かつて敵だった味方の妖怪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 00:29 UTC 版)
「ゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター」の記事における「かつて敵だった味方の妖怪」の解説
ここでは敵役として登場し、戦いの末に降参または和解、そして後に鬼太郎の味方として活躍する(原作重視)者を挙げる。敵対したことはあっても群衆扱いだった者は前項を、“敵と味方で別個体と思われる(封印したのに再登場したなど)者”や“原作では倒されたが一部のアニメなどで味方になった者”は後述の「日本妖怪」を参照。 鏡爺(かがみじじい) 声 - 永井一郎(第1作)、宮内幸平(第3作)、丸山詠二(第4作)、石塚運昇(第5作)、塩屋浩三(第6作) 古い鏡の中に潜む老人姿の妖怪。鳥山石燕画の百々爺が姿の原型で、妖怪としては「ゲゲゲの鬼太郎」オリジナルのキャラクター。 若い女性や少女が鏡を用いる際に鏡の中から覗き見たり、いかがわしい真似を働くやや好色な面がある。他方、アニメ第3〜6作では女性や子供を守る紳士的な面もある。 原作「鏡爺」では少女の姿を奪い鏡に閉じ込める(被害者の実体は透明になる。アニメ第1作では捕らえた姿を奴隷にしようとした)。「形が無い故に鬼太郎の必殺技が通じない」という特性で鬼太郎を苦しめたが、本体である鏡に戻った際(普段の姿は老人の遺体に魂が憑依したもの)にその鏡を破壊されて退治された。鬼太郎たちの奪われた姿も一緒に失われるかも知れず一か八かの賭けだったが、彼らは元に戻ることができた。 アニメ第1作では8話に登場。カオリ(声 - 杉山佳寿子)という少女を襲い、捕らえた姿を奴隷にしようとしたが、鬼太郎に鏡を破壊されて消滅した。 第3作では天童ユメコを襲い、彼女が鬼太郎と知り合うきっかけを作る重要な役回りになる。元々はある山村で少女達の守護神とされた鏡だったが、過疎化で村ごと捨てられて屈折していた。多数の鏡を操って囲い込む術や分身能力を使っての猛攻で鬼太郎たちを苦しめ優勢になるが、ユメコが大事にしてくれた女性・はな(鏡じじいは「おはなちゃん」と呼んでいる)の孫と知って改心。原宿の古道具屋に移り住む。その後70話で雲外鏡に騙された鬼太郎たちにぬりかべの妖怪漆喰で封じられるが、無実を信じるユメコに助言し、磯女の協力も得て雲外鏡の魔手から鬼太郎たちを救った。この時ユメコは鏡爺を「ちょっとエッチでロリコンだけど優しい妖怪」と語っている。 第4作では全ての鏡の向こう側に通じる「鏡の世界」の住人として4話から登場。村上祐子達の学校にある大きな鏡の中に住む学校の守護神とされていたが、校長の判断で鏡が粗大ゴミにされて激怒した。子供たちを誘拐し「鏡の世界」に閉じ込めたことで鬼太郎と対峙し、敗北後は改心して田舎の学校に移り住む。その後13話でねずみ男が開催したお化け屋敷にて幼少時の母親の死によるトラウマから失語症になった少年・太郎(声 - 大谷育江)を笑わせてくれるよう父親が鬼太郎に懇願した際、子泣き爺や砂かけ婆らと共に少年を笑わせるのに協力している。 第5作では劇場版に登場。鏡だけに限らずつるつるして姿が映る物なら何にでも移動でき、大きさも自由自在に変えることもできる能力も加わった。元々は大霊山のヤトノカミの封印の番人で人々を蛇神から守る守護神の役目をもっていたが、自身の本体である鏡を祀った社を大事に管理していた風祭華の祖母が亡くなり、華の母・琴から「赤ちゃんが生まれたら会いに来る」という約束を忘れられて孤独と失意の中で屈折していたところを大蛇女に唆され、華を襲い、永遠に心の美しい少女のままにしようとする。ヤトノカミ達と合流した後、大霊山の社の鏡扉の封印を解き華からヤトノカミの魂を取り出せば後は自由にしてよいと言われていたが、そうすれば華は死んでしまうと知り、用済みとして大蛇女に致命傷を負わされたことで騙されていたと気付き改心。完全体となったヤトノカミとの戦いの際、最後の力を振り絞り鬼太郎の霊界符と風祭家の鏡を繋ぎヤトノカミに壊された華と琴の絆を取り戻させた。それまで琴が大人になったことで心の美しさを失ってしまったと嘆いていたが、自分の知る「おことちゃん」の本質は琴の潜在意識の中では変わっていなかったことを知り、彼女に「華と仲良くな」と言い残して消え去った。 第6作でも全ての鏡の向こう側に通じる「鏡の世界」の住人として登場。女の子を鏡の中から覗き見ることを好む好色な面は原作や第3作と同じだが、それ以上の悪戯はしない。山村の旧家・緒方家の老婆の嫁入り道具である古い鏡(元はその老婆の母親の嫁入り道具)に長年住んでおり、その老婆を守護していた。学級で緒方家の見学と掃除に来たまなたちは、それ以来怪現象に見舞われ、消息を絶ったまなの姿を部屋の鏡に見つけた鬼太郎たちは鏡爺の仕業と考え、緒方家の鏡から鏡の世界に入った。だが実はまなたちを狙ったのは庭の石碑から蘇ったがしゃどくろで、鏡爺はそれをいち早く察知しまなを鏡の世界へと避難させ助けていた。内気な性格ゆえ鬼太郎たちにうまく訳を話せなかったが、がしゃどくろに襲われるまなが見つかって誤解が解け、彼女を守り鬼太郎たちと共闘した。まなを見守っていたのは「初恋の人に似ていたから」と言うが(それだけでも鬼太郎たちにドン引きされかけたが)、その後ねこ娘にも同じことを言って惚れるなど実はただの女好きで鬼太郎たちに呆れられてしまい、結局は両者にフラれた。本作では砂かけ婆や子泣き爺と顔見知りの仲。 『パチスロ版』では、鬼太郎のコピーであるブラック鬼太郎を誕生させる。 傘化け(かさばけ) / カサやん / からかさ小僧(からかさこぞう) / 化け傘(ばけかさ) / 唐傘(からかさ) 声 - 兼本新吾(第2作)、小林通孝(第3作初登場第23話のみ)、平野正人(第3作)、草尾毅(第4作)、小西克幸→高戸靖広(第5作・第53話以降)、稲田徹(第6作)、金子はりい(異聞妖怪奇譚)、デーブ・スペクター(実写映画版) 古びた傘が魂を持った妖怪(いわゆる付喪神)。