《所為》の正しい読み方
「所為」の正しい読み方
「所為」は「せい」と読む。かつては「しょい」という読み方が正しいとされてきた。しかし、現代では「しょい」と読むことはほとんどなくなり、「せい」で認識されている。なお、「所」という漢字を「せ」と読むのは非常に珍しい例である。「所為」の意味解説
「所為」は理由や原因、責任などと近い意味を持つ。あるいは、「好ましくない結果」を指すことも少なくない。主に、「~の所為」という形で用いる語句だ。その場合、前の「~」にあたる人、物、事象が原因となり起こった何らかの影響を示す。批判的な文脈で使われることが一般的である。たとえば、「彼の所為」「君の所為」などという書き方をすれば、「彼」や「君」が原因で、不利益が生まれているとのニュアンスを含む。なぜ「せい」と読むのか・理由
もともと、「所為」は「しょい」と読むのが当たり前だった。その「しょい」がいつの間にか変化して、「せい」になったといわれている。「所為」の起源は中国の漢文であり、その頃は「しょい」もしくは「そい」と呼ばれていた。「せい」になったのは、日本に語句が伝わってからである。「所為」の類語・用例・例文
「原因」「要因」「理由」「責任」などは所為の類語だといえるだろう。いずれも、すでに起こった結果を導いた事柄についての語句である。ただし、「所為」にはネガティブな意味合いが強い。望ましくない結果についての原因、要因などを「所為」と表現する。さらに、「所為」は「~の所為」以外の形で用いられることは非常に珍しい。「原因を探す」「理由がある」という日本語はあっても、「所為をす」「所為がある」との文章は成り立たない。「所為」を使った例文には「誰かの所為にする前に、まずは自分のやったことを反省しろ」「私の所為で会社に大打撃を与えてしまったことを、心からお詫び申し上げます」「さっきの雨の所為で、洗濯物がびしょ濡れになった」などが挙げられる。なお、「所為」と用いることで、対象を非難している文脈になりかねない。そのため、ビジネスやフォーマルな場で使うのは相応しくない言葉だとされてきた。「所為」の英語用例・例文
「purpose(効果)」や「reason(理由)」、「responsibility(責任)」などは比較的、日本語の「所為」に近い英単語である。ただ、「所為」のようにネガティブな意味合いがあるとは限らず、まったく同じ言葉ではない。例文としては、The action was to little purpose.(その行動はほとんど行動がなかった。=その行動の所為ではなかった。)Money is my reason to fight.(お金は私の戦う理由だ。=お金の所為で私は戦う。)We have the responsibility for this screwedproject.(私たちはこの失敗したプロジェクトに責任がある。=私たちの所為でこのプロジェクトは失敗した。)などが挙げられる。- 《所為》の正しい読み方のページへのリンク