群馬県 地理

群馬県

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/10 09:00 UTC 版)

地理

位置

関東の西北部に位置し、南は埼玉県、西は長野県、北は新潟県福島県、東は栃木県に囲まれた内陸県である。群馬県と福島県の県境地域は、自然環境保護のため自家用車の乗り入れが規制された尾瀬国立公園となっており、車両による往来ができない[注 2]

県の形が羽を広げたのように見えるため、上毛かるたでは「つる舞う形の群馬県」という札がある。そのため、群馬県人は地域をさすのに鶴の一部に見立てた表現を用いることがある。群馬県の広報番組では、県最東端の板倉町を「鶴のくちばし[27]、県東南部に位置する館林市は、市の位置を「鶴の頭の部分」であると説明している[28]

自然公園

尾瀬ヶ原

地勢

地形図

県域東南部は関東平野となっており、県の人口の7割ほどが集中している。県内の地域ごとに拠点都市が分散していることから明確な首位都市が存在しない。県域南部は中毛西毛東毛の三地域に区分される。県中央部にあたる中毛地域は、県庁所在地前橋市や、銘仙の産地・伊勢崎市がある。県西部の西毛地域は、首都圏信越地域を結ぶ交通の要衝・高崎市がある。前橋市と高崎市周辺は両翼都市として県の中心地域となっている。 県東部の東毛地域は、織物業が盛んで織都と称される桐生市SUBARUスバル)の所在地で自動車産業を中心とする工業都市・太田市がある。

県域西部から北部にかけて関東山地三国山脈などの山地が連なり、長野県との県境にある浅間山を始め、新潟県との県境に近い谷川岳赤城山榛名山妙義山上毛三山がある。県域には日本百名山に数えられる山が11座存在し、これは山梨県と並んで、長野県の29座に次ぐ数である。県域北部の北毛地域にあたる標高の高い山岳地帯では豪雪地帯に指定されることが多く、スキー場も多い。浅間山草津白根山は活動度が高い活火山であり、国際的な観光地草津温泉を始め伊香保温泉水上温泉四万温泉万座温泉など温泉地が豊富である。

大水上山を水源とする利根川は、吾妻川神流川渡良瀬川など県内の諸河川を集め、東流して太平洋及び東京湾に注ぐ。分水嶺を挟んだ県域である信濃川流域の野反湖阿賀野川流域の尾瀬の水は日本海へ注ぎ、関東地方日本海側河川の集水域になっているのは群馬県だけである。また、利根川流域の一つ鏑川の源流は長野県佐久市となり長野県域を源流に持つ。

気候

日本の気候区分では北毛日本海側気候吾妻郡西毛中央高地式気候、高崎、前橋、伊勢崎、太田、館林等南部平野部が太平洋側気候であり、標高差も大きいため他の関東地方の都県と比較して気候差が大きい。高崎、前橋等は太平洋側気候と内陸性気候を併せ持つ。気象庁観測所の観測値に基づくと、ケッペンの気候区分では、前橋、高崎、沼田、中之条、下仁田、桐生などの県下主要都市を含む中南部地域の大部分が温暖湿潤気候に類される。このほか、神流において温帯夏雨気候、みなかみ町藤原において西岸海洋性気候、草津と嬬恋村田代において亜寒帯湿潤気候が見られる。

南北で気候の差が大きく、前橋伊勢崎館林などを中心とした南部では熊谷など埼玉県北部と同様、赤城山秩父山地からのフェーン現象と東京都心のヒートアイランド現象によって発せられた熱風の影響で猛暑日に達することがよくあり、40度前後まで上がることもあるなど日本でも有数の酷暑地帯となる。特に前橋市や伊勢崎市では前述のヒートアイランド現象やフェーン現象が顕著に現れ、日没後も気温が下がりにくい状態が続く。館林市では2010年から3年連続で猛暑日の年間日数の国内最多を記録している。対して北部は気温が低く、上がっても30°Cを少し越える程度。特に標高1000mを超える草津などは真夏日はおろか、夏日が観測されることさえ少ないほど冷涼であるなど、県内でも地域によって極端な差がみられる。また、南部ではこの高温の影響によりが多く上州名物として全国的に知られており[29]、また雷雲が北部山岳地から太平洋に抜ける通り道となっていることから、かみなり銀座とも呼ばれる。