傘に一つ目と両腕、片足を生やしたような姿をしている(作品によっては口が描かれていることがある。両腕は引っ込めることが可能)。傘の色は原作では茶色だが、アニメでは赤が多い。上記のように呼称が多数あるが、「傘化け」以外はその都度記す。 ほとんどの技は一本足を軸にした回転に由来し、飛行・催眠術・丸鋸式に切断・攻撃の跳ね返し・強風を起こすなど多彩。更に必殺技として目から高出力熱線を放つが、鏡に反射されてしまうのが欠点。 鬼太郎作品への初登場は貸本「ボクは新入生」で、ブリガドーンに住む幼い個体「カサちゃん」が登場。 連載作品初登場は『電気妖怪』(初アニメ化第1作第25話)で、ゲゲゲの森の住人で「カサやん」と呼ばれる2体が鬼太郎と子泣き爺をかみなりの住処へ運んだ。 サンデー版の原作『傘化け』及び第2作第24話ではねずみ男に騙されて鬼太郎からちゃんちゃんこを奪い、その霊力を利用して大富豪の一人息子に化けて本物と成り代わり財産を手に入れようとするが、鬼太郎との再戦で熱線を鏡で反射され焼け焦げて敗北、原作では完全に燃え尽きてしまう。第2作では敗北後、ねずみ男が鬼太郎に自分を退治させて礼金をせしめようとしていたことを知って激怒し、当分の間ねずみ男を召使いとしてこき使うことで勘弁することにする。 第2作では24話で敵対した傘化けとは別に「カサやん」と呼ばれる仲間が登場。 雪姫編の『傘化け』では悪意を持った妖怪として生を受け、熱線を放って暴れたり雪姫をさらってこき使ったりしたが、サンデー版同様に鏡台で反射された熱線で燃え尽きた。 第3作では6話と26話で「からかさ小僧」、23話などで「化け傘」の名で登場。23話では雨山博士の施したコーティングでかみなりの放電を防ぎ、26話では妖怪野球チーム選手として登場しバット代わりに和傘を振って試合初のヒットを放った。空輸力として頻繁に登場し、多数で飛ぶ回もあった。 『幽霊大戦争』では複数でぬりかべを現場に運んだ。 第4作では第31話に登場。目玉おやじ曰く「オバケの良い性格だが、あまり頭は良くない」とのこと。無人の炭鉱跡でひっそりと暮らしていたが、仙人を名乗るねずみ男に唆され、鬼太郎を襲撃してちゃんちゃんこを奪う(実際にちゃんちゃんこを奪ったのはねずみ男で、傘化けの熱線が起こした火事の煙に紛れて鬼太郎の頭を殴って気絶させた)。ちゃんちゃんこの霊力で一年前に亡くなった大富豪の老人・伊集院寿太郎に化け、その妻・タエの前に現れて屋敷で暮らすが、自分を夫だと思い込んでいるタエが語った「多忙な金持ちになる前の貧乏な暮らしのほうが長く一緒にいられて幸せだった」という言葉に、「幸せとは決してお金があることではない」と教えられる。その後、ちゃんちゃんこの反応を辿って来た鬼太郎と戦うが、奪い返されたちゃんちゃんこで目隠しをされて落下、逆エビ固めを食らってギブアップし鬼太郎に自分を唆した仙人の似顔絵を描いて教え、黒幕がねずみ男だと判明する(悪事がバレたねずみ男は、砂かけ婆の妖怪アパートで無償労働をする罰を受ける)。最後にもう一度だけちゃんちゃんこを借り、大切なことを教わったお礼として寿太郎を演じ、「自分はもう死んでいて、急な別れが心残りで戻ったがもう行かねばならない。のんびり待っているから、子供や孫たちと長生きして欲しい」と別れを告げてタエの元を去る。 第5作では妖怪長屋の住人として登場。普通の唐傘になりすますことが出来る。ある人間の女性と親しかったが別れてしまった過去から、人間とは距離を置くべきと考えており、58話では鷲尾とデートの準備をするろくろ首の邪魔をしたり、雑巾妖怪ギュギュ(白うねり)を飼い始めた子供たちに、手に負えなくなることを見越して早く成長させる方法を吹き込んだりした。回転を得意とすることから横丁一のコマ回し名人でもあり、自身をコマ、一反木綿を紐に見立てた連携技を使う。 第6作では唐傘の名称を持つ。50年前からろくろ首、あかなめと共に爽快アパートに棲みついており、オーナー夫婦と共に暮らしてきた。豪快で情に厚い妖怪だが、やや浅慮で押しつけがましい面があり、鬼太郎も巻き込んで人間とひと騒動を起こしたこともある。また器物妖怪という性質故か、モノが大事にされることに関して非常に強い想いを持つ。鬼太郎を苦しめてきた過去シリーズと違い大した実力は持っていないが、鬼太郎のちゃんちゃんこを着用した際には妖力を増し、熱線攻撃や傘骨針など多彩な技で鬼太郎を終始圧倒していた。 妖怪千物語では封じ札を貼られてお堂に転がっていたのが、雨宿りした子供たちの一人に封じ札を剥がされ復活。熱線を放って暴れ催眠術でねずみ男と猫娘を操り鬼太郎共々焼き殺そうとしたが、ぬりかべ反射鏡で跳ね返され自分が焼け敗北。鬼太郎に火を消されて助命され改心、以降は仲間になる。 ゲーム『異聞妖怪奇譚』ではねこ娘や子泣き爺に成りすまして放火していた。特定条件下で仲間にできる。 あかなめ 声 - 北川国彦(第2作8話)、今西正男(第2作28話)、つかせのりこ→頓宮恭子、難波圭一(第3作)、粕谷雄太(第6作) 浴室に現れて長い舌で湯垢を舐めるという妖怪。ザンバラ髪で緑色の肌をした子供の姿で描かれることが多い。 『あかなめ』(初アニメ化第2作28話)では人間が捨てたゴミが集まり変化した巨大あかなめが出現、緑色の肌をしたあかなめとは別種の存在で、触れた物全てを自分の体と同化させる。東京を占領してゴミや害虫の王になろうとし、鬼太郎をも吸収した。進化した蝿・ブン太の入れ知恵でねずみ男が古代植物の種を探し出し、猫娘を騙して植え付けさせたため体の養分を全て取られ東京湾に倒れ緑の島になった(『妖怪千物語』では猫娘と目玉親父が種を探し出して植えた)。このあかなめもまた、牛鬼と並ぶ鬼太郎の手には負えず鬼太郎以外の人物が対応した数少ない妖怪である。『釜なり』『傘ばけ』などでは妖怪アパートの住人としてあかなめの姿が見られる。 アニメ第2作8話では、更に別種の老人姿のあかなめが登場。外見は登場したあかなめの中で一番人間の姿に近く、汚れを浄化する力を持ち清潔好きな性格。