【砲兵】(ほうへい)
軍隊(陸軍)の兵科の一つで、火砲による戦闘を主任務とする兵士と部隊。
用いる武装は大口径野戦砲・ロケット砲・地対地ミサイル。
古くは牽引砲を持ち運んだり、要塞に据え付けた大口径砲(要塞砲)での防御戦闘を担当していた。
近年では近接航空支援を回避する機動力が要求されるため自走砲を主装備とする。
主な任務は、前線に進出した歩兵や戦車の要請に応じ、間接砲撃による火力支援を行うこと。
敵の軍事施設や沿岸を航行する艦艇を後方から狙い撃つ事もある。
この任務はしばしば戦車、海軍の艦艇、空軍の攻撃機などと重複する。
そのような場合、砲兵は歩兵の支援に専念し、艦砲射撃や空爆が一通り済んだ後の掃討戦に投入されるのが定石である。
砲兵は比較的機動力が低いため、電撃戦では戦場への到着がどうしても第二波以降となる。
一方、陸軍であるため艦艇よりも近くに、航空機よりもずっと長く滞在し続ける事ができる。
派生として、高射砲や地対空ミサイルによる航空機の排除を主任務とする「高射砲兵」もある。
また、中国人民解放軍では、弾道ミサイルを運用する戦略ロケット軍を「第二砲兵部隊」と称している。
砲兵
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砲兵(ほうへい、英: artillery)は、陸上戦闘を行う兵科の1つであり、大砲・ロケット・ミサイルによる支援攻撃を担っている。日本の陸上自衛隊では特科(とっか)と称される(自衛隊用語)。
注釈
- ^ ソヴィエト・ロシアの戦略ロケット軍、中国の第二砲兵隊および中国人民解放軍ロケット軍、北朝鮮の朝鮮人民軍戦略軍など
- ^ 一般的に群長の高級幹部としての名簿上における序列は、各師団等普通科連隊の次級者になる例も多い。
- ^ 第1地対艦ミサイル連隊については第306地対艦ミサイル中隊含む5個中隊基幹、第3地対艦ミサイル連隊については第305地対艦ミサイル中隊含む5個中隊基幹、第4地対艦ミサイル連隊は1個中隊基幹。
- ^ 射撃大隊本部管理中隊が行っていた人事・訓練・補給等の業務を射撃中隊単位で行う事・中隊単位で隷属する場合における旅団普通科連隊に対する射撃任務上、1尉では指揮能力上の問題がある事などから、指揮官は3佐が指定される他に補佐として1尉の副中隊長が設置されている。
- ^ 旅団には、本部管理中隊に小隊として編成。
出典
- ^ マクニール (2002) p.230
- ^ 高井三郎著 『現代軍事用語』 アリアドネ企画 2006年9月10日第1版発行 ISBN 4384040954
- ^ 「「第2特科団」新編 長距離ミサイルから野砲までそろう日本初の部隊、2025年3月末の編成完結目指す」『zakzak by 夕刊フジ』2023年10月27日。2023年10月31日閲覧。
- ^ “輸送ヘリ(CH-47J)と155mmりゅう弾砲FH70”. 1992年度防衛白書 第2章 わが国の防衛政策. 防衛省. 2020年2月5日閲覧。
- ^ a b c 加藤健二郎著 『いまこそ知りたい 自衛隊のしくみ』 日本実業出版社 2004年1月20日初版発行 ISBN 4534036957
砲兵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 05:47 UTC 版)
赤軍の軍事教義において、砲兵火力は機動力の保証と位置づけられている。第一次大戦後、西欧諸国では機動戦理論の発達とともに砲兵能力が縮小されたが、ソ連は例外的に火力主義を堅持し砲兵能力を向上させた。赤軍砲兵は狙撃兵師団を支援する師団砲兵(砲兵連隊)が主力である。各師団は任務に応じて、上級司令部から支援用の師団砲兵を増強され、砲兵軍司令部は師団砲兵を振り分ける管理を担う。特筆すべきなのは組み換えの柔軟性である。砲兵軍司令部は支援対象の師団司令部に拘束されない高位の指揮権を有し、戦況に応じて支援対象を変えられた。こうした運用面での柔軟さが諸兵科連合戦闘を円滑にし、クルスクの戦いではパックフロントの原型である対戦車火制地帯を生み出した。1943年には軍団砲兵が創設され、より大きな砲兵グループの編成が可能となった。 連隊支援砲兵群 師団軽砲兵連隊が基幹となり、突撃部隊である狙撃兵連隊を砲兵大隊が支援する。戦車中隊には戦車砲中隊が随行する。 破壊砲兵群 155mmカノン榴弾砲を持つ榴弾砲連隊を基幹とし、軍団か軍から重砲を配属される。トーチカや要塞などのコンクリート施設への攻撃用に編成される。 遠戦砲兵群 対砲兵戦、阻止砲撃を担い、通信施設、物資集積地、司令部を目標とする。 連隊砲兵群 連隊砲兵大隊が基幹となり迫撃砲や歩兵砲で突撃グループ先鋒を支援する。