は南部では他地域の関東平野と同様に乾燥した晴れの日が多く雪は少ないが、風が強い(赤城おろし)。気温は晴れれば10°Cを越えることも多いが、関東地方の中では寒気の影響を受けやすいため日中でも晴れても5°C前後までしか上がらないこともある。また、内陸にあるため冬日は比較的多いが、季節風が強いために、隣接する栃木県及びその東隣の茨城県に比べると朝晩の冷え込みは緩やかであり、1月の最低平均気温は前橋が-0.5°C、伊勢崎が-0.6°Cと高く、南関東のさいたま市(-1.1°C)、多摩地方の府中市(-0.7°C)、房総の佐倉市(-1.8°C)よりも高く最低気温が下がりにくい。真冬日はほとんどない。ただし、前述したとおり季節風が強いため、実際の気温よりも低く感じられることが多い。北部は日本海からの雪雲の影響でが多く(みなかみ町藤原では2006年1月26日に301cmの積雪深を観測)、豪雪地帯片品村は関東地方唯一の特別豪雪地帯)に指定されている地域が多い。気温も南部と比較すると夏同様に低く、冬日はほぼ毎日、真冬日もよく観測される。また、標高が1000mを超える北東部の尾瀬周辺と西部の嬬恋村長野原町北軽井沢などは特に、冷え込みが厳しく、放射冷却により時にマイナス20度以下まで冷え込むことがあるほどであるが、みなかみ町などの北部と違って西部の高原地帯は比較的降雪量は少ない。

年間平均気温・降水量

年平均気温は南部(前橋)で15.0°C、北部(沼田)で12.1°Cであり、最も高いのは伊勢崎で15.5°C、最も低いのは嬬恋村田代で7.4°Cである。内陸にあるため、南北ともに一日の気温差が大きい。年間の降水量は南部では1,200mm前後の地点が多い。北部は1,100mm - 1,700mm程度で、南部と比べると地域差が大きい。

県内各地の平年値(出典:気象庁気象統計情報
平年値
(月単位)
北部 南部
北毛 吾妻 中毛 西毛 東毛
沼田 みなかみ町 片品 中之条 草津 嬬恋村
田代
前橋 伊勢崎 高崎市 藤岡 下仁田町
西野牧
神流 桐生市 館林
藤原 湯原 上里見町 榛名山 元宿町[30] 黒保根町
平均
気温
°C
最暖月 24.6
(8月)
21.6
(8月)
22.7
(8月)
- 24.6
(8月)
19.6
(8月)
19.6
(8月)
26.8
(8月)
27.4
(8月)
25.8
(8月)
- - 24.2
(8月)
23.8
(8月)
26.2
(8月)
- 27.3
(8月)
最寒月 -0.1
(1月)
-2.5
(1月)
-1.2
(1月)
- 0.4
(1月)
-4.1
(1月)
-4.5
(2月)
3.7
(1月)
4.1
(1月)
2.6
(1月)
- - 1.1
(1月)
0.6
(1月)
3.4
(1月)
- 4.0
(1月)
降水量
mm
最多月 178.4
(7月)
219.4
(1月)
215.8
(7月)
183.8
(7月)
213.6
(9月)
263.5
(7月)
220.2
(9月)
204.3
(9月)
190.4
(7月)
221.6
(8月)
381.3
(8月)
186.2
(9月)
205.4
(9月)
224.3
(9月)
201.3
(7月)
254.4
(7月)
167.9
(9月)
最少月 37.8
(12月)
89.6
(4月)
90.9
(11月)
56.6
(11月)
29.0
(12月)
60.4
(12月)
46.2
(12月)
23.8
(12月)
25.3
(2月)
23.6
(12月)
33.5
(12月)
22.5
(12月)
20.9
(12月)
22.4
(12月)
28.4
(2月)
29.9
(12月)
33.0
(12月)
降水
日数
(日)
最多月 14.9
(7月)
21.1
(1月)
18.7
(1月)
15.2
(7月)
15.1
(7月)
18.2
(7月)
16.4
(7月)
14.7
(7月)
14.3
(7月)
16.0
(7月)
18.3
(7月)
13.9
(7月)
16.1
(7月)
15.2
(7月)
14.7
(7月)
16.3
(7月)
12.6
(7月)
最少月 6.3
(11月)
12.3
(5月)
11.8
(4月)
7.6
(11月)
4.5
(1月)
8.2
(11月)
7.4
(11月)
2.9
(1月)
2.9
(1月)
3.5
(1月)
5.3
(1月)
3.2
(1月)
3.8
(1月)
3.7
(1月、2月、12月)
3.5
(1月)
4.1
(12月)
3.8
(1月、12月)

