香港 食文化

香港

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食文化

朝食の点心の例
定番の叉焼飯(チャーシューライス)
街の至る所にある「茶餐廳

香港では外食産業が発展しており、世界各地の料理を出すレストランが庶民向けの安価な食事を出す店から世界的に名を知られる高級レストランまで、さまざまなものが存在する。

料理

広東潮州四川上海北京台湾マカオ客家など、各地方の料理を出すレストランが香港中にある。このうち約8割が広東料理のレストラン(酒楼)である[75]。このほか海の幸を専門に取り扱う海鮮料理店が西貢などに多数存在し、日本人にも人気がある。

香港政府観光局では毎年「Best of the Best - 香港料理大賞」を開催して、料理界の盛り上げに一役買っている。

日本料理

日本料理は比較的古くからも高い人気を保っており、在留日本人向けでなく、地元住民を主なターゲットとした寿司屋やラーメン店、居酒屋などが数多く存在する。

日本料理店は大きく2種類に分けられ、日本人の経営者もしくは料理人がいる日本料理店と、香港人による「日式」と呼ばれる「日本風」の料理を出す店がある。在港日本人に人気があるのは当然前者であり、日本企業間での接待の場所、各方面の在港日本人会の会合場所として利用されるが、価格は日本国内と同等あるいはそれ以上である場合が多い。後者の評判は日本人の間ですこぶる悪く、もっぱら香港人の舌に合う料理として、香港人の間ではやっている。

その他の料理

イギリス統治時代の影響から、欧米の料理にも人気があり、イタリア料理フランス料理ドイツ料理などのヨーロッパ各国の料理の人気も高い。香港では、古くから、イギリスの植民地であったインドから働きに来ていた人も多く、インド料理店も各地にある。

家政婦警備員IT関連の職種に従事するためフィリピンインドネシアタイなどからやってきている人たちも多く、これらの国の料理を中心としたエスニック料理店も多く、輸入食材を扱う店もあちこちにある。ベトナム料理店や朝鮮料理店も多くある。

日本のインスタントラーメン会社・日清食品が製造販売する袋麺出前一丁」は1969年から香港に輸出販売され、1985年に香港に現地法人による工場を建設して『出前一丁』の現地生産を開始、香港による日本ブランドのインスタントラーメンではトップシェアを誇っている。そのためか、香港での「出前一丁」のフレーバーは日本よりラインナップが多い。

ファストフード

香港では「茶餐廳」と呼ばれる洋風または香港風の軽食を出す店が至る所にあり、大快活や大家楽、美心MXといったチェーン店も存在する。各種ファストフード店や、「餅店」と呼ばれるケーキ屋やパン屋も香港中で見ることができる。コンビニエンスストアでも軽食を買える。かつて多かった屋台は衛生上制限を受け、決められた場所でまとまって営業をしているにとどまる。マクドナルドケンタッキーなどの米ファストフードのほか、吉野家も数多く出店しており、日本国内とほとんど変わらない味を日本より安価で提供している。

菓子

日本の菓子(零食や点心點心)と呼ばれる)の人気も高い。コンビニエンスストアスーパーマーケットでは「ポッキー」や「コアラのマーチ」、「かっぱえびせん」などの日本直輸入や現地生産の日本ブランドの菓子を多く見かける。「零食物語/OKASHI LAND」や「優の良品/AJI ICHIBAN」など、日本語表記の菓子チェーン店も存在する。


注釈

  1. ^ 独立国家としては世界トップクラスである日本をも凌駕する。
  2. ^ 英語または普通話で放送し、ニュース報道は中国政府の意向に沿っている。

出典

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.hk

(香港 から転送)

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.hkは、香港国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)である。




  1. ^ a b c d e f g この種類のドメインは2011年1月中旬から登録できない。それ以前に登録されたドメインは使用し、登録を更新することができる。[1]


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