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砲兵
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「サムライディフェンダー」の記事における「砲兵」の解説
戦場の任意地点に砲弾を放ち、一定範囲内の敵を一度に攻撃する。再攻撃までの時間が長い。
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砲兵
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「サムライディフェンダー」の記事における「砲兵」の解説
大砲から砲弾を発射し広範囲に打撃を与える。耐久力が高いが、再攻撃までの時間が長い。
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砲兵
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砲兵は、王立砲兵連隊(Royal Artillery Regiment)に所属する王立騎馬砲兵(Royal Horse Artillery)の各連隊、および第x王立砲兵連隊と番号を付して呼ばれるその他の砲兵連隊によって構成される。王立砲兵連隊は現役連隊のみでも16個連隊、非現役部隊を含めれば22個連隊もの部隊を抱える軍団規模の組織であるにもかかわらず、その名称は現在に至るまで相変わらず「連隊」のままである。 イギリスの砲兵連隊は、本部並びに3個から4個の射撃中隊及び各種支援部隊から構成されており、歩兵連隊のような大隊組織を持たない。そのためその名称は連隊ではあるが、実質的には大隊規模の組織である。 各連隊は、本土防衛・防空・全般支援(MLRSを使用)・近接支援(AS90/155mm自走砲を使用)・近接支援(L118/105mm軽榴弾砲を使用)・観測および目標捕捉・訓練の各任務に当たっている。各連隊の任務は歩兵大隊とは異なり、固定されている。 なお、王立騎馬砲兵・国王中隊(King's Troop Royal Horse Artillery)は有事の際「本土防衛」任務に就くが、平時はほぼ完全な儀仗部隊であり、式典などでQF 13ポンド砲(完全に式典用の砲であり、現代戦における兵器としての価値はまったくない)を礼砲として撃つこと及び国葬の際棺を載せた台車を牽くこと任務としている。また、何らかの理由で前述の王室騎兵乗馬連隊がロンドンに不在の場合、その交代部隊として騎兵として儀仗任務に就くこともある。
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砲兵
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砲兵部隊は敵の戦闘陣地や部隊の集結地点、補給拠点など固定的な目標に対して大規模かつ効果的に損害を与えることが可能である兵科である。代表的な後方からの火力支援であり、陸上戦闘において戦局を左右する決定的な火力となりうる。火砲の攻撃から逃れることは極めて難しく、強固な戦闘陣地でも破壊されるため、敵の防衛線を破壊する際には、歩兵や戦車部隊の侵攻に先立って攻撃が行われる。
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砲兵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 21:02 UTC 版)
砲兵は主に火砲・ミサイルなどを装備し、砲迫火力を以って高度かつ連続的な火力を有する兵科である。戦闘においては対象地域の敵の妨害・制圧・破壊を行う火力部隊の役割を果たす。責任交戦距離は、迫撃砲は500メートルから3500メートル、軽砲は3500メートルから10000メートル、重砲・戦術ミサイルは10000メートルから40000メートルである。
