やま‐どり【山鳥】
ヤマドリ
ヤマドリ
和名:ヤマドリ |
学名:Phasianus soemmerringii |
キジ目,キジ科 |
分布:本州,四国,九州 |
写真(上):ヤマドリ成鳥 |
説明 日本固有種で,5亜種に分けられている。オスは全身が赤銅色であり,古来,和歌にも詠われている特徴的に長い尾羽を有する。メスはキジのメスよりやや濃い赤褐色を持ち,オスのような長い尾を持たない。古くから狩猟鳥として親しまれてきていたが,1970年代から捕獲個体数が激減し,とくに減少の著しいコシジロヤマドリ(南九州に分布する)は,1969年から狩猟禁止となり,さらに1975年には,全国でメスヤマドリが狩猟禁止になった。繁殖期等には,羽を打ちならす特徴的な行動(ドラミング,ほろ打ちとも言う)を示すが,通常は林床域を主な生息地とするために観察が困難で,一夫多妻といわれる婚姻形態もはっきりわかっていない。4〜5月に7〜10個の卵を産卵する。ふ化したヒナはすぐに移動可能で,メス親のあとについて行動する。一般に,早朝と夕刻に沢におりて水を飲み,日中は斜面や尾根で採餌,休息すると言われているが,個体によって日周活動が異なることが明らかになっている。また,狩猟個体数減少を受けて,各地で養殖個体の放鳥事業が行われているが,その効果についての資料はほとんど得られていない。さらに,近年イヌワシ,クマタカといった森林性大型猛禽類の主要な餌動物としてその位置が重要視されてきている。 |
鵫
鶡
鸐雉
山鳥
山鳥
山鶏
ヤマドリ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/17 14:08 UTC 版)
ヤマドリ(山鳥[2]、山雉、鵫、鶡、鸐雉[3]、Syrmaticus soemmerringii)は、鳥綱キジ目キジ科ヤマドリ属に分類される鳥類。日本の固有種。名前は有名だが、野外で出会うのは少し困難な鳥でもある[4]。
- ^ The IUCN Red List of Threatened Species
- BirdLife International 2012. Syrmaticus soemmerringii. In: IUCN 2012. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2012.1.
- ^ a b c d e f g h i j 安部直哉(解説)、叶内拓哉(写真)『山溪名前図鑑 野鳥の名前』山と溪谷社、2008年、330-331頁。ISBN 978-4-635-07017-1。
- ^ 日外アソシエーツ 編『難読誤読 鳥の名前 漢字よみかた辞典』日外アソシエーツ、2015年、20・69-70・75頁。ISBN 978-4-8169-2558-0。
- ^ a b c d e f g 川路則友「見られそうで見られないヤマドリ」『BIRDER』第27巻第1号、文一総合出版、2013年1月、34-35頁。
- ^ a b c d e C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン 編「日本における繁殖鳥リストI」『動物大百科7 鳥類I』黒田長久監修、平凡社、1986年(原著1984年)、184頁。ISBN 4-582-54507-6。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 黒田長久、森岡弘之監修『世界の動物 分類と飼育10-I(キジ目)』(東京動物園協会、1987年)pp.113-114、p.177
- ^ a b c d e f 環境庁 『日本産鳥類の繁殖分布』大蔵省印刷局、1981年
- ^ 高野伸二『フィールドガイド日本の野鳥』(増補改訂新版)日本野鳥の会、2015年(原著1982年)、196頁。ISBN 978-4-931150-62-1。
- ^ a b c d e f 高野伸二『カラー写真による 日本産鳥類図鑑』学校法人東海大学出版会、1981年、248-249頁。
- ^ a b c d 清棲幸保『日本鳥類大図鑑 II』(増補改訂版)講談社、1978年、753頁。
- ^ 小笠原暠「冬期のキジとヤマドリの生息環境と食性について」『山階鳥類研究所研究報告』第5巻第4号、山階鳥類研究所、1968年、351-362頁、doi:10.3312/jyio1952.5.4_351。
- ^ “春の山林に響く 100ヘルツの重低音”. National Geographic. 連載: 日本だけの翼. ナショナル ジオグラフィック協会. 2021年6月20日閲覧。
- ^ “ヤマドリ、実は「一夫一妻」 津の獣医師が発見”. CHUNICHI Web. 中日新聞 (2012年3月7日). 2012年3月7日閲覧。[リンク切れ]
- ^ a b 丸猶丸、一戸健司、斉藤臨、平林忠「ヤマドリ (Phasianus soemmerringii scintillans) の増殖に関する研究 I. 人工授精による繁殖成績」『日本家禽学会誌』第5巻第2号、日本家禽学会、1968年、96-101頁、doi:10.2141/jpsa.5.96。
- ^ a b c d e f 日本鳥学会(目録編集委員会) 編『日本鳥類目録』(改訂第7版)日本鳥学会、2012年、3-4頁。ISBN 978-4-930975-00-3。
- ^ a b 環境省 自然環境局 生物多様性センター:絶滅危惧種情報(動物)- コシジロヤマドリ -
- ^ 蜂須賀正氏「キジとヤマドリの雜種について」『鳥』第13巻第62号、日本鳥学会、1953年、40-43頁、doi:10.3838/jjo1915.13.62_40。
- ^ 風間辰夫「キジ科鳥種の雑種の増殖と識別について」『日本鳥類標識協会誌』第26巻第1号、日本鳥類標識協会、2014年、11-12頁、doi:10.14491/jbba.00052。
- ^ a b c d [Dream]日立移住 ヤマドリ繁殖挑戦/忘れられない味 育てたい『東京新聞』夕刊2024年6月8日1面(同日閲覧)
- ^ “鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律施行規則(平成十四年環境省令第二十八号)”. e-Gov法令検索. 環境省 (2019年12月14日). 2020年8月13日閲覧。
- ^ 丸猶丸、一戸健司ほか「ヤマドリ, キジの人工授精に関する研究」『日本家禽学会誌』第3巻第2号、日本家禽学会、1966年、83-87頁、doi:10.2141/jpsa.3.83。
- ^ a b 猟鳥増殖事業 群馬県猟友会
- ^ 第11次鳥獣保護管理事業計画 静岡県 (PDF)
- ^ a b 養殖ヤマドリ放鳥後のテレメトリー調査 東京都 (PDF)
- ^ 日本キジ・ヤマドリ養殖センター
- ^ 川路則友、山口恭弘、矢野幸弘「栃木県において野外個体群の回復のために放鳥されたヤマドリの運命」『山階鳥類研究所研究報告』第34巻第1号、山階鳥類研究所、2002年、80-88頁、doi:10.3312/jyio1952.34.80。
- ^ 大津正英「テンの冬期の食性」『日本応用動物昆虫学会誌』第16巻第2号、日本応用動物昆虫学会、1972年、75-78頁、doi:10.1303/jjaez.16.75。
- ^ 『広辞苑』第五版「山鳥」の項
- ^ 東洋大学民俗研究会『南部川の民俗 ―和歌山県日高郡南部川村旧高城・清川村―』昭和55年度号(1981年)474頁
- ^ 長沢利明「塩原の民俗知識および俗信」『常民文化研究』通巻12号(常民文化研究会、1988年)8頁
- ^ 臼井健二「八面大王と穂高の地名」『信濃路のエンジョイライフ』1980年10月
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