《手水舎》の正しい読み方
「手水舎」の正しい読み方
「手水舎」は一般的に、「ちょうずしゃ」あるいは「ちょうずや」と読むことが多い。日本の神社に参拝する際、参拝者が手と口を清めるための設備である。そして、一部の神社では、「てみずしゃ」や「てみずや」と読む場合もある。どのような読み方をするのかは、神社ごとのルールに則る形で問題はない。ただ、「しゅすいしゃ」や「しゅすいや」という読み方はない。基本的には「ちょうずしゃ」「ちょうずや」「てみずしゃ」「てみずや」のいずれかである。「手水舎」の意味解説
神社にある「手水舎」は、「手水(ちょうず)」という作法を行うための場所である。石造りの桶に水を溜め、その上に屋根を設けている形のものが多い。そして、参拝者は神社を訪れた際に、まず柄杓を使って自身の手を洗い、柄杓から手に移した水で口を清める。それが手水の作法である。古い時代では、自然の河川で手水を行っていたが、衛生面のことを考えて、手水専用のきれいな水を溜めておける、手水舎を設けるようになったという背景がある。なぜ「手水舎」と読むのか・理由
「手水」はもともと、「てみず」と呼ばれていた。日本古来の作法であるため、中国語由来の読み方である音読み「しゅすい」とはならない。そして、「舎」は建物を指す漢字であり、こちらは音読みで「しゃ」となる。また、「屋」と同じと見なされる「や」という読み方もある。そのため、「手水舎」は「てみずや」あるいは「てみずしゃ」と読む。「手水」本来の「てみず」という読み方は、う音便化によって変化した。う音便化とは、古代の日本で、「く」「ひ」「み」などが発音の便宜のために、「う」に置き換えられたことである。そして、「てみず」が「てうず」となった。その「てうず」が現代に至るまでにさらに変化をし、「ちょうず」となった形だ。そのような変化を経て、「手水舎」は「ちょうずしゃ」「ちょうずや」という読み方となった。「てみずや」または「てみずしゃ」と呼ぶ神社は、古い読み方を維持しているところである。「手水舎」の類語・用例・例文
「手水舎」を使用した例文は、「初詣に向けて、手水舎での作法を改めて確認しておく」「この神社は、手水舎のデザインが個性的である」という風になる。「舎」が付いているため、設備や建物自体を指す場合が多い。また、「鳥居を入ってすぐ左側が手水舎だ」「神社ではぐれた場合、手水舎前で落ち合うことになっている」という風に、手水舎がある場所を指すことも珍しくはない。 「手水舎」の類語としては「水盤舎(すいばんしゃ)」と「御水屋(おみずや)」が挙げられる。いずれも「手水舎」の別名であり、手水を行うための場所であることには違いない。「手水舎」を「ちょうずしゃ」ではなく「てみずや」と呼ぶのと同じように、神社や地域によって、呼び方が変わるだけである。そして、厳密には「水盤舎」や「御水屋」と呼ぶべきところを、「手水舎」と読んでも、意味が伝わる場合は珍しくない。「手水舎」の英語用例・例文
「手水舎」は日本の神道に関係する設備であるため、海外にはない。そのため、英語ではそのまま「Chozuya」「Temizuya」と表記する。例文だと「I'm teaching manners at chozuya to foreign friends(外国人の友人に、手水舎での作法を教えている)」となる。また、単語で伝わりそうにない場合は、「This is a shrine building for washing hands and rinsing mouth(これは手を洗い、口をゆすぐための神社の建物)」と、役割を説明した方が良い。- 《手水舎》の正しい読み方のページへのリンク