前田本
前田本
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 08:57 UTC 版)
詳細は「前田本 (枕草子)」を参照 類纂形態の伝本で四巻。第一巻に107段、第二巻に89段、第三巻に102段、第四巻に32段を収めるが、さらに第五巻があって紛失したものとみられる。上記の三巻本、能因本、堺本にはない章段を含み、同じ類纂形態の堺本とは章段の順序が異なっている。この系統の伝本は加賀前田家伝来本(前田育徳会蔵)があるのみである。金蒔絵の箱に入っており、その蓋には金象嵌で「清少納言枕草子」とある。鎌倉時代中期の書写で『枕草子』の伝本の中では最古のものとされ、重要文化財に指定されている。寛永6年(1629年)4月に徳川秀忠が江戸の前田邸を訪れた折、この前田本『枕草子』を蒔絵の箱とともに床の間脇の棚に飾ったとの記録があり、これ以前に前田家に入っていたと見られる。本文は『前田家本枕冊子新註』に翻刻がある。
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