歩兵
「歩兵」とは、徒歩で戦闘に参加する兵士のことを意味する表現である。
「歩兵」とは・「歩兵」の詳しい解説
「歩兵」は、馬や航空機などに乗らず、徒歩で戦う兵士を指す言葉である。軍隊において、最も人数が多いのが歩兵であり、数々の戦闘で活躍した歴史がある。そして、軍隊の規模や戦況によって、役割が大きく異なる。戦場で近接戦闘を行う際には、歩兵が先陣を切ることが多かった。そして、時には人の壁となり、拠点を守る役割を担うこともあった。歩兵は、比較的軽装であるのが特徴で、武装も剣や手持ちの銃など、簡素なものがほとんどである。そのため、高い機動力を実現することができ、様々な役割を担えた。基本的な役割は戦場における戦闘だが、治安維持や攻め込まれた拠点の復興なども、歩兵の仕事であった。現代でも、歩兵は重要な役割を担うことが多い。ただ、日本の場合、軍隊を持たないため、歩兵とは呼ばない。陸上自衛隊における普通科と呼ばれるものが、歩兵に相当する。
「歩兵」の発音・読み方
「歩兵」の読み方は、「ほへい」である。ただ、将棋の駒を指す場合のみ、「ふひょう」という読み方となる。「歩兵」の語源・由来
「歩兵」という呼称は、徒歩で移動する兵士ということが由来となっている。「歩兵(将棋)」とは
将棋における「歩兵」は、最も数の多い駒である。初期配置では、それぞれの陣の全面に配置され、壁の役割を担う。移動範囲は前1マスのみであるが、相手の陣地に入って成ることができれば「と金」に変わり、金駒と同じ範囲で移動が可能となる。数が多く、その全てが金駒相当に成れる可能性を秘めているため、将棋の戦局において重要な役割を担うことは珍しくはない。将棋には、二歩と打ち歩詰めという、歩兵に関する禁止ルールが設けられている。二歩は、同じ筋に歩兵を2つ以上おいてはいけないというものだ。同じ筋に歩兵をいくつも置けてしまうと、戦いが単調でつまらなくなるからという理由で設定されている。そして、打ち歩詰めは、手持ちの歩兵を使って王手をかけてはいけないというものである。打ち歩詰めのルールが設けられている理由は不明確だが、歩兵が寝返って相手の王を討つのは道義に反しているため、という逸話がある。
「歩兵」を含むその他の用語の解説
「歩兵部隊」とは
「歩兵部隊」は、歩兵のみで構成された部隊である。原則として、1人の指揮官が、複数人の歩兵を取りまとめる形となっている。また、騎兵や砲兵など、他の部隊と区別するために、歩兵部隊という言葉が使用されることもある。
「歩兵の本領」とは
「歩兵の本領」は、日本の軍歌である。1911年に発表され、戦場や軍学校などで歌われた。そして、現代でも、自衛隊や学校の運動会などで、歩兵の本領の一部を改変した歌が歌われることがある。
「歩兵戦闘車」とは
「歩兵戦闘車」は、歩兵を乗せることができる兵器である。一般的に戦車と呼ばれるものは、歩兵戦闘車であることが多い。戦場において、装甲によって歩兵を保護しながら輸送すると共に、重火器を使用して戦闘に参加するものがほとんどである。
「歩兵銃」とは
「歩兵銃」は、歩兵が使用する銃である。主に、第二次世界大戦以前に使用されていたものを指す。軍から支給される場合が多く、代表的なものとしては三八式歩兵銃が挙げられる。
「歩兵砲」とは
「歩兵砲」は、歩兵が使用する砲台だ。1本の砲筒の両脇に大きな車輪が付いている形で、移動しながらの砲撃が可能である。現代の戦闘では、小型化されて持ち運びが容易になった砲撃兵器があるため、大掛かりな歩兵砲が使われることはほとんどない。
「歩兵」の使い方・例文
「歩兵」を使用して例文を作ると、「私の祖父は、歩兵として従軍していたそうだ」「彼は、歩兵から大名に成り上がったことで有名である」「この戦争をテーマにしたゲームでは、歩兵部隊の配置が結果を左右する」のような表現となる。将棋の駒を意味する場合は、「彼は歩兵使いの名人として知られている」「将棋教室で、初心者が歩兵の使い方を学んでいる」といった使い方をする。「歩兵」の英訳
「歩兵」を英訳すると、「infantry」や「infantry man」となる。また、「foot soldier」と表現することも可能だ。将棋の駒を指す場合は、「pawn」となる。チェスで、歩兵と似た動きをする、ポーンの駒を意味する単語だ。かち‐いくさ【徒=歩▽軍/▽歩▽兵】
ふ‐ひょう〔‐ヒヤウ〕【歩兵】
ほ‐へい【歩兵】
【歩兵】(ほへい)
Infantry.
徒歩で移動し、槍、剣、銃などで戦う兵士(原義)。
近代以後の軍隊においては、小銃や機関銃、手榴弾などの小火器で武装し、徒歩で機動しながら戦闘行動を行なう兵士のことを指す。
「施設の占領および捕虜の拘束を行える唯一の兵科」
「最も多様な任務に対応できる兵科」
「隠密行動時に最も発見されにくい兵科」
「ユニットコストが最も安価な兵科」
「完全に無力化するのが最も難しい兵科」
という特徴がある。
このため、戦車や戦闘機といった兵器が登場し、進化した21世紀の現代にあっても、軍隊の中核としての重要性は揺らいでおらず、常に戦闘に決着をつける兵科でありつづけている。
また、現在では低強度紛争に対処する部隊の重要性が増している。
現代軍隊においては歩兵戦闘車やAPC(装甲兵員輸送車)、トラックなどで戦場を移動する機械化歩兵が一般的であり、また、戦車・自走砲や攻撃ヘリコプターと緊密に連携して動くのが常であるため、厳密な意味での「歩兵部隊」は、一部の国や地域を除いて殆ど存在しない。
なお、自衛隊では「普通科」と呼ばれている。
関連:特殊部隊
歩兵
歩兵
出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 00:02 UTC 版)
名詞:ほへい
発音(?)
- ホ↗ヘイ(0)
関連語
翻訳
- チェコ語:pěšák 男性
- オランダ語:infanterist, voetsoldaat 男性
- ドイツ語:Infanterist 男性
- 英語:foot soldier, infantryman, infantrywoman
- フィンランド語:sotamies, jalkaväkimies
- フランス語:fantassin 男性
- ハンガリー語:gyalogos
- イタリア語:fantaccino 男性, fantaccina 女性
- スペイン語:infante 男性
- ラテン語:vir 男性
- ポルトガル語:infante 男性
- ルーマニア語:infanterist 男性
- ロシア語:пехотинец (pexotínec) 男性
名詞:ふひょう
発音(?)
- フ↗ヒョー(0)
関連語
漢字表記
「歩兵」の例文・使い方・用例・文例
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