不時着時の姿勢に対する風説とそれに対する反証
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/16 17:08 UTC 版)
「不時着時の姿勢」の記事における「不時着時の姿勢に対する風説とそれに対する反証」の解説
緊急着陸用の姿勢に関しては、さまざまな風説の流布がされている。例えば「緊急着陸用の姿勢は墜落したときに歯を保護し、身元の確認が取りやすいようにするため」というものや、「緊急着陸用の姿勢は乗客の死亡率を上げ、保険会社が、乗客の生存した場合の医療費を回避できるようにするためのものである」というものもある。 しかし、実際には緊急着陸時の姿勢をとることで生存率が高まることが実証されている。飛行機が木にぶつかる寸前に、乗客の一人が異変に気づき緊急着陸時の姿勢をとったため助かったという事例がある。他の乗客が全員眠りについている際の出来事で、睡眠中だった乗客は全員死亡している。スカンジナビア航空751便不時着事故では、乗客全員が緊急着陸時用の姿勢をとっていたため助かったといわれている。 2009年1月15日に起きたUSエアウェイズ1549便のいわゆるハドソン川の奇跡では、ハドソン川に不時着するまで3分もなかったため、機長は「衝撃に備えて下さい(Brace for Impact.)」と指示しただけにとどまる一方、客室乗務員は「身構えて! 身構えて! 頭を下げて! 席を立たないで! (Brace! Brace! Heads down! Stay down!)」と繰り返した。このため乗員・乗客155人は重傷を負わずに済んだ。 2012年ボーイング727型機墜落実験においても、推奨されている姿勢が生存率を高めるのに最も効果的であるとされている。
※この「不時着時の姿勢に対する風説とそれに対する反証」の解説は、「不時着時の姿勢」の解説の一部です。
「不時着時の姿勢に対する風説とそれに対する反証」を含む「不時着時の姿勢」の記事については、「不時着時の姿勢」の概要を参照ください。
- 不時着時の姿勢に対する風説とそれに対する反証のページへのリンク