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砲兵
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「大陸軍 (フランス)」の記事における「砲兵」の解説
皇帝は砲兵士官の出身であり、次のように言ったと伝えられている。「砲兵が良ければ神が味方する」 ここで期待されているように、フランスの大砲は大陸軍の基幹であり、三軍の中でも大きな火力を有し、少ない時間で敵に大きな打撃を与える可能性があった。フランスの大砲はしばしば集中砲火(大砲兵大隊)に用いられ、歩兵や騎兵が接近戦を挑む前に敵の戦列を乱した。砲兵部隊の絶妙な訓練によって、ナポレオンは高速でその武器を動かし、弱っている防衛線を支援したり、敵の戦列を破る道具にした。 絶妙な訓練以外にもナポレオンの砲兵隊は多くの戦術的な改良によって戦力を上げた。王政時代にジャン=バティスト・ヴァケット・ド・グリボーバルが設計したフランス砲は軽く早く移動でき照準を合わせやすく、また台車を強化したり口径を標準化したりした。通常の野戦砲は4ポンド、8ポンド、12ポンドのカノン砲と6インチの榴弾砲があったが、戦争後期には4ポンド砲と8ポンド砲はオーギュスト・マルモンが設計した共和暦11年式6ポンド砲に置き換えられた。砲身は真鍮(黄銅)製で、砲架、車輪、および前車はオリーブグリーン(薄緑色)のペンキで塗られていた。砲兵を歩兵や騎兵の部隊とうまく融合させて、互いに支え、時には単独で行動することもできた。砲兵隊には2つの分類、徒歩砲兵隊(Artillerie a Pied)と騎乗砲兵隊(Artillerie a Cheval)があった。 戦争前期のグリボーバル12ポンドカノン砲 グリボーバル6インチ榴弾砲 戦争後期のCanon de 6 système An XI 徒歩砲兵 この名前が示唆するように、砲兵は大砲の横に行軍し、大砲はもちろん馬で曳かせた。このために行動速度は歩兵の速度に準じ遅かった。1805年には8個連隊、後に10個連隊があり、さらに近衛連隊に2個連隊あった。しかし騎兵や歩兵の連隊とは異なり、これらは軍政的な後方管理組織であった。前線での行動単位は、120名からなる中隊である。従軍時(遠征時)は、中隊別に各師団や各軍団に編入され、前者は師団砲兵として師団長の指揮下に、後者は軍団砲兵として軍団長の指揮下に入った。師団砲兵 歩兵師団の師団砲兵は1個徒歩砲兵中隊、騎兵師団の師団砲兵は1個騎馬歩兵中隊が標準とされた。1個中隊には通常カノン砲6門と榴弾砲2門の計8門が配備された。 軍団砲兵 軍団砲兵は、1個徒歩砲兵中隊と1個騎馬歩兵中隊のペアが標準とされた。軍団砲兵にはよく重砲が配備された。 砲兵中隊は、砲車牽引中隊とペアを組んで従軍するのが常で、このペアは砲兵分団(division d’artillerie)と呼ばれた。当時のdivisionには”師団”と”中隊ペア”の二通りの意味があるので混乱を招いている。後者は大隊の分割フォーメーション用語として使われていた。砲兵分団には砲兵、下士官、士官の他に、金属加工、木工、毛皮などの加工作業者も随伴していた。彼らは予備品を作ったり、大砲、台車、弾薬箱、馬車の維持・修理にあたり、馬の世話や軍需品の保管も行った。 騎馬砲兵 騎兵は騎乗砲兵隊の素早い動きと素早い砲撃に支援された。この部隊は騎兵と砲兵の組み合わせであり、馬や台車に乗って戦闘に参加した。 前線に非常に近く活動するために、士官や砲兵は竜騎兵のように接近戦用の武器を携え訓練も施されていた。一度配置につくや、彼らは素早く下馬し、大砲を据え、照準を定め敵に集中砲火を浴びせた。さらに大砲をまた台車に載せ新しい場所に素早く移動した。このことを成し遂げるために訓練を積んでいたので砲兵の中でもエリート部隊であった。 近衛騎乗砲兵隊は全速で駆けてきて最初の砲弾を放つまでに1分とかからなかった。そのような動きを目にして驚いたウェリントン将軍は次のように記している「かれらは拳銃を撃つように大砲をぶっ放している」。 管理上の連隊は6個、さらに近衛兵に1個あった。