人間の環境汚染に怒って汚れを養分に育つマンモスフラワーを繁殖させたが、鬼太郎との話し合いで和解した。 伝承や水木の妖怪画にも描かれているザンバラ髪で緑色の肌をしたタイプは、アニメ第3作の第8話が初登場。だるま妖怪相談所の客として訪れ、現代の人間の風呂が清潔過ぎて舐める湯垢が無いことを嘆いていた。33話でゴミの化学物質を食べ巨大化した時(原作『あかなめ』がベース)は獲物を舌で捕らえ呑み込んでいた。古代植物の力で元に戻った後は鬼太郎の仲間となる。 第4作では第16話に登場。本作では言葉を喋ることが出来ず、声もほとんど発しない。ねずみ男の住む廃アパートに白溶裔と住み付き、インチキ商売の片棒を担ぐことになる。清掃会社「クリーンネズミ」の特殊作業員として、あらかじめ白溶裔がつけたカビを舐め取って綺麗にしていたが鬼太郎たちにバレてしまい、クリーンネズミは解散となり、名残惜しみながらねずみ男のもとを去っていく。都会の汚れを吸収して白溶裔と同様に巨大化するが過去のシリーズのように狂暴化はしておらず、白溶裔に吹き飛ばされそうになったねずみ男を助け、白溶裔の汚れを舐めて元に戻そうとする。抵抗する白溶裔の尾の攻撃を食らって倒れこんでしまうが、風神と雷神が起こした暴風雨で衰弱した白溶裔をねずみ男と共に必死で庇う。その後、元の姿に戻り、白溶裔、ねずみ男と一緒にアパートに帰っていった。 第6作では、第23話でろくろ首、唐傘と共に50年前に爽快アパートに住み付いた妖怪として初登場。第4作と同じく言葉を喋らないが、鳴き声的な発声で妖怪同士では意思が通じる。ヤモリのように壁や天井に貼り付いて風呂場に現れ、湯垢を舐めて住人を怖がらせたが特に危害を加えることは無い。体から紫色の煙を出して煙幕を張る能力を持つ。最高の垢を舐められるアパートから出て行きたくないとろくろ首たちと号泣し、大家の計らいで住むことを許されてからは、地上げ屋を鬼太郎ファミリーの手を借りて追い払ったり、大家夫妻の孫娘の夏美と遊んだり(幼い夏美からの愛称は「あかにゃー」)と良き住人となる。夏美の将来を考え、長い間姿を消して見守っていたが、彼女が交際相手に騙された際に姿を現し、落ち込む夏美を慰めようと頬を舐め、それが彼女の忘れていた記憶を呼び覚ますきっかけとなった(夏美を騙した交際相手は、以前に現れた地上げ屋の一員で、鬼太郎たちが再び地上げ屋事務所に出向いて全員を徹底的に懲らしめた)。アパートが妖怪専用アパートになってからは、新たなオーナーとなって時々アパートにくる夏美を喜んで迎えている。ブン太(ぶんた) 声 - 八奈見乗児(第2作)、龍田直樹(第3作) 『あかなめ』(アニメ化作品第2作28話、第3作第33話)に登場。元々はただの蝿だったが、ゴミ捨て場にいた時に有機物が起こした化学変化の影響による進化の結果、知力が異常に発達し人語が話せるようになった知恵蝿(チエバエ)(厳密には「妖怪」か蠅の進化した「新種の生物」か、分類の言及が本編でもされておらず不詳である)。自分の住処でもある汚い場所がゴミの不法投棄などで、今や様々なゴミが大量に集まりすぎたせいで、想像もつかない化学変化が起き始めていると鬼太郎たちに忠告し、危惧していた通り巨大なゴミの妖怪あかなめが生まれる。あかなめにより鬼太郎親子も犠牲になってしまい成す術がなくなってしまうが、生命の強さで有名な古代植物の一種の種の在処を教え(第2作ではゴミの山から掘り出し)ねずみ男に託し、ねずみ男が猫娘を唆しそれを植え付けさせたことであかなめは巨大な樹と化し結果的に街を救った。その後、東京に緑が戻ってしまったことで自分の住む場所ではないと判断し、人間に「人間共、過ちを再び犯すなかれ」と聞かれることなく忠告を残した後、新しい住処を求めて旅立って行った。 アニメ第3作では、若干上から目線となっており同様の役回りであったが暴走したあかなめの退治方法までは知らず去ってしまい、その役は閻魔大王が担った。 小豆洗い(あずきあらい)/ 小豆とぎ 声 - はせさん治(第1作)、平野正人(第3作)、田中和実(第3作代役)、西村知道(第4作)、小西克幸(第5作)、宮澤正(第6作) 河原で歌いながら小豆を磨ぐ妖怪。ゲゲゲの森の住人。禿頭の老人のような姿をしている。 原作「小豆連合軍」では敵として登場。工場廃水で小豆畑を汚染された報復に仲間の小豆はかり・小豆婆と共に工場の機械を壊し、人間の顔から養分を小豆として搾り取る術をかけた。ゲゲゲの森に畑を持つことで鬼太郎達と和解した。 アニメでは第1作第7話初登場。第3、4作にも登場し、特に4作では現代社会に生きる善良妖怪として、哀愁を漂わせている。 第5作では妖怪横丁で饅頭屋を営んでいる。第83話で山梨県代表の妖怪四十七士に覚醒した。 第6作では第31話に登場。人間が小豆の存在を忘れつつあることを嘆いており、ねずみ男に唆され小豆はかり、小豆婆と共に動画配信によって小豆を宣伝しようとする。配信は人気を博したものの方向性の違いによる小豆連合の解散やねずみ男の見限りによって小豆の復権という計画は頓挫、逆恨みで人々に小豆畑を植える術をかけ混乱を起こすが、小豆はかりや小豆婆の説得により改心し小豆連合としての再出発を決意した。 また、彼と外見が似ている妖怪「物の怪」(あまめはぎとも似ている部分がある)が「鬼太郎夜話」に登場している。 小豆はかり 声 - 塩屋浩三(第3作、第6作)、里内信夫(第4作)、小形満(第5作) 民家の天井裏から小豆を撒く音を立てる妖怪。大量の毛に覆われた大きな頭と小柄な体格が特徴。小豆連合軍の一人。太鼓を叩いて、人間の顔から小豆を搾り取った。 小豆婆(あずきばばあ) 声 - 青木和代(第3作)、宇和川恵美(第4作)、上村典子(第5作)、斉藤貴美子(第6作) 小豆洗いと同じく、河原で小豆を磨ぐ老婆の妖怪。小豆連合軍の一人(アニメ第3作・第4作ではリーダー的存在)。アニメ第6作では普段は「あずきぃ」としか発言しないように振舞っているが、本当は従来の作品同様に普通に他者と会話できる。 