注釈

  1. ^ 東京都の水源は約8割が利根川水系及び荒川水系で、約2割が多摩川水系である。尚、荒川は武蔵水路によって利根川の水も導水されている。
  2. ^ 陸続きで車両が往来できない県境は群馬・福島県境と富山・長野県境の2つのみである。前者は徒歩での越境に3時間30分程度、シャトルバスでの乗り継ぎを含めると4時間程度を要する。車両だと国道120号や国道401号などで日光市などを経由して200km以上、6〜7時間もの大迂回を強いられる。後者は尾瀬のように自然保護目的ではないがあまりにも険しい山岳地帯に阻まれているため登山道とアルペンルート以外の道が存在せず車両の通り抜けは不可能である。
  3. ^ 蒸し焼き料理に用いられたとみられる。
  4. ^ 県総人口が初めて200万人を超えたのは1993年11月1日だが、1994年4月1日に一度割った後、翌月1日に再び200万人を超えている。

脚注 

  1. ^ 水源・水質 東京の水道水質”. 東京都水道局. 2020年7月15日閲覧。
  2. ^ 平成20年度 県民経済計算(県民所得推計結果)の概要
  3. ^ 例えば、高崎学検定講座「逃げた県庁、逃げられた県庁-花燃ゆと県庁移転問題-」”. 高崎市市民活動センター (2015年7月29日). 2019年5月14日閲覧。
  4. ^ 西垣晴次・山本隆志・丑木幸男編『群馬県の歴史』山川出版社 2003年11月
  5. ^ 前掲県史、西垣晴次「風土と人間 -自然にはぐくまれた上州人気質」2ページ
  6. ^ a b 群馬はGunmaかGummaか ローマ字表記の謎
  7. ^ 群馬(ぐんま)のローマ字表記について
  8. ^ ぐんまちゃん、“銀座追放”免れる 東京の「ぐんまちゃん家」、交渉難航し近所に移転へ 広くて格安の物件に - 産経新聞(2018年6月22日閲覧)
  9. ^ 【2月14日】ぐんま総合情報センター「ぐんまちゃん家」移転について(ぐんま総合情報センター) - 群馬県報道提供資料(2018年2月14日更新)2018年6月22日閲覧
  10. ^ 【5月9日】ぐんま総合情報センター(ぐんまちゃん家)の移転オープン時期の変更について(広報課) - 群馬県報道提供資料(2018年5月9日更新)2018年6月22日閲覧
  11. ^ 【6月5日】ぐんま総合情報センター(ぐんまちゃん家)オープニングセレモニーについて(広報課) - 群馬県報道提供資料(2018年6月5日更新)2018年6月22日閲覧
  12. ^ 【6月11日】平成29年度「ぐんま総合情報センター」の実績について(広報課) - 群馬県報道提供資料(2018年6月11日更新)2018年6月22日閲覧
  13. ^ 【6月11日】移転後のぐんま総合情報センター(ぐんまちゃん家)について(広報課) - 群馬県報道提供資料(2018年6月11日更新)2018年6月22日閲覧
  14. ^ 新店舗のオープン日が決定しました! - ツイッター ぐんまちゃん家(公式)(5月31日)2018年6月22日閲覧
  15. ^ 2018年(平成30年)1月1日 上毛新聞 6面
  16. ^ 「地域ブランド調査2009」調査結果
  17. ^ 「地域ブランド調査2010」調査結果
  18. ^ 「地域ブランド調査2011」調査結果
  19. ^ 「地域ブランド調査2012」調査結果
  20. ^ 「地域ブランド調査2013」調査結果
