占領とは? わかりやすく解説

せん‐りょう〔‐リヤウ〕【占領】

読み方:せんりょう

[名](スル)

一定の所を独り占めすること。「四人分の座席一人で—する」

他国領土武力によって自国支配下に置くこと。「敵国首都を—する」「—軍」

「占領」に似た言葉

占領

作者眉村卓

収載図書怪しい人びと
出版社新潮社
刊行年月1992.3
シリーズ名新潮文庫


占領

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/08/26 02:42 UTC 版)

占領(せんりょう)とは、武力で他国の領土を自国の支配下に置くこと[1][2]

概要

占領とは、一国の領域の全部または一部が、その国の正当な権力以外の軍事力のもとに入ることである[3]

平時においておこなわれる占領で占領する側が権利確保のためにおこなう占領(保障占領)、戦時に敵軍の権力の下に入ること(戦時占領)、内乱によるもので 反乱軍が支配すること、などがある[3]

保障占領

国際協定の実行を保障する担保としての占領を保障占領と呼ぶ。これは通例相手国との合意に基づいて行われるものであり[4]、協定履行のあかつきには占領を解除し施政権を主権国に返還することが建前である。保障占領の例としては、日清戦争後の下関条約第8条に基づいた日本による威海衛占領、第一次世界大戦後の連合国(協商国)によるドイツラインラント占領英語版尼港事件後のサガレン州派遣軍による北樺太保障占領[5]ムッソリーニ政権下のイタリアによるギリシャコルフ島占領などがある。通例保障占領においては軍政は敷かれず、現地機関を利用した間接統治が行われる[4]

軍事占領

軍事占領(military occupation)とは、他国の領土、拠点、政経中枢などを占有・占拠することをいう[6]。占領はしばしば「征服」や「侵入」、無主地域の占有などとしばしば混同されるが、国際法上においては占領は軍事占領のみを指す[6]ハーグ陸戦条約42条においては、敵国領土(租借地、準領土を含む)内に侵入した軍隊が、敵国の権力を排除し、一定の地域を自国の権力内において統治することを指す[7]

占領軍は被占領地に対して強い権力を持ち、かつては占領国による完全な主権掌握ととらえられていたが[8]国際法概念の成立により、軍事占領においては主権が完全に占領国に移行したわけではなく、占領の終了とともに返還されるものと認識されるようになった[8]、とのことである。この場合 占領は、領有あるいは国家の併合を意味するものではない、という。同じように主権の制限が伴う場合でも、文民支配を前提とした被保護国保護領従属国植民地などとも区別される。「占領軍の権力は占領期間の間主権が変更された」とする立場を取る「主権変更説」や[9]、「占領軍は主権を代行しているに過ぎない」とする「主権代行説」[10]、「主権と関係なく無秩序状態を防ぐため」とする「非主権説」がある[11]

[注釈 1]

占領方式

第二次世界大戦後の占領方式について言えば、ドイツに対して適用された「ベルリン方式」と、バルカン半島や日本において適用された「バルカン方式」に大別される[要出典]

「ベルリン方式」では、ドイツにおける中央政府は存在しないとみなされ、主権を占領国の4政府が掌握することとなった[7]。「バルカン方式」においては占領地における被占領国中央政府の存在を認めるが、その主権は占領国の監督下や制限下におかれるものとみなされた[12]

第二次世界大戦後の日本の占領については保障占領説、戦時占領説、特殊占領説がある[13]。連合国は日本の占領を戦時占領とも保障占領ともとれる扱いを行っており、純粋な戦時占領や保障占領ではない特殊占領であるという見方が多い[13]

事例

脚注

注釈

  1. ^ 国力の基盤は領土であり、また軍事的にも広大な領土はそれ自体が戦力化できるものである。軍事的に見て占領の意義とは敵部隊を空間的に追い詰め、戦闘力となる各種資源を獲得し、防御においては重層的な防御方式を採ることができる点にある。[要出典]」と言う[誰?]。また[誰?]国家戦略としては占領は戦略資源を得、戦略的地理を有利なものとし、産業基盤を分量的に拡大するなどの意義がある。占領統治においては軍隊による軍政や、支配下においた現地政権を通じた間接統治などの様々な手法がとられる。[要出典]

出典

  1. ^ 広辞苑 第六版 「占領」
  2. ^ 大辞泉「占領」
  3. ^ a b ブリタニカ百科事典「占領」
  4. ^ a b 宮崎繁樹 1950, pp. 124.
  5. ^ 竹野学、「保障占領下北樺太における日本人の活動 (1920-1925)」『經濟學研究』 2013年 62巻 3号 p.31-48, 北海道大学大学院経済学研究科
  6. ^ a b 宮崎繁樹 1950, pp. 116.
  7. ^ a b 宮崎繁樹 1950, pp. 125–126.
  8. ^ a b 宮崎繁樹 1950, pp. 117.
  9. ^ 宮崎繁樹 1950, pp. 120.
  10. ^ 宮崎繁樹 1950, pp. 121.
  11. ^ 宮崎繁樹 1950, pp. 122–123.
  12. ^ 宮崎繁樹 1950, pp. 125.
  13. ^ a b 宮崎繁樹 1950, pp. 126.

参考文献

関連項目


占領

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 10:17 UTC 版)

ギリシャの戦い」の記事における「占領」の解説

三分割占領されギリシャ イタリア占領地ドイツ占領地ブルガリア占領地詳細は「第二次世界大戦時のギリシャ」を参照 1941年4月13日ヒトラー指令27号を発令今後ギリシャの占領方針示された。さらに、6月29日指令31号を発令ギリシャ分割して占領することが確定しギリシャ本土ドイツイタリアブルガリア三国分割占領することとなったドイツ軍戦略的要地点として、アテネマケドニア中部テッサロニキクレタ島を含む大部分エーゲ海島々占領し、さらにフロリナ占領したが、そこはイタリアブルガリア両国要求した。ツォラコグルが降伏した日、ブルガリア軍トラキア侵入エーゲ海への出口求め西トラキア、東マケドニア併合しようとしたブルガリア軍ストルマ川(Strimon river以東からエビロス川(Evros river以西アレクサンドルーポリを含む地域を占領、残りギリシャ半分イタリア占領したイタリア軍4月28日イオニアエーゲ海島々占領し始めた6月2日ペロポネソスを、6月8日テッサリアを、そして6月12日アッティカそれぞれ占領したギリシャの占領により、ギリシャ国民は非常に困難な生活を強いられたため、窮乏飢えから死亡者出たまた、占領国にもその占領は困難で、高い代償支払なければならなかった。なぜならばギリシャ人抵抗組織創設ゲリラ活動行いスパイ網を形成したからである。

※この「占領」の解説は、「ギリシャの戦い」の解説の一部です。
「占領」を含む「ギリシャの戦い」の記事については、「ギリシャの戦い」の概要を参照ください。

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占領

出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 07:02 UTC 版)

名詞

せんりょう

  1. 本来自らのものでない場所を自分のものとしていること。しばしば「不正に」「強制的にの意味を含む。

類義語

翻訳


「占領」の例文・使い方・用例・文例

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