《所謂》の正しい読み方
「所謂」の正しい読み方
「所謂」の正しい読み方は「いわゆる」である。「しょせん」と読むのは誤りであり、「しょせん」の漢字表記は「所詮」である。「所謂」は小説等の書籍や書類等によく見られる表記なので、覚えておいた方が良いだろう。「所謂」の意味解説
「所謂」は、①世間一般で言われている、②すでに周知の、といった意味で使用される連体詞である。従って、主に、ある言葉を別の言葉で言い換えたいときや、相手が話した言葉を端的に言い表したい時に使用されることが多い。「所謂」はもともと、漢文において使用されていた言葉である。漢文においては「所謂」を「謂う所の」と読んでいたが、この「謂う」の意味が「みんながいうところ」であった。時代の変化とともにこの「みんながいうところ」が「所謂」の意味に変化し、現代に続いている。なぜ「所謂」と読むのか・理由
「所謂」はもともと、中国の言葉である。日本には奈良時代に「所謂」という言葉が伝来したが、その当時は「いうところ」と読んでいた。この「いうところ」の「いう」の未然形に受け身の助動詞「ゆ」の連体形「ゆる」がついて「いわゆる」となったところから、「所謂」を「いわゆる」と読むようになったのである。「所謂」の類語・用例・例文
「所謂」の類語としては、①世間でよく言うの意味で使う「俗にいう」、②要約の意味で使う「要するに」、③結局の意味で使う「つまり」があげられる。表記が似ている「所以(ゆえん)」や「所詮(しょせん)」は意味が異なるので誤って「所謂」の意味で使用しないように注意する必要がある。「所謂」の用例・例文は、「彼は所謂エリートの1人だ。」「この家は、ゴミがあふれている所謂ゴミ屋敷だ。」「彼は、勤務先の上司から連日所謂パワハラを受けて鬱を発症し、退職した。」「子供が生まれ育休を取得していたが、職場復帰するために所謂ホカツをしているが、なかなか保育園が決まらない。」「この山は標高が低いが、所謂日本百名山の1つです。」があげられる。しかし、「所謂」を会話で使う場合、多用することは厳禁である。「所謂」を多用すると、聞き手によっては、あまりよくない印象や不快感を感じるからである。また文書作成で使用する際、漢字表記の「所謂」とひらがな表記の「いわゆる」を混在してしまうとバランスが悪くなるので表記は統一しておいた方が無難である。「所謂」の英語用例・例文
「所謂」の英語表現として、what is calledや、so-calledが挙げられる。例文としては、「He is what is called Ikumen(彼は所謂イクメンである。)」「They are members of so-called high society(彼らは所謂上流社会の一員である。)等が挙げられる。- 《所謂》の正しい読み方のページへのリンク