  21. ^ 「地域ブランド調査2014」調査結果
  22. ^ 「地域ブランド調査2015」調査結果
  23. ^ 「地域ブランド調査2016」調査結果
  24. ^ 「地域ブランド調査2017」調査結果
  25. ^ 「地域ブランド調査2018」調査結果
  26. ^ 2017年(平成29年)11月20日 上毛新聞 1面
  27. ^ 群馬県「テレビ・ぐんま一番」2017年(平成29年)1月31日更新、2月12日閲覧。
  28. ^ 館林市「館林市の紹介」2015年(平成27年)4月1日付、2016年(平成28年)1月20日閲覧。
  29. ^ 上毛かるた「雷(らい)と空風(からっかぜ)義理人情」
  30. ^ 「気象の“基準”元宿町に移設、「アメダス」23年ぶりに」(2018年12月29日閲覧)
  31. ^ 松田猛・関口功一「文化のあけぼの」 西垣晴次・山本隆志・丑木幸男編『群馬県の歴史』山川出版社 2003年11月 10 - 11ページ
  32. ^ 上毛かるた「ゆかりは古し貫前神社」
  33. ^ 上毛かるた「昔を語る多胡の古碑」
  34. ^ 上毛かるた「歴史に名高い新田義貞」
  35. ^ 上毛かるた「桐生は日本の機(はた)どころ」
  36. ^ 『47都道府県うんちく事典』96頁出版社-PHP文庫・執筆者-八幡和郎
  37. ^ 2017年(平成29年)11月1日 上毛新聞 1面 「世界の記憶」に上野三碑 5年越しの活動結実
  38. ^ 2018年(平成30年)1月20日 上毛新聞 1面 歴史的まちづくり支援 桐生市の計画認定 政府
  39. ^ 2018年(平成30年)1月24日 上毛新聞 17面 風致維持計画 桐生市に認定証 政府
  40. ^ 2019年(令和元年)5月21日 上毛新聞 1面 日本遺産に里沼 館林市が申請 本県2件目
  41. ^ a b c 南雲栄治監修『群馬の風土と生活』みやま文庫122(平成4年3月)25-26頁 都市の分布
  42. ^ 海外姉妹友好提携状況”. 群馬県 (2019年12月). 2019 -12 -08閲覧。
  43. ^ 2018年(平成30年)1月21日 上毛新聞 1面 企業名「ぐんま」最多731社
  44. ^ “背景は県民性や郷土愛の深さ? 県内企業名冒頭「ぐんま」731社”. 上毛新聞 (上毛新聞社). (2018年1月21日). オリジナルの2018年4月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180408191923/https://www.jomo-news.co.jp/news/gunma/politics/28435 2018年1月24日閲覧。 
  45. ^ 群馬県(編)群馬県森林・林業基本計画2021-2030
  46. ^ 県のシンボルについて- 群馬県ホームページ
  47. ^ 群馬県防災会議(編)群馬県地域防災計画 令和4年3月改訂版
  48. ^ 地上デジタルテレビ放送のエリア(関東広域圏東京親局).総務省 2020年7月15日閲覧。
  49. ^ JJサニー千葉日本語) 『千葉流 サムライへの道』ぶんか社、2010年、139頁。ISBN 4821142694 






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