ナポレオンは各軍団に最低1個の騎馬砲兵中隊を、また可能ならば各師団にも騎馬砲兵中隊を割り当てようとした。その能力は十分高かったものの、その結成と維持にかかる費用もかなりのものであった。そのために、騎乗砲兵隊の数は徒歩砲兵隊の数より少なく、構成比は5分の1程度であった。皇帝が騎乗砲兵隊の兵士すべての名前を覚えているなどという自慢たらたらの冗談もあったくらいである。 積まれた訓練、馬、武器や装備以外にも、彼らは多くの軍需品を使った。騎乗砲兵隊は徒歩砲兵隊の2倍、近衛砲兵隊の3倍の費用を要した。 砲車牽引兵 砲車牽引隊(Train d’artillerie)はボナパルトによって1800年1月に創設された。その機能は砲車を曳く馬を御する御者であった。 それまでのフランスでは民間の御者を雇っていたが、彼らは戦火の中では大砲を放棄して自分達や価値ある馬の命を守ろうとした。 砲車牽引隊の要員は、以前の民間人とは異なり、武装し、訓練を施され、兵士と同じように制服を与えられた。閲兵の時の見栄えもさることながら、このことは軍隊としての規律を守り、攻撃されれば反撃することも可能にした。御者はカービン銃と歩兵と同じ型の短い刀および拳銃を携行した。彼らはそれらの武器を使う機会はほとんど無かったが、賭け事や、喧嘩その他各種の遊びごとで確かに評判をとった。 彼らの制服と上着は灰色であり、その頑丈な外観をさらに強めていた。しかし、彼らが戦闘可能ということはコサックやスペイン人またチロルのゲリラに襲われたときに有効であることが証明された。 砲車牽引大隊は、当初5個中隊で構成された。第1中隊はエリートと看做され、騎乗砲兵中隊のペアにされた。中間の3個中隊は徒歩砲兵中隊のペアにされ、予備品箱、物資用荷車の管理や屋外での鍛冶なども担当した。最後の1個中隊は予備役で、新兵や馬の訓練を行った。1800年の方面作戦に続いて、砲車牽引隊は8大隊に編成替えされ、それぞれ7個中隊を擁した。ナポレオンが砲兵隊を増強するにつれ、大隊が追加されて1810年には14個大隊を数えた。1809年、1812年および1813年には最初の13個大隊が倍増され27個大隊となった。さらに1809年以降、戦利品で急増した大砲数の余裕から連隊砲兵も登場し、歩兵連隊付き砲兵用の砲車牽引中隊も創設されることがあった。 近衛兵は独自の牽引隊を持っており、近衛砲兵隊が増えるにつれて近衛牽引中隊も増加したので、当初の牽引大隊から牽引連隊に格上げされた。頂点は1813年から1814年にかけてで、近衛古参砲兵隊は12個牽引中隊に、近衛若年砲兵隊は16個牽引中隊に支援され、砲兵中隊と牽引中隊がそれぞれペアを組んだ。
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砲兵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/04 00:42 UTC 版)
詳細は「砲兵」を参照 大砲を専門に運用するための軍隊の兵科を砲兵と呼ぶ。
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砲兵
出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 00:05 UTC 版)
名詞
発音(?)
- ほ↗ーへー
関連語
翻訳
- アフリカーンス語: artilleris
- アルバニア語: artiljer, artilerist
- カタルーニャ語: artiller 男性
- 中国語: 炮兵
- ドイツ語: Artillerist 男性
- 英語: artilleryman, artillerywoman, gunner
- エスペラント: artileriisto
- バスク語: artillari, artillero
- フランス語: artilleur 男性
- オランダ語: artillerist 男性
- ハンガリー語: tüzér
- ポルトガル語: artilheiro 男性
- ロシア語: артиллерист (artilleríst) 男性
- スペイン語: artillero 男性
「砲兵」の例文・使い方・用例・文例
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