ポスト・ケインズ派経済学
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ポスト・ケインズ派経済学(英: Post-Keynesian economics)とは、ジョン・メイナード・ケインズが著した『雇用・利子および貨幣の一般理論』をもとにして、ミハウ・カレツキ、ジョーン・ロビンソン、ニコラス・カルドア、アバ・ラーナー、ピエロ・スラッファなどの影響を受けて発展してきた経済学の学派である。
- ^ a b c d e f g 鍋島直樹、「ポスト・ケインズ派:『有効需要の原理』を軸に代替理論の構築をめざす」、『これからの経済学:マルクス、ピケティ、その先へ』(経済セミナー増刊)、日本評論社、66-67頁、2015年。
- ^ 泉正樹 『貨幣の本源的概念についての覚書』, 東北学院大学経済学論集 (180), 2013-03, p17-18
- ^ Lavoie, Marc "What post-Keynesian economics has brought to an understanding of the Global Financial Crisis" July 2015, p.9
- ^ 宇仁宏幸・大野隆(訳)、マルク・ラヴォア(著)『ポストケインズ派経済学入門』、ナカニシヤ出版、2008年、4-16頁。
- ^ 前掲書、16-21頁。
- ^ 宇仁宏幸・大野隆(訳)、マルク・ラヴォア(著)『ポストケインズ派経済学入門』、ナカニシヤ出版、2008年、p.27-29
- ^ a b ビル・ジェラード「原理主義者のケインジアン(Fundamentalist Keynesians)」、J.E. キング『ポスト・ケインズ派の経済理論』、多賀出版、2009年、179-184頁。
- ^ それぞれ、
Lawson,T.,"Uncertainty and Economic Analysis," Economic Journal,95(380),909-24,1985,
Carabbli,A.,On Keynes's,.Method, Macmillan, 1988,
Fitzgibbons, A., Keynes's Vision, Clarendon Press, 1988,
O'Donnell, M., Keynes: Philosophy, Economics and Politics, Macmillan, 1989。 - ^ a b ヤン・トポロウスキー「カレツキの経済学(Kaleckian Economics)」、J.E. キング『ポスト・ケインズ派の経済理論』、多賀出版、2009年、72-76頁。
- ^ 鍋島直樹『ケインズとカレツキ』、名古屋大学出版会、2001年10月、p.145
- ^ 宇仁宏幸、坂口明義、遠山弘徳、鍋島直樹(著)『入門 社会経済学』(第1版)、ナカニシヤ出版、2004年、p.5
- ^ Sraffa, P.Producton of Commodities by Means of Commodities, Cambridge University Press, 1960.
- ^ a b ゲーリー・モンジオッヴィ「スラッファの経済学(Sraffian Economics)」、J.E. キング『ポスト・ケインズ派の経済理論』、多賀出版、2009年、267-271頁。
- 1 ポスト・ケインズ派経済学とは
- 2 ポスト・ケインズ派経済学の概要
- 3 歴史
- 4 ポストケインズ派の経済学者
ポスト・ケインズ派経済学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 13:48 UTC 版)
「現代貨幣理論」の記事における「ポスト・ケインズ派経済学」の解説
市場均衡理論を前提とし、第二次世界大戦後に主流となったアメリカンケインジアンや、新古典派のミクロ経済学の理論を基礎にし、1980年代に登場して主流派経済学として認知されたニュー・ケインズ派とは異なり、ケインズの貨幣概念(信用貨幣論)に従い、不確実性を問題の中心に据えて経済を論じてきたポスト・ケインズ派経済学は、独特の理論的発展が進められてきた。 民間金融資産は、国債発行の制約とはならない。財政赤字はそれと同額の民間貯蓄を生み出す。 政府は、自国通貨発行権を有するので、自国通貨建て国債が返済不能になることは、理論上あり得ないし、歴史上も例がない。政府は、企業や家計とは異なる。 財政赤字の大きさ(対GDP比政府債務残高)などは、財政危機とは無関係である。 財政赤字の大小を判断するための基準は、インフレ率である。インフレが過剰になれば、財政赤字は縮小する必要がある。デフレであるということは、平成日本の財政赤字は少なすぎるということ。 税は、財源確保の手段ではない。税は、物価調整や所得再分配など、経済全体を調整するための手段である、 ポスト・ケインズ派経済学の中には、金融不安定性仮説を提唱したハイマン・ミンスキーやその弟子のL・ランダル・レイも含まれる。レイは、国定信用貨幣論を基礎に、ケインズのマクロ経済学とラーナーの機能的財政論を統合し、MMTを提唱した。
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