国際経済学とは? わかりやすく解説

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こくさい‐けいざいがく【国際経済学】

読み方:こくさいけいざいがく

国家間行われる経済取引対象とする、経済学一分野。商品・サービス取引を扱う国際貿易論と、金融資産取引を扱う国際金融論大別される


国際経済学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/01 15:04 UTC 版)

国際経済学 こくさいけいざいがく: international economics)は、国家間の経済活動を分析対象とする経済学である。ミクロ分野とマクロ分野に大別される。貿易論が前者であり、前者のみを指して国際経済学と区分する場合もある。近年、独占的競争モデルの貿易論での使用の変種として空間経済学が生まれた。一方、国際金融論、国際マクロ経済学が後者である。

貿易論

貿易理論には、比較優位概念を生み出したリカード・モデルの他、ヘクシャー・オリーンの理論(HO理論)、その変種としてのHOV理論、産業内貿易を説明する新貿易理論、異質企業の存在の帰結を分析する新々貿易理論などがある。

国際金融論

為替レートの決定理論としては、古典派の絶対購買力平価説、ケインジアンの資産動機選択説(アセットアプローチ)に二分される。マクロ経済学と同様に長期においては前者、短期においては後者が当てはまるとするのが通説である。 購買力平価説によれば、長期的には実物変数の影響が無効であるとすると二国間の貨幣供給量によって、為替の強弱が決まる。 アセットアプローチによれば、金利平価による裁定、すなわち二国間の利子率の高低によって、為替の強弱が決まる。

これらを踏まえたモデルとして、マンデルフレミングモデル、IS-LM-BPモデル、AA-DDモデル(Krugman and Obsfeld, 2004)などがある。 マンデルフレミングモデルでは、小国開放経済、国内外の資産の完全代替性、スポットレートと現在の為替レートが等しいなどといった種々の仮定を置いた上で理論を簡略化している。AA-DDモデルは、アセットアプローチの仮定する外国為替市場、PPPに加え、実物為替レートという概念に着目して、貨幣市場と生産物市場双方の影響を加味して名目為替レートが決定されるとする為替-所得決定モデルである。 以下政策の効果である。

固定相場制での政策効果
外貨との交換比率を固定化する固定相場制の下では、金融政策は効果が弱いが、財政政策は効果が強いとされる。
変動相場制での政策効果
外貨の需給で交換比率が決まる変動相場制の下では、財政政策は効果が弱いが、金融政策は効果が強いとされる。

他の理論として以下のものがある。 二国間の物価差を生産性格差で説明する、バラッサ・サミュエルソン(Balassa-Samuelson)定理がある。 通貨危機のモデルとしては、ポール・クルーグマンの第1世代モデル、第2世代モデルが存在する。 ゲーム理論も国際協調の失敗を説明する上で使用される。

学術雑誌

  • Journal of International Economics英語版
  • Journal of International Money and Finance英語版
  • World Economy英語版

関連項目


国際経済学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 04:22 UTC 版)

経済学上の未解決問題」の記事における「国際経済学」の解説

国境パズル: 貿易相手国の経済的規模やそれらの間の距離などの要因考慮されても、国際貿易の方が国内貿易よりも圧倒的に小さいという実証的事実のこと。様々な説明試みられている。 エクイティ・ホーム・バイアス・パズル: 多くの国の個人投資家機関投資家は、外国株式購入して分散化されたポートフォリオ持てるにもかかわらず、ほとんど自国株式しか保有しないという事実のこと。外国市場に関する情報を得ることが難しいことなど、いくつかの説明存在するが、多く反論されてきた。 バッカス=キーホー=キドランドの逆説: 国家間時系列消費相関が、国家間時系列生産相関より小さいこと。国際的なリスクシェアリングのある2国モデルでは、生産相関の方が消費相関よりも小さくなり、実証的事実説明できないため逆説呼ばれるフェルドシュタイン=ホリオカの逆説: OECD諸国のクロスセクションデータの貯蓄率投資率が高い相関を持つこと。開放的な国際金融市場では、貯蓄資本限界生産性が高い国に流れるため、投資率と貯蓄率相関小さくなるはずであることから逆説呼ばれるパズル説明することを試みた論文多く書かれている購買力平価のパズル: 何らかのショック起こって購買力平価示唆する実質為替レート実際実質為替レートの間に乖離生じたとき、乖離短期的に消滅せず長期間存在すること。このパズル解決する1つ方法として、金融ショック実質的な効果もたせることである。しかし、そのような効果もたせると、実質為替レート実際動き説明できる名目価格の粘着性モデル入れることが難しくなる為替レート断絶パズル: 為替レートと他のマクロ経済変数相関が弱いこと。為替レート自国通貨外国通貨相対価格であり、重要な経済変数であるにも関わらずマクロ経済ファンダメンタルズとほぼ相関がないというのは驚くべきであり、逆説的と言える

※この「国際経済学」の解説は、「経済学上の未解決問題」の解説の一部です。
「国際経済学」を含む「経済学上の未解決問題」の記事については、「経済学上の未解決問題」の概要を参照ください。

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