地獄童子(じごくどうじ) 声 - 堀川亮(第3作・地獄編) 閻魔大王の従者兼用心棒として現れた謎の少年。正体は鬼太郎と同じ幽霊族の血を引く半妖怪。長いエリマキが武器で、ロープとして妖力で硬直させて剣としても使用する。はじめ鬼太郎とは敵対するが、和解して共闘した。最終回ではぬらりひょん撃破後、地獄の平和を守っていくとして地獄に残った。原作では貸本時代のエピソードを元にした「妖怪水ころがし」にて溶けてしまう。後日談的な内容の3部最終作SFC版でも彼の最後的な内容の終わりがある(その最後は敵妖怪に肉体を乗っ取られたのか殺されたのか真意は定かではない)。 登場は原作『最新版』およびアニメ第3作『地獄編』のみ。原作・アニメとも幽子(ゆうこ、声 - 江森浩子)という名の亡者の少女を恋人にしている。考案者は1980年代当時に水木プロで『最新版』を作画していた森野達弥。1994年に森野はスピンオフ作品「地獄童子」を発表している。 のっぺらぼう 声 - 富田耕生(第1作)、安西正弘(第3作)、山口勝平(第4作)、くまいもとこ(第6作) 顔がなく口だけのどこか間の抜けた感じのする妖怪。初登場は『のっぺらぼう』。 墓地で人魂を捕えて天麩羅にし、それを食べさせた相手から顔を奪い取る能力を持つ。また、奪われるのは顔全体ではなく、鼻から上の部分(つまり被害者はのっぺらぼうと同じような顔となる)。ねずみ男に人魂の天麩羅を食べさせて顔を奪い、取り返しに来た鬼太郎を餅にして食べようとするが、体を変形させた鬼太郎に包まれ腹の中に入れられて降参する。 アニメでは第1作第45話で初登場。最初は死人の顔を盗んでいたが、あまり長持ちしないため生きた人間の顔を奪うことに変更する。初めにねずみ男の顔を奪った(人魂の天麩羅、人魂のスープ、墓地の梅で作った梅酒でもてなした)が、「見れば見るほど間延びしたくだらん顔」として気に召さず、鬼太郎を見て「奴の顔なら一級品」として人魂のスープで握った握り飯を食べさせて顔を奪うことに成功する。その後、ねずみ男と手を組み人魂入りのポップコーンを配り36人の顔を奪い続ける。しかし、鬼太郎に人魂入りのアイスクリームを食べさせられ顔を奪還される。その後、降参するふりをしながらあらかじめ仕掛けておいた落石の仕掛けで鬼太郎を潰し、餅の中に入れて鬼太郎餅にして食べようとしたが、逆に自分が餅に包まれて完全に降参し36人の顔を返し、二度と顔を盗まないことを鬼太郎と約束した。第2作では、第2話でチー一味との戦いに参戦。 第3作では第16話初登場。人魂を食べないと生きていけない妖怪で、相手に抱きつき体内に取り込むことで顔を奪い取る妖術を持つ。奪った顔は体内に貯めこまれており、取り込んだ相手に別の顔を着けることも可能。また、飛行能力も備えている。本来は無欲で善良な妖怪らしく、ぬらりひょんに人魂の豊富な場所を紹介された恩義から、妖術で顔を奪い指名手配中の犯人(声 - 千葉繁)の顔を取り換えるという役目を担う。大金を手に入れたぬらりひょんにお金を差し出されるも本人は「人魂の豊富な場所を教えていただいているから、それだけで十分」として受け取らなかった。その直後、鬼太郎と対峙するが、オカリナロープで腹を絞められて奪っていた顔を全部吐き出して敗れた。その後は、改心したようで鬼太郎の仲間として度々登場した。 第4作では第7話初登場。美味しいと評判の蕎麦屋を営み、客から代金の代わりに顔を奪っていた(ねずみ男も被害に遭った)。直接相手の顔を「食べる」ことで顔を奪う妖力を持ち、鬼太郎のちゃんちゃんこを菜箸で絡めて鍋に入れる、箸でリモコン下駄を受け止め天井に刺すなど料理道具を使った武術に秀で、調理場では無類の強さを発揮する。改装中のホテルの調理場で猫娘、一反木綿、ぬりかべの顔を奪い、鬼太郎も餅に包み食べようとしたが、鬼太郎を食べたはずが実際食べたのはちゃんちゃんこで、鬼太郎が腹の中でちゃんちゃんこを膨らませ破裂寸前まで追い詰められ降参、二度と顔を奪わないと誓い持ち主全員に顔を返す。改心した後は田舎で無農薬農業をして暮らしており、同じく人間が顔を奪われる事件が発生した第21話にて再登場。真っ先に疑われたが、真犯人が白粉婆と判明し鬼太郎と共闘、白粉婆の顔を奪って顔を盗られた被害者と同じ苦しみを味わわせ、人間たちの顔を取り戻す。その後も準レギュラーとして度々登場する。 第6作第44話でエピソードの中心人物として登場。善良で人間の子供と遊ぶのが好きな妖怪だが、見た目を恐れられ逃げられてしまうことが多い。過去に出会った少年・北島敦(きたじま あつし、声 - 岡本寛志)のことを親友としてずっと思い続けており、敦が成長して姿が見えなくなってもSNSで連絡を取り合うなど陰から見守り続けていた。一度は誤解から敦に拒絶されてしまうも、敦を妖怪・白粉婆の襲撃から身を挺して守ったことで晴れて親友になった。 『妖怪千物語』では悪役扱いで第18話に登場。ラーメン屋台を開いて人間に人魂の天麩羅(味は美味らしい)を食べさせ顔を奪いコレクションにし、顔を奪われた人間を操っていた。鬼太郎は自分の顔を霊力で消しのっぺらぼうに接近するが、見抜いていたのっぺらぼうは鬼太郎に無理矢理天麩羅を食べさせ顔を奪い、奪った顔を飲み込み鬼太郎の顔と能力も奪い取る。しかし鬼太郎の念力で顔を締め上げられ苦しみ降参、顔を持ち主に返す。 「人魂の天麩羅を食べさせ顔を奪う」構想は『のっぺらぼう』以前に鬼太郎以外の水木作品『なまけの与太郎・顔ぬす人』でも描かれている。そこでの「顔ぬす人」の姿はねずみ男だった。ぬっぺらぼう / ぬっへふほふ / ぬっへほふ 声 - 永井一郎(第1作)、龍田直樹(第6作)、海津義孝(異聞妖怪奇譚)、きたろう(実写映画版) 顔のような皺のある肉塊に手足が生えた姿の妖怪で、のっぺらぼうとも同系統の存在。本来は日本本土の妖怪だが、初登場の「朝鮮魔法」およびそのアニメ第3作版の66話では韓国、初アニメ化の第1作57話「隠形魔法」では沖縄の妖怪とされた。3人兄弟が歌声で獲物を魅惑して若さを奪い、抵抗する者を“魔法”で叩き潰す。鬼太郎も若さを奪われ、“魔法”に立ち向かったぬりかべは腹を蹴破られた。