《手水》の正しい読み方
「手水」の正しい読み方
「手水」は「ちょうず」と読む。古くは「てみず」と読み、「てみず」でも間違いではないが現代では一般的に「ちょうず」と読むのが正しいとされる。「手水」の意味解説
「手水」とは神社や寺院で参拝をする際に先んじて手や口を清めるための水のことを指す。また清めの行為自体も「手水」という。行為としての「手水」は単に手や口を洗うことではなく、穢れを清める神事である。古来より神道では、神の前に出る際には冷たい水で全身を清めるのが礼儀であった。人は生活の中で目に見えないさまざまな穢れがつくもので、穢れたまま神の前に出るのは非礼だからである。これを簡略化し手や口を清めることで穢れを落としたと見なすのが「手水」であり、寺院にも普及したのである。なお社寺において「手水」を行う施設を「手水舎(ちょうずや・てみずや)」という。神事である「手水」から派生して社寺以外の場でも、手や顔を洗う水のことを「手水」という。またトイレに行くことを指して言う場合もある。なお手に付いた水を指して「手水」と使うことがあるが、その場合の読みは「てみず」となる。
なぜ「ちょうず」と読むのか
「手水」はもともとは漢字の訓読みの通りに「てみず」と読んでいたが、音便化されて「ちょうず」と読まれるようになった。音便化とは発音しにくい言葉の音が変化していくという日本語の特徴で、「てみず」が発音しにくいためになまって「ちょうず」となったのである。「ちょうず」は口語で定着し、そのうち正しい読みとして認識されて現在まで至る。「手水」の類語・用例・例文
神事としての「手水」の類語清め、水行、禊(みそぎ)、洗心、払拭、若水、清水
手などを洗う行為としての「手水」の類語
手洗い、手水湯、洗顔、、トイレ、厠、便所
用例・例文
・神社に行ったら参拝の前にまず手水をしよう。
・お参りの前に柄杓ですくった手水はとても冷たく、穢れが落ちた気持ちがした。
・自分で手水を使う時はまず右手で柄杓を持って水を汲み左手を清める。
・毎朝手水鉢の冷たい水で洗顔をするのが祖父の日課だ。
・ちょっと失礼してお手水へ行ってきます。
「手水」の英語用例・例文
神事としての「手水」は浄化や清めに当たる英語表現の「purification」が適当であるが、日本独自の風習なので「chozu」としても良い。また手を洗うという意味の「wash hands」、口をすすぐという意味の「rinse mouth」と表現すると神事以外の「手水」にも使うことができる。・A water used in a purification ceremony.(手水に使う水)
・Chozu is water for washing your hands.(手水は手を清めるための水だ)
・It's a place where you wash your hands and rinse your mouth at a shrine.(神社で手と口を清めるための場所だよ)
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