊、ロシア内戦の当面の結果から生じた経済崩壊に対して深刻さは半分ほどであった。 1990年代初頭の経済崩壊に続きロシアは貧困と経済的不平等の割合が急激に上昇する事態に見舞われた。マクロ経済データと世帯収入と支出の調査の両方を基礎にした世界銀行の推計は、人口の1.5%が後半のソビエト連邦で(月25ドル相当未満の収入と定義される)貧困の中で暮らしていたのに対して、1993年半ばまでに人口の39%から49%が貧困状態で暮らしていたことを指し示している。政府の指標によると、一人当たりの収入は、1998年までに更に15%まで落ち込んだ。 公衆衛生指標は劇的な類似の悪化を示している。ソ連崩壊後の全ての国が経済的混乱により出生率において当面の悪化を経験しているが、このことはロシアで特に切実である。1999年、全人口が約75万人まで減少した。その間に平均余命は女性が1990年の74歳から1994年までに約71歳に下がる一方で男性は64歳から57歳に下がった。健康要因と不自然な原因から(殺人や自殺、事故のように)人口統計的に若者の死ぬ数の増加の両方がこの傾向にかなり寄与した。平均余命の下落に密接に関わりながら、主に医療が最早貧しい人にとって安価なものでなくなった為に、1990年代にはアルコール関連死が60%、伝染病や寄生虫病による死が100%の急増加となった[要出典]。2009年現在、平均余命が男性は59歳、女性は70歳に下がっているものの、平均余命は1994年の危機より高くなっている。 ロシアは最早1980年代のソ連に非常に特徴的であった消費財の供給不足を被ることはなくなった一方で(ソビエト連邦の消費財(英語版)参照)、このことは1990年代初期の輸入に対するロシア市場の開放だけでなく1980年代のロシア人の関連する衰退とも関係がなくなった。固定した収入に対してロシア人(労働力の大多数)は、購買力が劇的に減少している現実を見た為に、エリツィン時代には店に良く商品が並んでいた一方で、この店から何か買うとしても、平均的な人々は、現在では殆ど買う余裕がない。2011年までに、近年の緩やかな回復が高い石油価格に相当程度影響されていることに象徴されるように、平均収入は月700ドル以上に上昇している。しかし上昇する収入は、均等に行き渡っているわけではない。社会的不平等は例えば2010年末までに42%に達するようにジニ係数と共に1990年代に急激に上昇した。貧困状態に関する地域間の不釣り合いが高まる傾向が続く一方で、ロシアの収入に関する不釣り合いは、現在(不平等に関して長らく世界の指導的立場ある)ブラジルにほぼ匹敵する酷さである。
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不景気
「不景気」の例文・使い方・用例・文例
- 不景気の間に多くの企業が倒産した
- 不景気のせいで何百万人もが失業している
- 日本経済は不景気から力強く立ち直りつつある
- 世界的な不景気
- 市場は不景気の一途をたどった。
- 不景気のため、A社では、昨年3月から一部で整理解雇が始まった。
- 我々日本人は不景気を経験している。
- 無数の小企業が不景気のときに倒産した。
- 不景気のため失業率は5%にまで上昇した。
- 不景気になってきているみたいね。
- 不景気な夏の期間が過ぎると、商売は活気づいた。
- 不景気なのに依然物価は高い。
- 不景気だと言いつつ、今年のゴールデンウイークに海外旅行をする人は過去最高らしい。
- 商売が不景気になりつつある。
- 経済はやや不景気だ。
- この失業者の増加は不景気の当然な結果である。
- 不景気.
- 不景気だ.
- 不景気な顔をする.
- 不景気(な時).
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