だが鬼太郎が悪臭の息を“魔法”にかけると蝿の大群が集って巨大なぬっぺらぼう(透明かつ巨大な4人目の兄弟)の正体を現し、蝿を食べに集まった雀の群れに突かれ、その傷からの出血で集まった蛭の群れに血を吸い尽くされて倒される。追い詰められた残りの3人はエキスにして集めた若さを返し逃げ去った。 第3作では4人目は蜜をかけられ蜂の群れに集られて正体を現し拘束される。若さを返した後は農耕で暮らすと約束し4人とも許された。 第5作では妖怪横丁の住民。 第6作では第82話にぬっぺっぽうという名で登場。ねずみ男と手を組んで、美容クリームと称し若さを奪うクリームを売るが、実はぬらりひょんの軍資金調達に利用されていた。歌声の妖術で鬼太郎、猫娘、一反木綿も老化させ(砂かけ婆はクリームを使っていた影響で認知症になってしまう。ぬりかべは耳がないため効かなかったが、原作同様謎の力に腹を蹴破られた)苦戦させたが、謎の力は砂かけ婆の砂を浴びて巨大ぬっぺっぽうの正体を現し、砂かけ婆と子泣き爺の大火炎岩石弾で消滅。その後老化させられた鬼太郎たちは全て元の状態に戻った。 「魔笛エロイムエッサイム」ではぬらりひょん一味だが、処刑用毒井戸の実験台にされる悲惨な役。 ずんべら 声 - 青木笑児(第2作)、久川綾(第6作) アニメ第2作第41話「霊形手術」、第6作第15話「ずんべら霊形手術」に登場。原作は鬼太郎の登場しない短編『霊形手術』。のっぺらぼうやぬっぺほふと同じ系統の妖怪で、本作では顔を盗るのものっぺらぼうと共通しているが、のっぺらぼうと唯一違う点は、のっぺらぼうが顔を盗ると口だけ残るのに対してずんべらは口を含む顔全体が無くなってしまう点である。2作では男性型だが、6作では女性型で登場。 第2作ではスーツを着た男性の姿で、人前では収集した死人の顔を付けている。生きている人間の顔を盗ることもできるが、普段は死人の顔を収集しており、目玉おやじ曰く、「顔をコレクションすることこそ、奴の因果な宿命、存在理由」。人魂を入れたドーナツやケーキを食べさせることで面の皮を剥がして手に入れるなど、やり方ものっぺらぼうと全く変わらない。面の皮は、自分の言うことしか聞かない特殊な金庫に入れて保管する。面の皮が剥がれた人間は手描きで顔を描くことができるが、布で拭かれたり涙を流すと溶けて消えてしまう。整形を繰り返している人間の女性・月子の婚約者であるがお世辞にも美男とは言えない三吉は、「見た目が醜い」という理由で虫けらのように忌み嫌われ中々結婚を認めてもらえず自分も整形をすると告げるが月子は「整形はある程度の土台が無いと効果が無い」と罵倒して相手にしなかったため深く傷つく。その後、ある喫茶店でねずみ男と知り合い、顔の土台を綺麗さっぱり無くすことができる霊形手術の話を持ち掛けられ、1万円を払ってズンベラを紹介される。人魂入りのドーナツを食したことにより面の皮を剥がされ自ら顔を描き、改めて月子に結婚を申し出るが、逆に月子はその手術を施したズンベラに興味を抱き是非自分にも紹介してと懇願した。その様子を猫娘が見て鬼太郎親子に相談したところ、ねずみ男も一枚噛んでいることから危険視し、ズンベラの顔盗り作業に立ち会いに行く。すると、そこではズンベラと月子の結婚式が挙げられそうになっていた。このままでは街中に顔盗り事件が氾濫してしまうことを恐れた鬼太郎はその結婚に反対して面の皮が入った金庫を盗み出し、それを目玉おやじに預け深い山の中へ隠した。しかし、月子は自分の面の皮を自ら剥がして捨てズンベラの顔のコレクションを返すようせがんできたため、あまりの欲望に凝り固まりコチコチの石と化してしまった。ズンベラは鬼太郎たちが来る前に月子から「人魂を養殖して顔を集めよう」と唆されたと語っており、彼女のあまりの欲深さを見た鬼太郎は「妖怪以上の妖怪だぜ、この人間は」と酷評していた。石になった月子は三吉に抱きかかえられて運び出され、鬼太郎も「あの石はあの人に供養させるのが一番良いかもしれない」と判断して見送った。その後、鬼太郎はズンベラに金庫を返す代わりに三吉の顔を返して貰い、ズンベラも改心してねずみ男とも縁を切り、生きている人間から顔を盗るのを止めて死人の顔だけを収集することを決め鬼太郎たちと別れた。 第6作では黒い和装の美女の姿で(老婆の姿になることもできる)、美を追求するあまり水銀(昔は仙薬になると信じられていた)を飲んで中毒死した女性が妖怪化した存在。霊形手術には人魂の天ぷらを使い、剥ぎ取った顔はつづらの中の木箱に入れて保管している。「美に狂う女たちが愛おしい」として、美への執着心が強い女性に近づき、その顔を剥いで死人の顔に張り替える霊形手術を無償で施す。しかし、死人の顔は長くは持たず時間が経つと消えてしまい、のっぺらぼうと同様の顔無しになってしまうため、美しい顔を維持するには定期的に顔を張り直さなければならない。作中ではまなの同級生で、自分の顔にコンプレックスを持つ少女・房野きらら(ふさの きらら、声 - ゆかな)と、彼女が追いかけをしていた男性アイドル・ユウスケ(声 - 赤羽根健治)のファン代表(声 - 川庄美雪)に霊形手術を施すが、二人とも程なくして顔が消えてしまう。まなから助けを求められた鬼太郎と猫娘は、きららたちを連れてずんべらを訪ね、顔を戻すように要求すると、ずんべらは素直に承諾し、保管していた二人の顔を返す。ファン代表は自分の顔を受け入れるが、自分の顔へのコンプレックスが強いきららは元に戻ることを拒絶し、その場から逃げ出してしまうが、彼女を見つけたユウスケから「自分は外見よりも君の心の美しさが好きだった」と説得を受け、ようやく元の顔を受け入れた。その後、鬼太郎から人間の顔を取るのは止めるように言われたずんべらは「私は何もしないさ、女が私を必要としない限り」と含み笑いしながら告げ、鬼太郎たちと別れた。全てが丸く収まったかに見えたが、物語の結末で、美しい顔で女優としてハリウッドデビューしたきららの姿を見てユウスケ達が愕然としており、本当に整形した顔なのか未だ霊形手術を施し続けているのか真相は不明。 白坊主(しろぼうず) 声 - 平井啓二(第5作) 足の無いのっぺらぼうのような姿の妖怪。 アニメでは第3作初登場。 第5作では大阪府出身。輪入道が営む運送屋に火車と共に勤める。第90話で火車が冤罪を晴らすために鬼太郎と入れ替わったことを知り、輪入道に伝えて共に畑怨霊戦の応援に駆け付ける。顔から放つ光線で姿を隠した畑怨霊を見破り、この戦いで輪入道や火車と共に妖怪四十七士に覚醒した。 毛目玉(けめだま) 声 - 矢田耕司(第2作)、はせさん治(第3作)、田の中真弓(第5作) 目玉おやじに毛が生えたような姿の妖怪。 初登場は『鬼太郎のベトナム戦記』で、ベトナムで百年眠っていた目玉おやじの従兄弟という設定だった(幽霊族との関連性には触れられていない)。少年誌初登場は『髪さま』(単行本にて『髪の毛大戦』と改題)。『ベトナム戦記』とは別設定で、離島を支配する髪様の忠実な僕として登場。 鬼太郎に髪様が敗れてからはしばらく登場しなかったが、『妖怪危機一髪』では鬼太郎の仲間として登場、役割上は『妖怪反物』での丸毛と一緒で、この時は目玉おやじと共にヒ一族のアジトに潜入した。 アニメでは第2作第9話で初登場。「(目玉おやじとは)関係ない」と言っている。アニメ第3作および第5作では、親類である原作とは異なり髪様の部下である。 第5作44話では、髪様の妖力強化のために鬼太郎の妖力を狙い、目玉おやじを捕らえ自分の毛を剃ってなりすまし妖怪横丁に潜入。本物がイメチェン宣言した直後なので雰囲気が変わっても住民たちはなかなか気づかなかった。だが鬼太郎と過ごす内に情が移り、彼を生贄にする段になって髪様を止め、お供えを増やすことで妥協してもらった。その後性格がかなり丸くなり目玉おやじとも意気投合し友人になる。 夜行さん(やぎょうさん) 声 - 大竹宏(第3作)、掛川裕彦(第4作)、川津泰彦(第4作第47話)、佐藤正治(第4作第114話)、楠見尚己(第5作)、高塚正也(第6作) 1つ目の髭を蓄えた鬼。首切れ馬に乗っている。初登場は1980年代『最新版』第2話で、百鬼夜行衆の大将。当初はぬらりひょん一味だったが、第6話で鬼太郎に敗れ、部下共々鬼太郎ファミリーに入った。地獄編「最後の出会い」では餓鬼道の番人。他シリーズの夜行さんと似た姿の部下多数を、鉄の皮膚を持つ大将が率いている。 アニメ第3〜5作では妖怪発明家という設定で妖怪戦車などを製作している。 第4作では妖怪検事の資格も持っている。約束事には厳しい。最終回ではヒ一族の巫女の策で毒で倒れた鬼太郎に解毒剤を飲ませ救い、妖怪自動車で無明彼岸の世界に向かう死神の汽車を止める活躍をした。 第5作では妖怪横丁に研究所を構えるが研究所に中は埃だらけ。首切れ馬(くびきれうま) 夜行さんが乗る頭部の無い馬。『最新版』6話、「最後の出会い」、アニメは第3作113話、第4作37話に登場。第5作では「妖怪横丁ゲゲゲ節」の歌詞に名が出ているものの、本編未登場。 夜道怪(やどうかい) 声 - 中田譲治(第5作) 風呂敷包みを背負った旅装束の僧侶の姿をした妖怪。伝承では子供をさらうとされる。 「魔笛エロイムエッサイム」ではぬらりひょん一味。獣のような顔で、杖から炎や電光を放って攻撃する。 アニメ初登場は第5作第52話。一人称は「あっし」。闇を自在に操る力を持ち、一宿の恩に報いようとする義理堅い性格だが人間の感覚とはズレがある。塾での成績が振るわない少年・光一(声 - 高木礼子)の家の軒先で雨宿りをし、その礼に「成績が一番になりたい」という願いを、塾生(声 - 日比愛子他)を次々と闇の中に引き込み「競争相手がいなくなる」形で叶えようとし、塾生を襲っていたところを偶然近くにいた鬼太郎と遭遇する。髪の毛針やリモコン下駄を風呂敷や杖で防ぎ、ちゃんちゃんこの拘束を闇に潜って逃れ、逆に鬼太郎を撤退させる等、かなりの強者ぶりを見せ、その後に光一を除く塾生全員を闇の中に引き込むも感謝されず、彼の「なにも考えずに言った」という発言に怒って闇の中に引き込もうとしたところで鬼太郎と再び対峙する。敗北後は反省して子供達を解放し、鬼太郎と和解し去って行った。後に72話で、妖怪城の風竜の攻撃でピンチに陥った鬼太郎達を引き込んで救い、横丁へ送り届けた。さらに79話では呼子の声を聞き、鬼太郎達の元へ駆けつけ埼玉県の妖怪四十七士として覚醒し、影を操り槌の子の動きを封じて鬼太郎を勝利へ導いた。以後は四十七士の中でも折り紙付きの実力者として活躍する。 ひでり神(ひでりがみ) 声 - 内海賢二(第1作)、はせさん治(第3作)、立木文彦(第4作)、小野坂昌也(第5作)、江原正士(第6作)、大竹宏(異聞妖怪奇譚) 一眼の狒々のような姿の妖怪(一腕一足とされる伝承と違い、手足は2本ずつある)。初登場は『ひでりがみ』(初アニメ化第1作43話)。口から熱風や火炎を吐き、高温に晒されるほど強くなる。また、黒雲に障子戸が付いた「妖怪ホバークラフト」で空を飛び移動する(第4・5作では天気を操作することが可能。第6作では白雲で、自宅も兼ねている)。ねずみ男と組んで週刊雑誌「妖怪パンツ」の編集者2名を誘拐し、身代金を要求したため鬼太郎と対峙。一度は火山の火口に落とされるが炎の塊のような姿にパワーアップして鬼太郎を苦戦させる。しかし鬼太郎が誘導した野づち塚へ攻撃を当て塚を壊し、冬眠から目覚めた野づちに吸い込まれてしまう。吐き出された時にはエネルギーを吸い尽くされて老化しており、もはや暴れる気力も無く「山に入って死を待つばかりだ」と言い編集者たちの居場所を教えて去って行った。目覚めた野づちは鬼太郎が説得して冬眠に戻った。新編ゲゲゲの鬼太郎『月の妖怪桂男』では回復していて救援に呼ばれ、口から猛烈な「日照り」を桂男に浴びせ、水分を蒸発させ桂男を縮めて降伏させる。 アニメ第3作では、29話初登場。うっかりもので食いしん坊の基本的には大人しい妖怪で、絵を描くことを趣味としている。棲み処の地下洞窟で絵を見たねずみ男が一儲けしようと企んで手を組み、漫画雑誌の編集者に売り込むも、子供の落書きレベルの絵を見た編集者から「売り物にならん」と酷評されてしまう(激怒するが編集者に怒鳴り返され、「だから嫌だと言ったのに」「才能が無いんだ」と酷く落ち込んでしまう)。仕方なく誘拐作戦に切り替え、ねずみ男が地下洞窟に編集者を隠している間に身代金を取りに来たところで鬼太郎と対峙。原作通り野づちに吸い込まれて懲らしめられ、地下に戻った。その後は老化も回復し改心して仲間になる。劇場作品『最強妖怪軍団!日本上陸!!』では再登場した日本妖怪の中でも目立つ存在で、趣味を活かして友好盆踊り大会の垂れ幕の文字を書くなど会場設営の手伝いをしており、その後も日本妖怪軍団の一員として中国妖怪との戦いに参戦。因縁ある野づちとは、進軍時に「今日は仲良くやろうぜ」と声を掛け、反物にされた際にも「仇は頼んだ」と言うなど、むしろ仲が良かった。 第4作では76話登場。本作以降は野づちとは無関係。北陸の農村で山の神として祀られ、年に一度、地酒「山一錦」を祠に供えられることで天気を見守っていた。しかし、酒造工程が機械化されたことで味が変わったのを「ニセモノを渡された」として激怒し、妖怪ホバークラフトで雨雲を吸い取り、伝承通りに日照りを起こして人々を困らせていた。インチキ雨乞いを行っていたねずみ男と組んで「本物の山一錦を三樽と現金百万円を持ってくれば雨を降らせる」と要求し(ひでり神自身は金などどうでもよかった)祠に樽酒を持ってこさせ味見するが、「山一錦ではない」と余計に苛立つ。山一酒造の蔵元が「正真正銘の山一錦だ」と主張したことにより激昂し、危害を加えようとしたことで鬼太郎と対峙。敗北後も「自分は悪くない」と主張するが、子泣き爺が連れてきた蔵元の父親が私用に仕込んだ酒を飲み、「これが待ち望んでいた味だ」と感激する。酒を喜んでくれたことを先代に感謝されると共に、工程の機械化と大量生産も止むを得ないと判断した説明を受け、自分がいる限り手作りの酒を供えることを先代から約束されると「爺さんの無念も知らずにすまなかった」と素直に謝罪する。一件落着の後に山一酒造で開かれた宴会に鬼太郎たちと共に参加し(ねずみ男は便乗して金を巻き上げようとした罰で、外に樽詰めで放置される)、純米吟醸の酒風呂に入る目玉おやじに「贅沢だ」と苦言を呈している。 第5作では妖怪界の小説家で、他シリーズと違い着物を着ている。基本的に温厚な性格をした大人しい妖怪だが、書いた小説をねずみ男の紹介で訪れた雑誌の編集者に差し出していたところを魔女ザンビアに妖怪操縦機で操られ暴れ出してしまう。事態収束後は売込みが破談したために鬼太郎とねずみ男に書いた作品を見せるが、内容はかなり怖いものらしく原稿を1枚見ただけで2人揃ってかなり怖がっていた。 第6作では81話登場。外見は第5作とほぼ同じ。葛飾北斎の作品を初め約200年来の漫画好きで、執筆を思い立ち出版社に持ち込みを始めるも見た目のせいで怖がられていたが、「週刊少年マシンガン」副編集長の角富(すみとみ、声 - 楠大典)と出会い、彼の指導やねこ娘たちの協力もあって「ロケットメン」を連載、人気を博し日本コミック大賞の候補に挙がる。しかし、ねずみ男の違法漫画サイト摘発の影響で妖怪が漫画を描くことに難色を示した出版社上層部の意向で漫画は打ち切りとなり悲しみに暮れるが、編集長や上層部のやり方に愛想を尽かし辞表を叩きつけた角富や多くのファンの励ましを受けて再スタートを決意し、角富と立ち上げた雑誌「月刊少年マグナム」で新連載を開始する。 ゲーム『異聞妖怪奇譚』では特定条件下で仲間にできる。 だるま 声 - 北川米彦(第1作)、滝口順平(第3作・第8話)→大竹宏(第26話)→田中康郎(第55話以降)、田中信夫(第4作)、麦人(第5作) 文字通り手足の生えただるまの妖怪。別名「おばけだるま」。腹から大量の子だるまを出す。子だるまはだるまの内臓でありその内の心臓に当たるもの(アニメ第1作では白、第3作では青色、第4作では止まっているときに脈打っている、第5作では黄色でサングラスをかけた「笑いのツボ」)が弱点。 初登場は『だるま』。とあるマンションビルに存在しないはずの4階(「4」は忌み数であるため、「3階」の一つ上を「5階」と呼んでいた)に住まわせてくれるよう懇願し(大家は「無い物は貸せない」と当初は断ったが、「無い物に金を払うのだから、損はしない」と言い包められ了承してしまう)、妖怪仲間を引き連れて入居するが本当の目的はビルを乗っ取ることであり、妖怪仲間と共にビルの住民たちを怖がらせ次々と追い出した。鬼太郎の策で煙草の煙で妖怪仲間は燻し出され、自身は鬼太郎との一騎打ちで腹から子だるまを出して反撃に転じあと一歩という所まで追い詰めたものの、心臓の子だるまを掴まれ噛まれてしまい、降参して命乞いをし「もう二度とこの世には姿を現さん」と約束して許してもらいビルを去った。 アニメでは第1作第59話初登場。忌み数「4」を飛ばすことで生じた空間に住んでいたがそれが少なくなった事情が加えられている。原作同様ビルを乗っ取り、鬼太郎と一騎打ちし投げ飛ばされてもだるまの名に恥じない特性で絶対倒れなかったが、リモコン下駄で両目を失い、原作同様に子だるまを出すも心臓の子だるまを掴まれ敗北。目玉おやじによると「ヨーロッパにでも渡っておんぼろビルの13階にでも住むかもしれんな」という(西洋では13が忌み数だから)。このことから、鬼太郎に「考えてみるとだるまもかわいそうな妖怪ですね、人の嫌がる所を見つけてひっそりと暮らすんですから」と同情された。第2作では、第2話で鬼太郎に味方してチー一味との戦いに参戦。 第3作では第8話初登場。ビルへの入居の経緯や終盤の鬼太郎との対決への展開は原作とほぼ同様。ねずみ男の入れ知恵で文明の発展に悩む妖怪たちの相談を受ける「妖怪相談所」を開くも思うように相談料が手に入らず、ビル乗っ取りを勧められて行動に移してしまう(ねずみ男は大家夫妻から鬼太郎の仲介料を取ろうとも画策していた)。だるまが鬼太郎に負けてビルを去った後(「お邪魔しました」と挨拶した)、ねずみ男は罪滅ぼしとして、全室に新しい入居者が集まるまでただ働きさせられる羽目になった。