横隊とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 政治 > 軍事 > 隊形 > 横隊の意味・解説 

おう‐たい〔ワウ‐〕【横隊】

読み方:おうたい

横に広がって並んだ隊形。「二列—」⇔縦隊

「横隊」に似た言葉

横隊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/28 07:06 UTC 版)

オーストリア継承戦争ホーエンフリーデベルクの戦いで横隊で前進するプロイセン軍歩兵

横隊(おうたい, line formation)は、歩兵戦闘隊形の一種である。

概要

横隊は、歩兵を横に数列に並べる戦闘隊形であり、広い正面への攻撃力を最大化できる性質を有する。歴史を通して最も標準的に用いられてきた隊形でもある。を装備した古代のファランクスも横隊の一種であった。小銃装備の歩兵で編成された近代的横隊戦術は、七年戦争においてプロイセン王国フリードリヒ大王が効果的に活用した。

17世紀から18世紀のヨーロッパの軍隊では、個々の横隊は歩兵大隊を単位として形成された。横隊の幅は2列から5列とされることが多く、3列とされるのが一般的であった。列と列との間は半メートルの間隔が置かれ、各列の兵士も射撃と弾込めができるだけの間隔を置いて整列した。横隊を組んで戦うには、十分な訓練と、士官下士官による綿密な指揮を必要とした。下士官は横隊の背後に配置され、長い槍を使って隊列を乱す兵士を正す役割をした。

横隊の移動速度は非常に遅く、よく訓練されていない限り隊形を保って前進することは不可能であった。また横隊はその硬直性のゆえに側面や背面からの騎兵の攻撃には脆弱であった。横隊は多くの場合固定的な隊形として用いられ、兵士は縦隊で前進し、敵前で横隊に展開して射撃を開始し、敵陣突破の際には再び縦隊を組んだ。

イギリス軍は、ナポレオン戦争では兵力不足を補いつつ正面火力を最大化する目的から2列横隊を標準隊形とした。2列横隊は19世紀末までイギリス軍で使われ続けた。クリミア戦争バラクラーヴァの戦いでは、第93ハイランド連隊が2列横隊を組んでロシア軍騎兵の突撃を撃退した。

19世紀後半以降、兵器の射程と破壊力が増大したため、歩兵は塹壕や遮蔽物に身を隠して射撃するようになり、横隊を組んで戦うこともなくなった。

関連項目


横隊(Ligne)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 05:10 UTC 版)

大陸軍 (フランス)」の記事における「横隊(Ligne)」の解説

基本的な3階層の横隊を組んだ陣形歩兵騎兵一斉射撃行ったり、正面攻撃を行うときに適していたが、動き比較鈍く側面からの攻撃弱かった

※この「横隊(Ligne)」の解説は、「大陸軍 (フランス)」の解説の一部です。
「横隊(Ligne)」を含む「大陸軍 (フランス)」の記事については、「大陸軍 (フランス)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「横隊」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「横隊」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



横隊と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「横隊」の関連用語

1
横列 デジタル大辞泉
74% |||||

2
縦隊 デジタル大辞泉
74% |||||

3
隊形 デジタル大辞泉
56% |||||


5
右へ倣え デジタル大辞泉
50% |||||

6
開進 デジタル大辞泉
50% |||||

7
デジタル大辞泉
50% |||||


9
嚮導 デジタル大辞泉
36% |||||


横隊のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



横隊のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
航空軍事用語辞典++航空軍事用語辞典++
この記事はMASDF 航空軍事用語辞典++の記事を転載しております。
MASDFでは航空及び軍事についての様々なコンテンツをご覧頂けます。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの横隊 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの大陸軍 (フランス) (改訂履歴)、歩兵の戦術 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS