リセッション
recession
「recession」の意味
「recession」は、経済が一時的に縮小し、生産や雇用が減少する状態を指す。一般的には、2四半期連続で実質国内総生産(GDP)がマイナス成長することを指すことが多い。経済の縮小は、企業の収益や個人の所得の減少、失業率の上昇など、さまざまな社会的影響をもたらす。「recession」の発音・読み方
「recession」の発音は、/rɪˈsɛʃən/であり、IPAのカタカナ読みでは「リセション」となる。日本人が発音するカタカナ英語では、「リセッション」と読むことが一般的である。「recession」の定義を英語で解説
A recession is a period of temporary economic decline during which trade and industrial activity are reduced, generally identified by a fall in GDP in two successive quarters. It is characterized by a slowdown in economic activity, leading to a decline in business profits, a decrease in household income, and a rise in unemployment.「recession」の類語
「recession」の類語には、以下のようなものがある。economic downturn
「economic downturn」は、経済が下降局面に入ることを意味し、生産や雇用が減少する状況を指す。contraction
「contraction」は、経済が収縮することを指し、一時的な縮小や減少を表す。slump
「slump」は、経済が急速に衰退することを意味し、市場や産業が低迷する状況を指す。「recession」に関連する用語・表現
depression
「depression」は、経済が長期間にわたって深刻な衰退状態にあることを指す。失業率が高く、物価が低下することが特徴である。recovery
「recovery」は、経済が衰退から立ち直り、生産や雇用が増加する状態を指す。boom
「boom」は、経済が急速に成長し、物価や雇用が上昇する状態を指す。「recession」の例文
1. The global financial crisis led to a severe recession in many countries.(世界的な金融危機が多くの国で深刻なリセッションを引き起こした。) 2. During a recession, companies often cut costs and reduce their workforce.(リセッションの間、企業はしばしばコスト削減や労働力の削減を行う。) 3. The government implemented various measures to combat the recession.(政府はリセッションに対処するために様々な対策を実施した。) 4. The recession had a significant impact on the unemployment rate.(リセッションは失業率に大きな影響を与えた。) 5. Consumer spending tends to decrease during a recession.(リセッションの間、消費者支出は減少する傾向がある。) 6. The economy is showing signs of recovery after a long recession.(長いリセッションの後、経済は回復の兆しを見せている。) 7. The central bank lowered interest rates to stimulate the economy during the recession.(リセッションの間、中央銀行は経済を刺激するために金利を引き下げた。) 8. The recession caused a decline in the housing market.(リセッションは住宅市場の低迷を引き起こした。) 9. Small businesses often struggle to survive during a recession.(リセッションの間、小規模企業は生き残るために苦労することが多い。) 10. The country's GDP growth turned negative, indicating the onset of a recession.(その国のGDP成長率がマイナスに転じ、リセッションの始まりを示した。)リセッション
リセッションとは、経済用語のひとつで「景気後退」という意味のこと。英語では「recession」と表記する。経済学には、「景気は拡張と収縮を数年周期で繰り返す」とする「景気循環」の考え方がある。この景気循環において、景気が好景気から不景気へと下降しはじめている状態をリセッションと呼ぶ。リセッションに入ると株価は下落に転じる傾向がある。
国内の景気がリセッション状態にある、と判断される条件は国ごとに異なる。欧米では一般的に、国内で生産されたモノやサービスの付加価値の合計を示すGDP(国内総生産)が、2四半期つまり6ヶ月連続で前期を下回るとリセッションと判断される。これは「テクニカル・リセッション」と呼ばれている。
一方日本では、内閣府が毎月発表しているDI(Diffusion Index:ディフュージョン・インデックス)をリセッションの基準としている。DIとは景気動向指数のひとつで、企業の人材採用や設備投資などの各経済部門について、3ヶ月前と比較して「景気が良い」と答えた企業の割合から「景気が悪い」と答えた企業の割合を差し引いて求められる値である。日本では、リセッションの状態にある時はDIが50%を下回る傾向があるため、DIが50%を下回る状態が一定期間続くとリセッションであると判断される。
リセッション【recession】
リセッション(Recession)
景気後退
(リセッション から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/04/12 14:58 UTC 版)

景気後退(けいきこうたい)やリセッション(英: recession)とは、景気循環の局面のうち、景気が下降している状態を言う。景気循環の考え方によって、1つの循環を2局面(景気拡張期、景気後退期)と4局面(好況、後退、不況、回復)で分割する考え方があるが、2局面で考えた場合の景気後退期、4局面で考えた場合の後退と不況[注釈 1]がこれにあたる。半衰退期とも言う。
概要
景気後退とは、上述の通り景気が下降している状態を言う。より状態が悪いものを不況(不景気)と言い、一般的にはこちらのほうが馴染み深い用語である。さらに深刻な状態にあることを恐慌と言う。
景気後退の定義は考え方によって様々であるが、日本の場合は明確な定義はない[1]。その他、以下のような定義がある。
- 伝統的なマクロ経済学(テクニカル・リセッション)
- 一年のうち、ある国の実質国内総生産が2四半期以上連続して減少(対前期比)したとき。欧州ではこれをリセッションの定義として採用している[2][1]。(ただし、これは日本ではあまり一般的な考え方ではない)。
- 全米経済研究所
- 重要な経済活動の衰退が経済全体に広がり、それが数カ月以上続いているとき。
米国では、1947年のテクニカル・リセッションは景気後退に認定されなかったが、1949年~2021年の間にテクニカル・リセッションが10回発生し[3]、全て景気後退に認定された[4]。逆にテクニカル・リセッションが発生しなかった景気後退は1947年~2021年の間では1960年と2001年(ITバブル)の2回(ただし、どちらも、連続ではないが実質GDPのマイナス成長が複数回発生している)。[5]
影響
経済学者のギウリアーノ(en:Paola Giuliano)とスピリンバーゴ(Antonio Spilimbergo)は、2014年に「en:The Review of Economic Studies」で発表した論文で、アメリカのデータを基に、若い頃の不況経験が、価値観に影響を与えることを実証的に明らかにしている[6]。18-25歳の間に不況を経験するかどうかで、その世代は価値観に大きな影響を受けるとしており、この価値観は、その後年齢を重ねてもほとんど変わらないとしている[6]。
石橋湛山は不景気とは、富の唯一の源泉である労働を有効に利用しないことを意味することから「人間社会最大の罪悪」であると述べている[7]。
脚注
注釈
- ^ ただし、後退のみをいう場合もある。
出典
- ^ a b 「リセッション」 - ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典、2014、 Britannica Japan。
- ^ 欧州ではリセッションはどう定義されるか
- ^ Real Gross Domestic Product (A191RL1Q225SBEA) | FRED | St. Louis Fed
- ^ US Business Cycle Expansions and Contractions | NBER
- ^ 米国は景気後退に入った? 論争過熱、判定に平均7カ月: 日本経済新聞
- ^ a b 大竹文雄『競争と公平感-市場経済の本当のメリット』中央公論新社〈中公新書〉、2010年、18頁。
- ^ 岩田規久男編著『昭和恐慌の研究』東洋経済新報社、2004年、85頁。
関連項目
「リセッション」の例文・使い方・用例・文例
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