だるまは第26話以降、鬼太郎の味方として頻繁に登場した。 第4作では第105話登場。人間や妖怪を呑み込みだるまに変える能力を持ち(猫娘もだるまにされた)、火だるま攻撃、雪だるま攻撃、だるま落とし等多彩な技を持つ。元々は「少しでも楽な生活がしたい」という人間たちの切実な願いを聞いて応援する役目を大切にしていたが、現代の人間たちの多くが、だるまに願掛けをしながらも昔のように正当な努力をまるでしない(選挙工作や裏口入学、インサイダー取引を行う等)上に「願い」がほとんど「欲」になっていたことと、用済みのだるまを粗末に扱うようになったことに怒り、だるまの気持ちを人間たちに思い知らせようと考え、日本中の人間をだるまに変えて欲のない清らかな「だるま王国」にする事業の手始めに治法戸市(ちほうとし)の全住民をだるまに変えてしまう。昔気質な性格と価値観を有しており(「ウーマンリブともやしっ子が大っ嫌い」と発言している)、自身の行ったことに対しやり過ぎだと異を唱えた鬼太郎たちに怒って襲い掛かるが、「だるまさんが転んだ」と言われると反射的に動きを止めてしまう癖が原因で心臓を見破られて降参し、だるまにした者全員を元に戻した。しかし人間たちが今後も考えを改めなければ、いずれ再びだるまに変えてやると考えており、事件後に目玉おやじも「あやつの言うことも一理あった。願いと欲は似ているようで別物じゃ」と同意していた。 第5作では第93話登場。普段はだるまのような顔の長髪の人間の姿に化けている。100年以上前から建つ「石垣ビルヂング」の存在しないはずの「4階」で100年前から妖怪相手の美術商を営むが、ビルが取り壊される事を知ってオーナーの石垣金五郎に抗議しに現れ、その翌日に工事業者を「4階」に連れ去る。その後、鬼太郎たちを交えた金五郎夫婦と交渉にあたり、金五郎の祖父と正式に契約書を交わした上で「4階」に住むれっきとした住人であることも判明する。工事を中止しなければ人質は解放しないと主張し、業を煮やした金五郎の妻が工事を強行したことに怒って金五郎も「4階」に連れ去り展示物に変えようとするが、砂かけ婆の発煙砂で燻り出される。鬼太郎に妖怪横丁に来るように誘われるが、長年住んできた愛着あるビルから離れることを断固拒否し、正体を現して鬼太郎と交戦。「笑うと負けを認める」とされ、「笑いのツボ」の子だるまを猫娘にくすぐられ、必死に笑うことに抵抗するも遂には真っ白になって気絶し負けを認める。しかし、だるまのビルを守ろうとする姿と、幼い頃に友達からビルの外観を「おんぼろビル」とからかわれていたことを気にしていた際に、「他人がどう思おうが自分の価値観を持ち、それを貫けば良い」とだるまに教えてもらったことを思い出した金五郎がビルの解体を撤回し、補修工事のみで済ませることを決めた(金五郎は当初補修工事のみを行うつもりだったが、周囲の勧めを断り切れずにいた)ため人質を解放し、改めて「4階」に住み続けることになった。 毒娘(どくむすめ) 体内に猛毒を持つ女性の半妖怪で、古いネコイラズ屋「元祖ねこいらず・猫毒屋」の店長。『国盗り物語』に登場。口から毒の息を吐き、相手を病気にさせたり、呪いのかかった品を無力化したりできる。猫娘とは知り合い。色仕掛けで旧鼠王を騙し、日本銀行から大金を盗ませた上で毒殺する。ダンプで逃亡を図るが、それに気付いて追ってきた鬼太郎を振り切ろうとして事故に遭い、計画は失敗し、重傷を負った。その後鬼太郎の家で治療をうけているうち改心しはじめる。吸血花ラグレシアとの戦いで、敵に自らの毒の血を捧げる捨て身の手段で倒し、息を引き取る。その後、ラグレシアに島を占領されていた人々が墓を立ててくれた。 鬼童・伊吹丸(きどう・いぶきまる) 声 - 古谷徹 アニメ第6作で大逆の四将の一体として第69話に初登場。伝承では『古今著聞集』などに登場する、日本三大妖怪の一角・酒呑童子の息子といわれる鬼。本作では「伊吹丸」という名前が付けられている。 左額の角を除けば美青年風の面持ちだが、その風貌とは裏腹に鬼の中でも最強クラスと称される実力の持ち主。常に携えている刀からは強力な斬撃を放ち、鬼太郎とも互角以上に渡り合い、刀の鞘で軽く突くだけで猫娘を戦闘不能にしている。また、呪禁道などの呪術や知識にも長けており、鬼道衆の操る呪装術は一切通用しない。かつては父親の酒呑童子を首魁とする大江山の鬼の一党に与していたが自身は人間の支配などには興味がなく、心を通わせていた人間の娘・ちはや(声 - 山崎和佳奈)や奴隷の人間とともに出奔、遠く離れた地に里を築き穏やかに暮らしていた。しかし近隣の国主によって里を滅ぼされ、ちはやも殺されたことで復讐の鬼と化し、国主とその血族をはじめとした人々を皆殺しにして国ごと滅ぼしたことで鬼道衆に討たれ千年前に地獄に投獄されたが、ぬらりひょんの手により脱獄する。脱獄後は私利私欲で暴れた他の四将とは違い、首を斬り放されたちはやの胴体を探し成仏させるため探索を開始、憑坐(よりまし)となり得るまなに目を付け連れ去ってしまう。胴体が眠るダムを破壊しようとしたため鬼太郎と対立するが、事情を知った鬼太郎たちの協力により胴体を発見し、ちはやと千年ぶりの邂逅を果たす。目的を果たした後は潔く地獄へ戻る道を選び、鬼太郎に人間と妖怪が共存することの難しさ、零に復讐の虚しさを説きながら連行されていった。 第75話ではまなの申し出により半身(魂)の状態で現世に復活、零に自身の力を与え九尾の狐との決戦の場へ誘った。事件解決後、閻魔大王より功績を認められ半身(魂)の状態で現世に留まることを許可され、零を一人前に鍛えるべく修行の旅についていくことになった。第96話でぬらりひょんの裏切りによって暴走したバックベアードによる世界滅亡の危機に憑依していた零と共に駆け付け、自身が知る限りの「あらざるの地」に関することを語り、あらざるの地への入り口を開く零の術をサポートする。
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